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新学期に考えたい『不登校のリハビリ期間』で大切なこと

こんにちは。
東京支部の椎名愛理です。

5月に入り、気温の寒暖差を感じる時期ですが皆さま体に不調を感じるということはございませんか?
この時期は体温管理が難しく、体調を崩しやすい時期でもありますので、日々気を付けて参りたいものですね。

本日は三学期から学校生活に少しずつ復帰し、今現在休むことなく登校を続けられているお子さんのお話を共有させていただきます。

このブログを読んでくださっている不登校にお困りの方々の中には、復帰するにあたりどのような過程があったのか気になる方も多くいらっしゃると思います。

結論から申し上げますと、不登校の解決には攻略法や必勝法は無く、その子やご家庭の状況に合ったプロセスをたどっていただくことがとても大切になります。
そのため、今回共有させていただくAさんのお話は「そんな流れもあるのだな」と心にとめていただければ幸いです。

中学校2年生半ばから学校に通いにくくなったAさん

Aさんと私が初めて会ったのは、Aさんが中学校2年生の時のことです。


小学校4年生から中学受験を目指し、塾に通い一生懸命勉強をされていたそうです。
当時を振り返り、ご家族も「親がびっくりするくらい真面目に勉強していた」と仰っておりました。

日々学校に、塾に、家庭での受験勉強にと、Aさんは真剣に受験と向き合い、結果として第一希望の中高一貫校に進学されました。

進学後も、進度の早い学校での勉強に一生延命取り組まれていたAさん。
しかし、小学生の時と違い課題が多く、周りのお子さんも受験勉強を乗り越えてきた方たちという事で
思うように勉強面において成果を上げることが難しくなっていたそうです。

中学2年生に進級してからは、学校から出される課題を終えることができず
連日徹夜をして学校に行き、授業中には疲れて寝てしまう…。
そうした生活が数か月続き、中学2年生半ばからAさんは学校に行こうとすると力が入らない、
勉強をする気が起きず、好きなことも楽しいと思えないといった状況になっておりました。

中学3年生になってからの心境の変化

カウンセリングで初めてお会いした時はAさんが中学2年生三学期に入られた頃でした。
当日は「朝起きようとしても、中々起きられない」「好きな事しかやる気が起きず、ペンを握ることもしたくない」「学校という話しになると、ついイライラして親と喧嘩をしてしまう」など、
学校や学習、また学校がある日常生活のリズムに対してAさんの心は固く閉じられておりました。

しかし、中学3年生という節目の年を目の前にAさんの心境にも変化が現れました。

理由としては、内部進学をして高校生になりたいか、または内部進学をせず外部の高校に進むかという道をAさん自身が想像し始めたからです。

Aさんの学校は、中学生の間は欠席をいくらしても高校進学には影響がありませんでした。
※中高一貫校で、中学から高校への内部進学要件、また高校生期間中の進級要件は各学校によって異なりますのでそれぞれ学校に確認をお勧めいたします※

そのため、現状のままでも高校へ進学はできるものの、高校生では欠席日数やテストの点数によって進級できるかが厳しく精査されてきます。

そうした事情を親御さんから共有されてたAさんは、
「中学3年生になる前に、少しずつ体を慣らしておかないといけないかもしれない」
「中学3年生の一年間を通して、授業に出席して学校の授業ペースを感じておいた方が良さそうだ」
など、ご自分の日々の過ごし方を模索されていきました。

「三学期はリハビリ期間」

そんなAさんは「三学期はさ、リハビリ期間だと思うんだよね。みんなケガをしてから
直ぐに歩けるようになるわけじゃなくて、車いすや杖を使って少しずつ歩く練習をするでしょ?
だから私も三学期は学校にいく練習をするリハビリ期間だと思うようにしてみる」と仰り、

  • 先生と放課後に面談をする
  • 半日授業の時だけ学校に行ってみる
  • 部活は休部届を出して、しっかり休むことに専念する
  • 勉強は家庭学習を、プリントを1枚行う

などご自分のリハビリ計画をつくり、実施されていました。

このリハビリが順調に進み、現在新学期が始まってから一か月以上が経過しておりますが、Aさんは休まず登校されています。

こうしたAさんの復学には『Aさん自身が選んだ復学という道であった』が前提としてあり、
また『リハビリ期間に、親御さんや周囲の大人の方は多くのアドバイスをしすぎず
Aさんの決めた通りに動くことのサポートに徹した』
という特徴もございました。

大切なのは、Aさん自身がご自分の進路を選び、目標を決め、そのためのプロセスもご自分の意志で決めたという点です。

お子さんそれぞれに、復学のプロセスは異なりますが『自分で考え、決める、そして動いてみる』という点はどのお子さんにも共通する大切な切り口であると私は感じています。

皆さまがお子さんをサポートされる中で、勿論迷われることや
「このままで大丈夫かな…」とご不安に思われることもおありかと思います。


そうした際は、お一人で抱え込まずどうか私たちのような第三者機関にご相談くださいね。
一緒にお子さんが将来を決められるよう、サポートしてまいりましょう。

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