不登校の5段階① ‐しぶり期について‐
こんにちは。不登校支援センター大阪支部の森です。
今回は不登校の段階と、しぶり期におけるお子さんについてお伝えしようと思います。
お子さんに当てはまるものがないか、チェックしてみてくださいね。
不登校の5段階
まず、不登校の段階についてお伝えします。
当センターのホームページには不登校の6段階という考え方が記載されておりますので、そちらもご覧ください。
今回はこれとは別に不登校の5段階という考え方もありますので、そちらについてご紹介しようと思います。
不登校の5段階とは不登校をしぶり期、混乱期、模索期、回復期、自立期の5つの段階に分けて見るという考え方です。
それぞれの段階において、特徴的なお子さんの様子が見られますので今回はしぶり期について説明します。
しぶり期の子どもの様子
しぶり期における子どもの様子としては、主に以下のものが挙げられます。
学校場面と家庭場面でそれぞれ特徴的なものがありますので、ぜひチェックしてみてください。
【学校場面】 【家庭場面】
①遅刻・早退・無断欠席が増える ①朝、悪心・腹痛・頭痛を訴える
②特定教科の欠席・結果が増える ②起床や身支度が遅くなる
③保健室に頻繁に出入りする ③「学校嫌、つまらない」と言う
④成績低下や学習意欲が減退する ④友達批判やいじめられると言う
⑤部活動やクラブ活動、委員会活動をさぼる ⑤帰宅すると疲れが酷い
⑥友達と口を利かず孤立気味になる ⑥部屋で何もせず、閉じこもる
⑦集団活動に参加しなくなる ⑦家族と会話をしなくなる
⑧忘れ物やぼんやりすることが増える ⑧イライラして落ち着かなくなる
⑨学級やほかの場面で感情の起伏が激しくなる ⑨家族に暴言を吐く、暴力を振るう
(不登校の子どもの理解と支援(寺田 2018 pp.48)より引用)
以上がしぶり期における特徴的なお子さんの様子となります。
しぶり期における家庭での親御さんの対応
しぶり期における親御さんの対応にも特徴的なものがありますので、そちらもお伝えします。
【家庭の親の対応の様子】
①身体症状を訴える子供を通院させたり、相談機関巡りをしたりする
②重大と受け止めず「困った」と思いながらそのまま登校をさせる
③病気(風邪・腹痛・頭痛・生理など)による欠席と学校に伝える
④家族が気付いても、大げさにせずそのままにしておく
⑤登校を渋っても、声をかけ、とりあえず登校させる
(不登校の子どもの理解と支援(寺田 2018 pp.48)より引用)
以上がしぶり期にみられる、親御さんの対応の特徴です。
こちらの対応が誤っているということではありませんが、学校や登校に対して葛藤を感じているお子さんに対して、登校に向けたアプローチが多くあることで、より一層葛藤が高まる可能性もございます。
そのため、お子さんの心理的な状況に合わせて、どの程度見守るか、またどの程度アプローチをした方がよいかも異なってきます。
最後に
今回はしぶり期におけるお子さんと親御さんの特徴についてお伝えしました。
しぶり期は嫌がってはいるものの、まだ継続して登校できている状態です。
そのため、お子さんの異変に気が付いても「学校へ行けているし大丈夫だろう」と安心してしまうことも多いですよね。
この時期において見守る時間が長いことで不登校状態が進行してしまうこともあるため、できるだけ早い段階で当センターだけではなく各支援機関をご利用いただくことも大切です。
次回は不登校の5段階②として、混乱期についてお伝えします。