不登校状態が続いている人の最大の特徴とは?
皆さん、こんにちは。不登校支援センター 横浜支部の庄子です。
11月になり、暑さもようやく緩んできましたが、皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか?
乾燥もする時期になりましたので、御身体ご自愛頂ければと思います。
さて、今回は「不登校状態が続いている人の最大の特徴とは?」についてお話をしたいと思います。
不登校状態が続いている人の最大の特徴
では、早速結論からお話ししたいと思います。ズバリ、
「不登校状態に困っていない人」
です。
困らない状態が実は不登校改善に向けて課題となることがございます。困らない状態になっている人は悩み切れませんし、悩み切れないということは考えられない状態といえます。その為、不登校状態について、「当たり前、仕方が無い、諦めるしかない」と言ったネガティブな状態から抜け出せない状態になっているのです。
ネガティブな状態から抜け出すことが出来ない中、周りの動きが活発になる「新学期」や「新学年」、または「環境の変化」を必要としたとき、焦ることで急に動き出そうとする傾向があります。
しかし、上手く行かない場合、そこで息切れ状態になり、次第に学校にいけない状態が再燃し、不登校が長期化しやすいのです。
親御さんとしても一度この状態を見ると、「エネルギーが溜まれば行けるようになる」と思い易く、お子さんのペースに任せることを選択しやすいですよね。すると、結果的に不登校の長期化になる場合が多いのです。
時間をかけることで不登校が改善する場合もありますが、どのくらいの時間を掛ければ改善するのかは定められていませんし、個人差があります。最も長くなる場合、成人を迎え、周りが社会人になっても家から出ず、引きこもりになる可能性も十二分にあるのです。
また、本来送れるはずだった時間も、今は仕方が無いと諦める一方、大人になった時に後悔を口にする場合もあるかもしれません。
不登校支援は本当に肉体的にも経済的にも体力勝負になります。だからこそ、ご家庭だけで抱え込み過ぎないことがとても大切です。
困っていないのは子どもだけ?
では、困っていないのは子どもだけなのでしょうか?
不登校が長期化すると、親御さんとしても疲れてしまいますよね?不登校支援センターをご利用されている親御さん方もこの様な話を共有して頂いております。
不登校が長期化することで、支援する気持ちもありつつ「楽になりたい」、「解放されたい」と思うのは当然です。通常の生活も大変な中、不登校の子どもを支えるのは精神的に辛いことが多いと思います。この状態になると、困ることに気持ちが向き辛いため、少し酷ではありますが、正しく困ることを促していく必要があります
つまり、「正しく困ることが出来ない」為、不登校状態から抜け出したい気持ちよりも現状のままで良い、ストレスを加えられたくないと思う傾向があり、親御さんとしてはその姿を見て、「子どもが元気ならそれで良い」と考えやすくなります。
困らない原因とは?
不登校のお子さん、親御さんの中でも“困り辛い状況になる理由”があります。お子さんの場合は「学校に行った方が良いのは分かるが、学校に行きたくない」もしくは「学校に行く理由が無い」と思っていると、学校に対しての消極的な理由を思いつきやすいのです。
すると、学校へ行かないめにゲームやスマホなどのツールを多く使い始め、さらに制限無く使うことで、登校する理由がより一層無くなります。ブレーキをコントロール出来る状態であれば、自ら制限することが出来ます。しかし不登校が長期化すると、ブレーキを踏んでいたとしても止まらない為、暴走状態になり、次第にその状態がお子さんにとって普通になり過ぎてしまうことで学校に行けないことが常態化していくのです。
つまり、コントロール出来ない状態を長く過ごすことで、不登校改善に時間や労力を多く使う必要があり、状況が長期化していきます。長期化すればする程、学校に行くタイミングが分からなくなってしまう為、行けない理由や行かない理由が増えていきやすいです。
また、親御さんの困ることが難しくなる理由の一つに、「他の人からの助言(インターネットや書籍を含む)」が最も多いと言えます。色々なものを見たり聞いたりすると、何を信じて実行すれば良いか分からなくなりますよね。
そして、そうした情報の中で多いものが、お子さんが不登校になると「今はエネルギーをためる時期だから学校に行かさない方が良い、休ませた方が良い」という言葉です。そのように言われることで、エネルギーをためることが正解であり、子どもの改善に繋がると信じ、安心されるのも当然だと思います。もちろん体調面での課題を抱えていらっしゃる方に対しては、医療的なサポートが必要です。
しかし、不登校が長期化する方は「半年以上好きなように休ませたが、一向に良くならない」状態でお越し頂くことも珍しくありません。実際に不登校が全国的に減らない理由の一つに、長期化するお子さんが増えた可能性も考えられます。もし、不登校状態が順調に解決していれば、減少傾向に転じていたと思います。
私たち、不登校支援センターは、お子さんごと、またご家庭ごとに合ったサポート方針を皆さんと共に考えていくため、進捗度に個人差はありますが、復学や社会復帰に向けて歩を進めることが出来ます。その為、長期化している場合でも、今の心理状況をお子さん、ご家族とともに紐解き、無理なく支援させていただくことができます。
また、「ストレスを掛けずに好きなことをする様に」とも言われることがありますが、ストレスを掛けない生活というのは、かなり難易度が高いものですよね。実は不登校支援において大切なことは、支援する側のストレスコントロールでもあります。その為、不登校支援の専門家として、親御さんに「お子さんにかかるストレスの量的質的コントロール」を意識的に大切にして頂くようお願いしております。よくある言葉に「親だから子どもの為にすることは当たり前」という考え方もあり、これを実行してしまうと結果的に「親は我慢、子どもは自由に」という状況になる為、アンバランスな家族関係になりやすいと言えます。
つまり、ストレスの掛け方が重要である為、制限のコントロールを出来るようにすることが不登校解決に向けて大切になるのです。
好きなように休ませることが本当に大切か?
それでは、不登校支援において大切なことは何だと思いますか?それは「社会生活に戻るためのトレーニング」になります。
「学校に戻りたくない、行きたくない」と思っているお子さんを無理矢理戻すことは家族関係に大きなヒビが入る為、強くおススメは出来ません。しかし、逆に好きなことをさせ続けることもよくはありません。何でもそうなのですが、「し過ぎることをしない」ことが大切になります。
ただ、不登校のお子さんに多い傾向として、時間が多くある時に「ゲームやスマホ」を多く使ってしまうという状況があります。「ゲームやスマホのみ」になってしまうことが問題である為、考え方や接し方を徐々に変化させていく必要もありますね。
つまり、無理矢理学校に戻すことは効果的ではないのはもちろん、自由に過ごすことに関しては今の生活の状態が正常に機能しているか?を考える必要があり、正常ではない場合、生活リズムの改善に目を向ける必要があります。
親御さんとお子さんの距離感づくりも大切
よく親御さんが後悔する際にお話しされる例として、「子どもの意見を聞かな過ぎてしまい、無理矢理やらせてしまった」というものがあります。家庭内のルールを作る時や、学校に行くことを強く促す行動をとられる際、親御さんがルールを一方的に決めてしまったり、学校に無理矢理行かせたりする行動をしているとお話しされます。(学校に行っていないなら、罰を与えるなどの考えもあてはまります。)
この「無理矢理」は例え子どもの為だと思っていても、子どもにとっては親御さんに対して「不信感」を抱いてしまいます。先ずは話を丁寧に聞き、お子さんの話に耳を傾けて頂くことが大切です。また、放置することや任せ過ぎることは話を聴かないことになり、自由にさせ過ぎてしまうと考える時間を作らないことにもなるため、ご注意頂けると幸いです。
また、お子さんの言うことを聴きすぎてしまうことで、親子の関係が逆転してしまい、手が付けられない状態になる場合もよくお話に出てきます。不登校のお子さんは社会との関係が希薄になると、「家庭の中では特別でありたい」という心理が働きやすく、「家族の中では特別でありたい」と思うようになる為、親御さんの言うことを聴かない行動や、親が言うことを聴いてくれるまで対抗する行動を取られる可能性があります。ここで対立関係を続けることも疲れる原因ですし、力づくな行動をしようとすると反発も大きくなります。その為、正しい親子関係・距離感を作ることがとても大切になります。
つまり、親御さんの意見、もしくはお子さんの意見を聴き過ぎることで、親子間の関係に影響が大きく出るため、距離感がとても大切です。その為、安心・安全なご家庭づくりが不登校改善に向けての近道になります。
不登校は支援の仕方で変わります。
不登校の問題は支援の仕方で変わります。心の問題である為、目に見えない難しさはあります。目に見えることで例えると、足を骨折してしまい、リハビリを行っている人がいるとします。その人に、「足が痛いならば、好きなことをやってても良いよ」と言い、足は治り、歩けるようになるでしょうか?治りませんよね。
反対に、「早く治して、日常生活を戻したいのなら、早くリハビリしなさい」と厳しく言うことで、頑張ることが出来るでしょうか?出来る人もいるかもしれませんが、不登校のお子さんたちにこの言葉は届きにくいです。
この二つの言い方は不登校のお子さんに置き換えると先程の「好きに過ごしていいよ」と「無理矢理行かせる」ことと同じ意味になります。どちらも治らないもしくは治す前に気持ちを折る行為になります。
また、リハビリをする際に支える人からのエールも必要です。
どんなにタフなスポーツ選手もリハビリの辛さに悲鳴を上げるとよく聴きます。ただ、応援してくれる人、復活を待ち望んでいる人達の声が力になり、復活が目標になります。その上で、一番近くにいる家族に支えてもらうことが一番の原動力になるのではないでしょうか。
しかし、今の日本の不登校対応は支える目的よりも自由にさせることが主流になっているため、スムーズに復学が出来る人は少ない状況ともいえるのです。
不登校の解決をしたいなら、不登校の専門家に相談を!
如何だったでしょうか?
不登校に関して何かきっかけやヒントを得られればとお考えの場合は、是非一度不登校支援センターにご相談下さい。
不登校支援センターは様々な不登校の形から復学や社会復帰に向けての支援実績がある為、皆さまのお力になれると思います。
時間が解決することもある場合はありますが、難しい場合もあります。
皆様からのご連絡を心よりお待ちしております。
関連ワード: エネルギーをためる , ゲーム , スクールカウンセラー , ストレスコントロール , スマホ , リハビリ , 不登校 , 不登校支援 , 傾聴 , 学校に行かせる , 安心・安全 , 専門家 , 復学 , 横浜支部 , 社会生活 , 見守る