高校生のお子様をお持ちの親御さまへ
HIGH SCHOOL
高校生の不登校について
小学校、中学校との最も大きな違いは、単位(進級、留年)のこと
高校は、卒業までに74単位の授業を修得する必要があります。習得のためには全日制高校の場合、テストの点数、課題の提出、そして授業への出席日数(欠席日数)が重要となります。テストや課題に関しては、仮に合格基準に満たなかったとしても、追試や補講など救済策を用意している学校も多くあります。しかし、出席に関しては救済策はあまり存在せず、年間で3分の1以上を欠席した場合、その授業の単位習得はできなくなり、その年での進級ができなくなります。仮に4月から欠席し続けた場合、1学期終盤の7月、または2学期が始まる9月に欠席時数の上限を超えてしまいます。
ですので、小学校・中学校よりも、高校の場合は、学校を休むことへの時間的な条件が厳しく、「子どもの心の回復、本人のペースを尊重したいけれど、単位が切れて留年となってしまう」というジレンマを抱えるケースが多くなります。そして、本来であれば心身の回復に努めたい時期であっても、「単位が残り〇日」というように、学校を休んでいてもなかなか心が休まることがなく、ストレスを感じ続けるケースもあります。
POINT01高校生の不登校は”早期対応”が大切です。
「単位習得の条件」はお子さまの心身の状態を基本的に考慮してはくれません。
だからこそ、カウンセリングで早めの対応を。
学校を休み始めの時期であれば、まだ欠席時数には余裕があるため、本人の心のケアと今後の選択肢を検討しながらサポートすることが可能です。しかしながら、欠席時数が残りわずかの状況で、かつ本人に強いストレスがかかっている場合はその選択肢は限られてきます。たとえば、在籍している高校への復帰は、本人にさらなるストレスがかかるリスクもあるため、医療機関のドクターからも復学以外の選択肢を勧められることも多くなります。もちろん、本人の心と身体の安全を考慮してのご判断でありますが、一方で、「進級を諦める」、「学校を変える」というのは、お子様にとっても大きな決断であり、将来への不安など、新たなストレスを抱える可能性もあります。
そもそも…不登校とは?
文部科学省の定義によると、年間30日以上欠席した者のうち、何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因や背景により、児童・生徒が登校しない、あるいはしたくともできない状況にある者(ただし、「病気」や「経済的な理由」による者は除きます)となっています。
そして不登校支援センターでは、「不登校とは、その子なりのなんらかの目的を達成するための行動である」という理解をしています。様々な要因が重なり合い、子どもは学校を休むという行動に至ります。一人ひとり性格も事情も異なるからこそ、一人ひとりを丁寧に理解していき、その子に合った支援をしていくことが効果的だと考えています。
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POINT02学校生活で向き合うストレスの要因
前述のとおり学校を休み続けることで、単位という悩みも大きくなります。
それでは、学校を休むまでにはお子様はどのようなストレスと向き合っているのでしょうか?代表的なものをご説明いたします。
環境の変化による不安
人間関係の変化
中学受験などをしていない場合は、小学校、中学校と、子どもたちはほぼ同じメンバーで学校生活を過ごします。しかし、高校進学にあたり、それぞれの進学先に進むため、子どもたちは新たな交友関係を一から築くことになります。社交的な子であれば、自ら話しかけて友達を作ることもできますが、控えめな子などはクラスの環境によっては思うように交友関係を築けていない状況となることもあります。そうした焦りや不安からストレスを抱えることも多くなります。
また、中学校時代が充実していたお子様にとっては、高校のクラスメイトとのコミュニケーションに物足りなさを感じてしまい、意欲が落ち込んでいくケースもあります。
学業不振
勉強などに力を入れている、いわゆる進学校では日々の課題の量も大きく増えることになります。初めは高校に入学した緊張感から頑張って宿題に取り組んでいきますが、次第に疲労感を感じてしまうケースもあります。うまくバランスを取りながら自分のペースを見つけることができればよいのですが、無理をしすぎてしまい、徐々に宿題の提出が間に合わなくなり、それがさらなるストレスを生み出すという悪循環となっているケースもあります。
他校の友達との比較
高校受験を経て、中学校の友達とは違う学校になったとしても、SNSを通して中学校の友達とのコミュニケーションは続いていきます。義務教育ではなく、自分で進む高校を選択しているからこそ、進学した高校で思うようなスタートを切れなかった時、友達が進んだ別の学校が正解のように見えてしまい、後悔の思いを抱えてしまうケースもあります。
学校生活への諦め
2年生、3年生と進級する中で、交友関係は徐々に固定化されていきます。お互いに初対面な状況であれば別ですが、すでにお互いを知っている状況、すでに交友関係ができている状況の中で、新たに友達を作っていくことは難しいことでもあります。ですので、友達がいない状況のお子様にとっては、交友関係が広がっていくイメージを持ちにくく、それが学校生活への期待を下げてしまい、登校意欲、学習意欲の低下につながってしまうケースもあります。
将来への不安
進路選択への不安
高校によっては、進級するタイミングで文理選択をすることになります。自分のやりたいこと、またその自信も備わっていれば、自然と選択することができますが、そうではないケースもあります。日々の学校生活で精いっぱいな状況では、将来のことについて考える余裕は中々持てません。またこうした余裕がない上では、将来のことを考えても前向きな考えも持ちにくくなります。主体的な進路選択ができず、「進路を決めなくてはならない」というプレッシャーを感じてストレスをため込んでしまうケースもあります。
大学受験へのプレッシャー
大学受験はお子様の人生においても、大きなライフイベントとなります。特に進学校など、勉強に力を入れている学校の生徒であればあるほど、実力や自信も備わっている一方、プレッシャーを強く感じているケースもあります。自分の目標を叶えるためには、努力する必要があることは理解していながらも、「もし合格できなかったら?」という不安から、反対に勉強から遠ざかってしまうケースもあります(劣等コンプレックス、優越コンプレックス)。長期間にわたって向き合うテーマだからこそ、継続的に取り組めるサポートが大切です。
通信制高校という選択肢
以前より、通信制高校のカリキュラムはとても充実してきています。また、通信制高校を選択する生徒も増えており、およそ13人に1人が通信制高校の生徒となっています。ですので、不登校の状態ではなくとも、多くの子が通信制高校という選択肢を知っている状況です。もちろん通信制高校は立派な選択肢ではあるのですが、「勉強がラクそう」、「学校に通わなくても大丈夫」という先入観に引っ張られてしまい、現在所属している学校への登校意欲が下がってしまうケースもあります。
通信制高校には全日制高校と比較し、登校のペースなど自由な点もたしかにありますが、課題の提出など自分自身で管理しなければならない点もあり、入学後(転入後)に行き詰ってしまうケースもあります。
次へ進む高学生の不登校を解決する為には…
わが子が不登校になったとき、親は様々な方法でその解決に取り組まれています。
代表的な方法は次の通りです。
1. 親の働きかけ
子どもの不登校を目の当たりにしたとき、多くの家庭で、なんとかしなくては、とまずは自分で調べ、解決しようと一生懸命取り組まれることが多いです。
インターネットで調べたり書籍を読んだりして対応方法を検討します。
そのうえで、子どもの話を聞いて気持ちに寄り添おうとしたり、子どもの心身の疲れを理解し、エネルギーを充電させるために、いったん学校を休ませることもあります。
一方、弱気になっているだけだからと、背中を押すなど強い態度で臨む場合もあります。
いずれにしても、親から子どもへの働きかけが中心となります。
2. 医療機関
不登校の初期症状として、学校に行こうとする朝に頭痛や腹痛といった身体的症状が表れ、学校に行けない理由を口にすることがあります。
都合がいいときにだけに起こるため、周りから信じてもらえないと子どもは不安な気持ちに陥ります。
そのため、親はかかりつけや近くにある小児科を受診させます。
しかしそれは、心理的ストレスから体に影響が出てきていることが多いのです。
3. 心療内科
医療機関を受診してもなかなか症状が改善しない場合、医師の勧めなどで、心療内科を受診する場合が出てきます。子どもに特化した心療内科もあります。
心療内科の対応は、主に臨床心理の視点に基づいたものになることが多いです。それは「ストレスを感じている状態からまずは遠ざかりましょう」というスタンスで、子どもに学校には行かず、休息を取らせて、しばらくエネルギーを蓄えることを勧めます。
エネルギーが再び蓄積されたら活動してもいいですよといった形のケアをされることが多く、親は納得しつつも、「エネルギーがたまるのはいつだろう?」と先が見えない不安を抱えているケースもあります。
4. 塾
子どもが話す不登校の理由が「勉強についていけない」ことである場合は、学校に行かず、塾に通うことを選択することが有効な場合があります。塾や家庭教師に習い、学力を養って、遅れている科目を補充し、やがて学力が追いついてくると、登校できるようになります。
しかし実際は、塾や家庭教師を提案しても、拒否することも多く、本当の理由は別のところにあることもしばしば。
次へ進むお子様に合った支援を考えるためにも、まずはその子の理解を。
一人ひとり、性格や事情も違うからこそ、その子の心理状態に基づいたサポートが大切です。
ここからは、カウンセリングの流れについてご説明します。
カウンセリングの流れ
- 1. 初回無料カウンセリング
- 2. ラポール形成
- 3. 心理テスト
- 4. コーチング
1. 初回無料カウンセリング
お子様のカウンセリングをスムーズに始めるために、初回は親御様のみで面談を実施
まずは親御さまのみお越しいただき、状態把握のための初回無料カウンセリングを実施します。
最大100分間と充分な時間をかけてご相談いただけます(初回無料カウンセリングは、オンライン対応可能です)。
「不登校になるまでの経緯」「家庭でのお子様の様子」「親から見たお子様の性格」など、効果的な支援を考えるために必要な情報をお聴きします。
カウンセラーからも適宜質問をするため、「お子様の状態をうまく説明できるか心配」という方も安心してご利用いただけます(もちろん回答はお答えいただける範囲で構いません)。
お子様の今の状況、ご家族の思いもお聴きし、そのご家庭に合った支援方法を提案していきます。
これから何をしていけばいいのかを初回無料カウンセリングではお伝えしています。
2. ラポール(信頼関係の形成)
子どもがどのような性格なのか、理解を深める
初回無料カウンセリング後のカウンセリングは、可能であればお子様を一緒に連れてきていただきます。
不登校支援センターなど、専門機関に相談に行くことに、初めは多くの子どもが抵抗感を持っていますので、その気持ちをほぐす必要があります。
この場所が敵ではなく、お子様にとって安心できる場所であると理解してもらうために、お子様と信頼関係を構築していくことから始めます。
たとえば、お子様が興味を持っていることのお話をしたり、一緒にすることもあります。
テレビゲームが好きな子やマンガが好きな子、アイドルのことを話すのが好きな子などさまざまです。
一方、親御様と離れることに不安を感じているお子様には、親子とカウンセラー、3人でやりとりをするなど、お子様が安心してカウンセリングに参加できる信頼関係を築いていきます。
※お子様の参加がすぐには難しいケースに対しては、親からのかかわり方、お子様の参加を促すアプローチなどもお伝えしております。
3. 心理テスト
どんなストレスを抱えているのか、どんなサポートが必要なのかを客観的に理解する。
今の心理状態を客観的に理解するために、心理テストを活用します。
心理テストには「エゴグラム」「ACS」「FDT」など様々な種類があり、お子様の支援に必要な心理テストを組み合わせて実施をしていきます。
「エゴグラム」は、子ども自身の価値観や考え方を把握するテストです。価値観や考え方を理解することで、どんな人間関係を築きやすいのか、またどんな人間関係のストレスを感じやすいのかを理解していきます。
「ACS」は、子どもがどの程度のストレスを感じているのか、またそのストレスが心身に及ぼす影響はどの程度のなのかを理解するテストです。
「FDT」は、親子関係を診断するテストです。このテストでは、親は子どもをどのような気持ちで見ているのか、子どもは親のことをどのように捉えているかを確認します。親がよかれと思っている関わり方が、子どもにはうまく伝わっていないことも多くあります。そうした認識のずれを解消し、良好な親子関係を目指すための手段が「FDT」です。
4. コーチング
これからどうするかを考える、作戦会議
状況把握と信頼関係を築いた後、ご家族の目標と理想的なお子様の状態を共有し、達成するためのお手伝いをします。
たとえば、心理テストで示されたお子様自身の強みを再認識して自信を取り戻したり、ストレスの種類に応じた対処方法を一緒に考えたり、自分で対処方法を考える力を引き出したりするお手伝いです。
また、お子様の価値観や性格を考慮し、違った物事の受け止め方を創造したり、無理なく実践できる課題の設定や取り組みを行います。
たとえば宿題などでは完ぺきを求めず、半分の完成度でもさほど支障がないことの気づきを促したり、その安心感を持たせ、お子様が自分自身を許せる心を醸成します(例:認知行動療法)。
ストレスとはこれからも付き合っていきますし、似たような悩みに再び直面することもあるでしょう。そうしたときに上手に乗り越えられる方法を考えたり、自分の力を信じられるよう、働きかけていきます。
安心してカウンセリングをお受けいただける体制
カウンセリングでは、当センターとご家族、特にお子様との信頼関係の構築が大切となります。
だからこそ、ご家族に対して、専任のカウンセラーが初回無料カウンセリングからコーチングまでを一貫して担当しており、安心感を持ってカウンセリングを受けていただける体制を取っています。
万が一、カウンセラーとの相性が合わないと感じられた場合は担当変更も可能です。
不登校支援専門カウンセラーは、このような経験を積んだ人材が担当しています。
1. 子どもの心の声を聴くプロ
カウンセリングに来るお子さんは様々な気持ちを抱えてやってきます。
誰かにこの悩みを打ち明けたい、と思っている子もいますが、中には、自分の悩みを他人に話したくない、という思いを持っている子もいます。
しかし、カウンセラーはそうしたお子さんの気持ちに寄り添うことのプロフェッショナルであり、お子さんが抱えている悩みを安心して打ち明けられるよう、かかわることができます。
2. あなたのご家庭の状況に合わせたアドバイスができる
不登校は、お子さんの心理状況も一人ひとり異なりますが、それだけではなく、お子さんを取り巻く状況も異なります。ご両親で共働き、一人っ子、兄弟姉妹などご家庭の状況は様々です。
また、学校についても中高一貫、公立私立、部活動なども様々です。
不登校支援センターのカウンセラーは、全国7支部で、日々、カウンセリングを行っている強みを活かし、他のカウンセラーとそれぞれの事例を共有することで、ご家庭の様々な状況に合わせたアドバイスを行うことができます。
3. 様々な心理学に精通した専門家
心理学は、文字通り人の心を理解する学問なのですが、○○心理学とあるように、同じ人の心を理解するにもかかわらず、様々な考えが存在します。
それだけ人の心には様々な理解の仕方があるということではあるのですが、不登校支援センターには、こうした様々な心理学に精通したカウンセラーが多くいます。
お子さんの心理をどのように理解し、どのようなカウンセリング方針を立てるのが適切なのか、日々、それぞれのカウンセラーが互いに知識、意見を交換しながら、研鑽を積んでいます。
次へ進む実際、このような困りごとを抱えている子どもたちがカウンセリングに参加しています。
- 繊細な感受性を持っているがあまり、心配性な子
- 完璧主義で臨む子
(テストは満点じゃないといや。満点がとれなさそうだから休む。) - 何事も一人で抱え込んでしまう子
- 周りに振り回されてしまい、気を遣いすぎる子