不登校のお子さんの『夏休み中の対策』で必要なことは?
皆さん、こんにちは。不登校支援センター 横浜支部の庄子です。
7月になり、暑さがより一層増しておりますが、皆様如何お過ごしでしょうか?
今年の夏は暑さが厳しいと予想されております。
くれぐれも体調管理には十二分にお気を付け下さい。
さて、今回は「不登校のお子さんの『夏休み中の対策』で必要なことは?」についてお話をしたいと思います。
皆さんのお子さんの状態はどの様な状況でしょうか?
不登校の期間や状態によりますが、今年度に入り、お子さんの状態はどの様になっているでしょうか?
不登校支援センターでは「不登校の6段階」を提唱しておりますが、第二段階の初期の状況である場合、一度ご相談頂きたいと思っております。
このお話を前提にした際、7月・8月という時期は一番注意が必要な時期となります。
不登校のご相談は夏休みや冬休みに下方傾向になる場合が多いと言われております。何故、相談が減るのでしょうか?それは「学校に行かなくてもよい時期」だからです。
しかし、不登校支援センターでは、この時期を如何に使い、復学へ向けてのアプローチをする必要があるか?という点を大切にしております。
実際、ゴールデンウィーク明けから調子を崩される方が多く、改善しないまま6月・7月と五月雨登校や保健室登校、状況がよくも悪くもならない場合など、あまり安定しない状態で夏休みを迎えられる方が多くいらっしゃり、9月や10月にご相談へ来られる方もいらっしゃいます。
よくお話を聴くと、初期の状態の「身体症状」が現れ、本格期になっていた。しかしそのまま夏休みを迎え、「休みの間、気持ちも体もリフレッシュ出来るはずだから、夏休みが明けたら行けるだろう」と思われていた方がほとんどでした。
長期休みで本当にリフレッシュできるのか?
では、不登校傾向のお子さんの中で、長期休みの間でリフレッシュ出来る子はどれ位居るのでしょうか?
前段で述べた状態で、私が今までご相談を受けたご家族を振り返った際、夏休みを思う存分休まれた上で、心機一転、夏休み明けから行けた方は実は殆どいらっしゃいませんでした。
それでは、何故、休んだのに行けないのでしょうか?
それは、休みを満喫することで、学校のネガティブな部分が助長されてしまうからです。
元々、夏休み前までに身体症状や行き渋りが見られていると、学校に対しての気持ちはネガティブな状態です。その状態のまま夏休みを迎え、意識を学校に全く向けないと、気持ちは晴れ、生き生きとした夏休みを迎えられます。その状態を40日近く経験すると、お子さん自身も「これなら学校に戻れる」と思います。しかし、夏休みが終わることや宿題を再認識する段階で徐々に学校へ行っていたときのことがリマインドされ、不安やネガティブな憶測などが沸いて来てしまい、徐々に気持ちが低下します。この様になると、1日~1か月は学校に向けて努力をするのですが、息切れをした段階で学校に行くことが出来なくなるのです。
つまり、不登校のお子さんはリフレッシュをすることが苦手であり、実際に行っている対応は「学校を思い出さないこと」や「忘れること」になる為、新学期から気持ちよく登校することが難しいと言えます。
不登校改善に必要なこととは?
それでは、不登校改善に必要なことはどの様なことでしょう?
①リフレッシュの仕方を認識すること
一般的な考え方をすれば、「休む=リフレッシュ」だと思います。
しかし、心理的に不登校の状態の場合、「休む=リフレッシュ」になっていません。むしろ、休みというのではなく「時間を浪費して、我慢をしている」状態と言えます。
殆どの不登校のお子さんは学校に行かない事や行けない事に罪悪感を感じております。もしくは罪悪感を認知しないように行動していたり考えて居たりしていると言えます。
ただ、我慢することや時間を浪費しているだけだと、根本的な解決にならず、何かきっかけが降ってくることを待つしかない状態とも言えます。
その為、リフレッシュの仕方をお子さんに認知していただくことが大切です。
②新学期から登校したいと思っているかどうか?
次にお子さんに確認する必要がありますが、「新学期から登校したいと思っているか?」です。
実際、夏休みに入ると親御さんとしても学校のことを忘れられるので、それと一緒にお子さんに対しても学校に関しての話題がほぼ無くなります。
また、親御さんとしても、お子さんとしても「夏休みが明けたら行けるもの」と認知していることが多いのです。
この認識が夏休み明け前になった際、想定通りにならなかった際のイライラや不満、家庭不和に繋がる可能性が高くなっております。
③「0か100の考え方」を変えること
不登校傾向のお子さんの考え方の一つとして「0か100」で考える方が非常に多くいらっしゃいます。
先のお話の通り、夏休みの使い方に関しても「0」(充分休む)、休みの間は学校のことを全く考えないようにしている考え方になります。
不登校の状態や不登校傾向でなければリフレッシュをすることが出来ているため問題無いのですが、不登校に関してはあまり望ましくない傾向ともいえます。
その為、復学目標を定めた上で、適度に学校のことを考えていただく必要があるのです。
つまり、「0」にならない考え方にしつつ、適度なストレスを感じてもらい、復学に向けてのプロセスを構築して行く必要があります。
不登校のお子さんの特徴を的確に捉え、計画を立てましょう。
如何でしょうか?
不登校のお子さんにとって良かれと思うことが実は逆効果だったケースが多くあります。
今回のお話はそのうちの1つになります。
夏休みだから目一杯休むのではなく、適度に休むことが何よりも必要です。
また、親御さん自身は気持ち的に少し休める時期でもありますので、ご自身のお身体をご自愛頂ければと思います。
その上で、夏休みの過ごし方が夏休み明けに関係していきますので、お困りの方は是非一度、不登校支援センターにご相談下さい。
皆様からのご連絡を心よりお待ちしております。
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