不登校解決現場レポート

発達障害について③~ADHDについて~

こんにちは。不登校支援センター大阪支部の森です。

前々回のブログから発達障害をテーマとして全4回にわたってお伝えしています。

その第3回目となる今回はADHDについてお話していこうと思います。

ADHDとは

そもそもADHDとはAttention‐Deficit/Hyperactivity Disorderの略称で日本語では「注意欠如・多動症(注意欠如・多動性障害)」と呼ばれています。

前回のASD(自閉スペクトラム症)と同じく脳の機能障害が原因で発症すると言われています。

ADHDは読んで字のごとく注意力の欠如やじっとしていられない(多動)、突発的に行動してしまう(衝動性)が主な症状として表れます。

ADHDの特性が表れ始めるのは早い方だと2歳頃からで、多くの場合小学校に上がる頃に診断されます。しかし、注意欠如が優位である場合は発見されづらく青年期を過ぎてから診断されることもあります。

ADHDの男女比は3:1の比率で男性の方が多いと言われています。男性のADHDは多動性・衝動性によるトラブルを起こすことが多いため発見されやすく、逆に女性のADHDの場合は不注意優勢であることが多いため、発見されにくいとされているためこのような差が生まれると考えられています。

ADHDのタイプとその主な症状

ADHDには不注意優勢型、多動性・衝動性優勢型、混合型の3つのタイプがあります。

それぞれのタイプにはどのような症状が現れるのかをここでは説明していきます。

①不注意優勢型

不注意優勢型は長時間集中することが難しいため、それが原因でうっかりミスをしてしまう特徴があります。ADHDではない方もうっかりミスをしてしまうことはあると思いますが、ADHDの方の場合その頻度が高くなります。その結果周囲の人から、怠けている、やる気がない、能力が足りないといったマイナスな評価を受けてしまうこともあります。また、気が散ってしまうため人の話を最後まで聞くことが難しく、細かいミスを繰り返してしまったり、整理整頓や時間管理が苦手という特徴もあります。

②多動性・衝動性優勢型

多動性・衝動性優勢型は何か1つの物事に取り組むことや、同じ場所に留まり続けることが苦手という特徴があります。何となくそわそわして体を小刻みに揺らしたり、貧乏ゆすりをしたり、思ったことをそのまま口に出してしまう、すぐに飽きてしまうという特徴があります。また、不注意優勢型と共通する特徴としてはケアレスミスをしてしまう、時間管理が苦手というところもあります。子どものADHDの場合、学校の授業中に立ち歩いたり、教室から出ていってしまうという行動として多動性・衝動性が見られることもあります。また、思ったことをそのまま口に出してしまうため、失言に繋がり人間関係のトラブルを起こしてしまう場合もあります。

③混合型

混合型は上記2つの方の特徴を併せ持っていることが特徴です。物事に飽きてしまいやすく集中して取り組むことができない、計画を立てて行動することが難しい、ミスや忘れ物が多いといったような特性を表します。さらに多動性・衝動性が原因で失言をしてしまうこともあるため円滑にコミュニケーションを取ることが難しく、人間関係上でのトラブルにもつながりやすくなっています。また、感情をコントロールしたり他者の気持ちを想像することが難しいため孤立してしまうこともあります。

さらにADHDはASDと併発する場合もあり、ADHDの特徴に加えてASDの特徴であるこだわりの強さなどが見られる場合もあります。

ADHDの診断方法

現在の日本におけるADHDの検査方法は質問紙法と知能検査の2つがあります。

どのようなものがあるのかをご紹介します。

質問紙法

①ADHD‐RS

②Conners3

③Conners Adult ADHD Rating Scale

以上の3つです。それぞれ回答する方が違うため、用途によって使い分けられています。

知能検査

①ウェクスラー式知能検査

②ビネー式知能検査

③新版K式知能検査

以上の3つです。こちらは検査を行う対象の方の年齢によって使い分けられています。

これらの検査の結果に加えて家族歴や成育歴、学校や職場、家での様子などを聴き取り総合的に判断し医師が診断をします。

今回のまとめ

ADHDは脳の機能障害が原因で発症すると言われている病気です。そのため、本人の意思ではコントロールすることが難しい部分も多いため、服薬をして症状を和らげたりSSTでコントロールするスキルを身に着けるといったことが大切になります。また、ADHDの症状によって生きづらさを感じうつ病などの精神疾患を二次障害として発症してしまうこともあるため注意が必要です。そのため、周囲の方がADHDの特性について理解を示し、適切なサポートを行っていくことも大切になります。

第4回目の次回はLDについて詳しく説明します。

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