再登校のために大切なことは?①
こんにちは。不登校支援センター横浜支部の安則芳郎です。
本日は、今現在不登校状態にあるお子さんが再登校をするために大切になってくるポイントをご紹介したいと思います。最初に結論から申しあげると、ポイントは下記3つです。
①心の状態を知り、自己理解を深める
②学校との連携をはかり、環境を調整していく
③その子が勇気を持てるように周囲が関わっていく
今回のブログでは「①心の状態を知り、自己理解を深める」ということにフォーカスしてお伝えしてこうと思います。最後までお付き合いいただければ幸いです。
「どうして学校に行きたくないの?」に答えられない子は多い
不登校状態にある子に、「どうして学校に行きたくないの?」と聞いても答えが返ってこない事が多いです。これは、単に親御さんに対してだと言いにくいということだけではなく、自分の心や気持ちを理解し、言語化するのが難しい といったことにも起因します。
こう考えると、お子さん達の発する「わからない」という言葉は、確かにその通りと言える部分もあるのかもしれません。
人の心、気持ちは、なかなかに複雑なものです。
そのため、私たちはカウンセリングを通してその子の心の状態を知っていく事をまず最初にやっていくべきだと考えています。
カウンセリングの神様のご紹介
ここではコラム的にご紹介しますが、「カウンセリングの神様」と呼ばれるカール・ロジャーズ(Carl Ransom Rogers, 1902年1月8日 – 1987年2月4日)は、来談者中心療法という、相手の気持ちや主体性を尊重する心理療法を創設しました。
その根底には人間が自己実現の本能を持ち、成長を遂げようとする傾向があるという信念があります。
こういった考え方は私たちがカウンセリングを実施するにあたっても特に重視しているところであり、なるべく指示的にならないよう、その子自身の気持ちを引き出すということに留意してお話をお聴きしていきます。
とはいえ、先ほどお伝えした通り、お子さんたちの中にはうまく言語化できなかったりする子もいます。ですので私たちは遊戯療法といって、趣味嗜好のお話や、遊びの中でお子さんたちが何を言わんとしているのかを考えていくようなアプローチも行っていきます。
また、別途心理テストなどを通してお子さんの性格傾向や心の葛藤状態を把握することも行う事があります。
お子さんたちが学校に対してどんな気持ちを抱え、どんなサポートが必要となってくるのか、それを考えていくプロセスは必要不可欠なものだと考えます。
自己理解が大切な理由
上記のようなアプローチによって、自分がどんな気持ちなのかが分かってくることはその子自身にも、あるいは周囲に対しても大きな影響を及ぼします。一例を挙げますと
- 自分の強みが分かってくる
- 自分のつまづきやすいポイントが分かってくる
- 学校に対しての気持ちが整理されてくる
- 自分の発言や行動に偽りがなくなり、葛藤がおさまってくる
- なりたい自分が見えてくる
- 他者とのコミュニケーションがスムーズになる
- 他者と協働しやすくなる
etc.
など、先に挙げたカウンセリングの神様、カール・ロジャーズも、(とても簡単に言うと)上記のように自己理解が進むことで様々な問題が解決していくと説いています。
私たちもお子さん自身に対して、あるいはお子さんを支える親御さんに対して、自己理解が進んでいくように促していく事はとても大切なポイントとしてカウンセリングを実施しています。
本日のまとめ
いかがだったでしょうか。再登校のために大切なポイントの一つ目として「心の状態を知り、自己理解を深める」ということについてご紹介していきました。次回以降も再登校のためのポイントをお伝えしていきたいと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
本日は以上になります。最後までお読みいただきありがとうございました。
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