発達障害について④~LDについて~
こんにちは。不登校支援センター大阪支部の森です。
前回のブログまで3回にわたり発達障害についてお伝えしてきました。
その第4回目にあたる今回は発達障害の中でも学習障害(LD)についてお話していきます。
そもそもLDとは
学習障害(Learning DisoderもしくはLearning Disability)とは発達障害の一つで学習に関する能力に困難が生じている状態を言います。このLearning DisoderもしくはLearning Disabilityの頭文字をとってLDと呼ばれています。LDと知的障害は混同されやすいのですが、明確な違いがあります。その違いについては後ほど説明していきますね。
ここではLDの種類についてお話いたします。
先ほど述べた学習に関する事柄に生じる困難には以下のものがあります。
①読字障害(ディスクレシア)
読字障害は「文字を読む」ことに困難が生じている状態です。文字がぼやけたり、歪んだり、逆さに見えたりしているという特徴があります。音韻認識も弱く、ひらがな・カタカナといった簡単なものは分かっても漢字が理解できないということもあります。
②書字障害(ディスグラフィア)
書字障害は「文字を書く」ことに困難が生じている状態です。文字を書こうとしても正しい形でかけなかったり、書く際に時間がかかったりします。
③算数障害(ディスカリキュア)
算数障害は「計算や推論をする」ことが著しく苦手である状態です。算数障害に関しては小学校に入学したときに親御さんが気付かれるケースが多く見受けられます。
学習障害と知的障害の違い
学習障害と知的障害には明確な違いがあります。ここではその違いについて説明していきます。
まず学習障害と知的障害の共通点は知的な遅れがみられることです。しかし、その範囲に大きな違いがあります。
学習障害は先ほど挙げた3点のような特定の能力に困難が生じている状態であるため、それに関連する内容に関して知的な能力の遅れが見られます。発達検査をしたときに特定の項目だけが平均を著しく下回ります。
一方、知的障害は発達期までに生じた知的発達の遅れにより社会生活への適応が困難になっている状態であり、知的能力全般において低下がみられる状態です。発達検査をしたときに知能水準(IQ)が70を下回っていると知的障害と言われます。
学習障害の診断について
学習障害の診断には知能検査が使用されます。それに加えて生活歴や家族歴、お子さんの普段の様子などの問診も行われます。
その中で代表的なものはウェクスラー式知能検査です。検査を受ける方の年齢に合わせて使用する検査が変わります。
2歳半から7歳3ヶ月のお子さんにはWPPIS‐Ⅲ、5歳0ヶ月から16歳11ヶ月のお子さんにはWISC‐Ⅳ、16歳から90歳11ヶ月の方にはWAIS‐Ⅳが使用されます。
知能検査の結果と親御さんへの問診の結果から総合的に判断して学習障害の診断がされます。
また、知能検査の結果を学習障害の支援に役立てることができます。
学習障害に対する支援
学習障害に対する支援はその特性に合わせて行うことがとても大切になります。
そのため、まずはお子さんの様子を見守り、どこに苦手さを感じているのかを把握していく必要があります。
見守ったことで具体的になった苦手さを支援していくための方法を考えていくことで、お子さんの力を伸ばしていくことができるようになります。
また、療育施設や放課後等デイサービスを利用していくこともお子さんへの支援に繋がります。
最後に
今回お話ししたように学習障害には様々な特性があります。
この特性が原因で学校での勉強についていくことができず、不登校となってしまうことも考えられます。
そのような事態を生まないためにも、まずはお子さんの様子をよく観察し専門の医療機関などを受診していくことも大切になります。
お子さんの特性に合わせたかかわり方や支援の方法について一緒に考えていきたいと思いますので、発達障害から生じた困難による不適応などが原因の不登校でお悩みの場合にも当センターをご利用くださいね。
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