不登校状態を放置するとどうなるの?~よくある落とし穴~
皆さん、こんにちは。不登校支援センター 横浜支部の庄子です。
4月になり、新しい生活になりましたが、皆様如何お過ごしでしょうか?
今年は寒暖差が激しい時期で、桜の開花も例年より遅かったですが、綺麗に咲きましたね。皆様の今後も桜の様に満開になることを祈っております。
さて、今回は「不登校状態を放置するとどうなるの?~よくある落とし穴~」をお話させて頂きたいと思います。
不登校の始まりはいつ?
不登校の定義は文部科学省から出ている通りですが、不登校の始まりの定義はありません。その為、目安となりますが、「子どもが連続して学校を休む場合や遅刻・早退が増えた場合」になります。その際、2週間同じような休み方や遅刻・早退の仕方が目立つ場合はサインになります。
他には、
・学校や勉強に対してのネガティブ言葉が増えた。
・溜息が増えた。
・腹痛や頭痛などの身体的症状が増えた。
・寝れない事や起きれないことが増えた。
など、上記の様なことが増え出したら、不登校のサインになります。
その為、これらのサインが増える傾向の場合、先ずは学校に行かせる行動よりも話を聴く体制を整え、共感して上げることを優先しましょう。
不登校が悪化するのはどういう時?
実際、多くの親御さんの心理として、子どもが「学校に行きたくない、怠い、面倒くさい」と話す際、
・皆も頑張って行ってるんだから、あなたも頑張りなさい。
・何甘えたことを言ってるの?
・辛いなら学校を休んでも良いよ。
などの言葉掛けをしてしまう傾向があります。
実はこの様な言葉掛けが不登校の悪化に繋がります。何故、これらの言葉掛けが不登校を悪化させるかと言うと、上二つに関しては共感をしていない点です。子どもが何かに関しての愚痴や不満を話すときは話を聴いて欲しいというサインになります。親御さんとしても日々の生活に追われ、話を聴く余裕が無いときがあると思います。タイミング悪く、子どもも学校で何かがあり、サインを発信することもあり、「何故?」と思うことがあると思いますが、ここが非常に大切なポイントになります。
次に「辛いなら学校を休んでも良いよ。」ですが、一見共感している言葉に感じるかも知れませんが、実は共感では無く、受容もしくは許可になります。子どもが休みたいと言葉に出す前に「休んでも良い」と言ってしまうと、休むという選択肢が出来てしまいます。子どもの為、良かれと思いつい言葉が出てしまうと思いますが、これが常習になったり、その時は使ったのに別の時は「学校に行きなさい」と言ったり、一貫しないような状況が発生してしまうと子どもの中で不信感になり易く、終いには反抗的な態度に繋がる可能性があります。
親御さんとしてはどちらとも「子どもの為」という目的があると思います。しかし、最近の不登校になる子どもは昔と比べると理不尽な言葉や優しい言葉の受け取り方が違う様に感じます。
その為、親御さんの時代のお父さんやお母さんのやり方をそのまま行うと、今の子ども達にとっては違う解釈や反発の材料になる可能性が高いです。
不登校になり辛い必要な「共感」とは?
それでは、「共感」するとはどういう事でしょうか?簡潔に言うと、「子どもの発した言葉に疑問を持って対応すること」になります。
例えば、「怠い」や「面白くない」、「辛い」などの言葉に対して、何故「そう思うのか?」と疑問を持ち、「何故そう感じているの?」と聴き返してあげることが大切になります。そうすることで、自分の話に興味や関心を抱いてくれていると思うため、子どもが真に話したいことにたどり着ける可能性が上がります。
この様なやり取りを交わす中で、家族としての信頼関係が保たれるため、例え不登校になったとしても復学に向けてのアプローチがしやすくなります。
不登校状態を放置し続けるとどうなるの?
しかし、この様なアプローチを不登校になる前から行ってる方は少ないのが現状です。その上で、不登校状態の子どもを放置するとどうなるのでしょう?結論から言うと、「不登校が長引く」です。
よく、不登校支援センターに相談をする方の中にカウンセリングを途中で終える方が居ます。理由としては
・継続する体力がない。
・カウンセリングの効果が見られない。
・子どもの状態が良い意味で変わらない。
など、様々な事情があります。
この様な方々にメールで近況を聴いた際、不登校が改善しているか?聴かせて頂くと、小学校・中学校から不登校になっている方はあまり復学出来て居ませんでした。その上で、「子どもは安定している」と表現されていました。
この「安定」というのは「気持ちに波が無く落ち着いている」という意味ですが、不登校の専門家から言わせて頂くと、「気持ちを変化させる“こと”がない」ことを意味している為、ある意味、不登校の状態を受け入れている、もしくは受け入れてもらっている状態と言えます。
この様な状態から高校は通信制や定時制へ行くことが出来ますが、ここにも良くある落とし穴があります。
通信制高校は復学したことになるか?
通信制高校には
・全く登校しないタイプ
・何日か登校するタイプ
・5日間登校するタイプ
の計3タイプがあります。私の経験上、上記2つのタイプに属している方は復学をしている状態とは言えません。また、5日間登校するタイプの場合でも登校することが五月雨的な場合や行けない場合は復学状態と言えません。
何故、その様な事を言えるかと言うと、高校を卒業されてからご相談に来られる方も居るからです。
ただし、相談時期が遅ければ遅いほど復学もしくは社会復帰に時間が掛かる可能性が高くなります。
また、転学が出来たとしても、通信制高校の場合は復学とはならず、過ごし方によっては不登校の状態から回復したと言えません。
私達、不登校支援センターとしては社会復帰が出来る状態になるまでが支援の目安になっております。
不登校はぶり返しやすいもの
如何だったでしょうか?不登校は非常にぶり返しやすいものです。ぶり返しを起こさないためには適切な支援が必要になります。
時間が掛かる可能性はありますが、不登校を改善する為の手立てやアプローチの仕方など、様々な知識や知恵が当センターにはあります。
皆様の抱えているお悩みを一度ご相談してみて下さい。
心よりお待ちしております。
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