子供の心理学

心理社会的発達と不登校② ~児童期の発達~

こんにちは。不登校支援センター大阪支部の森です。

引き続き心理社会的発達と不登校についてお話させていただきたいと思います。

前回は「そもそも心理社会的発達とは何か?」ということで、この理論における各段階の概要についてご説明させていただきました。

2回目に当たる今回は不登校に悩む方が多くいらっしゃると考えられる児童期について、前回よりも詳しくご説明させていただきます。

児童期とは

児童期とは小学校に入学する時期(6歳頃)から中学校に入学する時期(13歳頃)である青年期に入るまでの期間を言います。

この時期の心理社会的発達課題と発達危機は勤勉性 VS 劣等感で発達を達成した時に得られる力が有能感です。

児童期には幼稚園や小学校に通い始めていろいろな事を学ぶという楽しさを知る時期になります。

色々なことを学んでいく中で自ら宿題や作品を完成させるという経験や、クラスメイトや他の学年の仲間と共に協力してものごとに取り組み成功させるという経験を積むことによって「自分は何でもできる!」という有能感を抱くことができ、自尊心が育ちます。

反対に周りと比べて何をやっても上手くいかない、挑戦して失敗した時に責められたり怒られたりするという経験を積んでいくと、「失敗するくらいならやらない方が良い」と思うことになり、新しいことに挑戦する意欲を失い劣等感を抱くようになります。

上手く発達を遂げられない,もしくは発達の過程において阻害されるようなことがあり、劣等感が優勢になってしまうと意欲を失うことで不登校になってしまうことも考えられるため注意が必要です。

児童期における子供に対する親の関わり

この時期のお子さんとの関わりの中では、適切なタイミングや量のサポートをすることと叱ってばかりではなく適度に褒めることが重要になります。

サポートをしすぎてしまうとお子さん自身の自主性が育ちにくくなってしまいますし、叱ってばかりだと劣等感を抱くことに繋がってしまいかねません。

日々の暮らしの中でお子さんが何かを成し遂げた時にはそこに至るまでのプロセスも含めて褒めてあげる、失敗した時には一緒に失敗の原因を考えてあげたり、時にはアドバイスをしてあげるという親子の関わりがこの時期の発達を健全に遂げるという意味でも非常に重要になります。

最後に

今回は児童期の発達について前回よりも少し詳しくご説明させていただきました。この情報がお子さんの状態を考える上での手掛かりになることができたなら幸いです。

次回は当センターでもご相談にいらっしゃる方が最も多いと言われている、青年期の発達について詳しくご説明させていただきます。

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