【再掲載】4月から教室登校を再開した子は、いつまで経過を見るべき?
こんにちは。不登校支援センター大阪支部の佐久真です。
今回は、以前にご紹介したブログで、不登校支援センターに通っている「4月から教室登校を再開した中学3年生男子」のお話を振り返り、2024年4月からの新学期に向けたお話しをしていきたいと思います。
※親御さんに開示許可を頂き紹介しております。個人情報に関する部分は伏せております※
中2の3学期からカウンセリング開始。中3の始業式から教室登校再開
このタイトルの状況だけを見ると、子どもが教室登校を再開できたことで「親御さんは喜んでおられるのでは」とご想像される方もいるかもしれませんよね。
しかし実際は、親御さんは子どもが教室登校を再開した状況に大変困惑しておられました。
A君(仮名)が初めてカウンセリングに来たのは中2の1月でした。その時の彼の状態は、全く登校していない状況でした。
A君は、
- 学校の変わりに、市の適応指導教室に週2~3回、1時間程度通っている
- 適応教室では勉強はせず、先生方と話したり、体を動かしたりして過ごしている
といった日々を過ごしていました。そんな状況のなか、カウンセリングでA君は「3年生から完全に学校に戻り、教室に通えるようになりたい!!」という、かなり強い気持ちを当初から話してくれていました。
しかし・・・
親御さんは「絶対に無理だろう・・・全く学校と接点のない状況で、どうやって登校するのか?」と、ほとんどA君の言葉を信じられていない気持ちを抱えておられました。
A君には小学校時代にも、不登校から一気に教室登校を試みて、1ヶ月で断念してしまった過去もありました。
正直、私も急には難しいのでは?と思っていました。周りはA君の言葉を疑っていたわけではないのですが、もう少し着実にスローステップを踏みながら改善していくべきだろうという考えだったのです。
A君の気持ちに寄り添いながら、登校練習を重ねた結果・・・
結果的にA君は3年生の始業式から教室に登校を開始し、未だに一度も休んでいません。
もちろん、3学期中にカウンセリングで本当の気持ちや、不安感についてはかなり綿密に話し合いました。
「どうしても3年生から、学校に戻りたい」というA君の気持ちに寄り添いながらも、いきなり学校に行くとストレスを感じやすくなることが考えられます。
そのため、定期テストを狙って学校に登校練習することを提案し、A君も納得して実行しました。しかし、普段不登校支援センターで担当する事例と比べると、やはり格段に登校練習は少なかったと感じます。
それでも、Aくんは自分の言った言葉の通り、3年生からの教室登校を続けています。
そして現在・・・
- カウンセリングではこの状況をどのように捉えるのか?
- 経過観察としてのカウンセリングは、どのようなペースで続けるべきか?
等をA君とその親御さんと話し合っています。親御さんとしてはいつ不登校に逆戻りするのか、内心毎日ヒヤヒヤしておられるようです。
経過観察は不登校を繰り返さないためにも重要です
現在のA君はカウンセリングを毎週1回から少しペースを落として、【月2回】のペースで通っています。
そのペースは夏休み前まで続ける予定です。
そして、夏休み明けの9月~12月の4ヶ月と、中3の3学期~高1の4月末ごろまでのカウンセリング計画をすでに立てている状況です。
「登校しているのだから、もう良いのでは?」と思われる方も多いかもしれませんよね。しかし、ここでお伝えしたいのは
登校を再開してからもきちんと定期的にカウンセリングを実施する重要性です。
不登校支援センターでは、登校を再開した後のカウンセリングが非常に大切と考えています。
不登校という問題は、学校に行きさえすれば治る、というものではありません。
自分自身の学校で感じるストレスに対して、「行かない」という対処行動を一度でも取ってしまうと、それは心と体に【クセ】として残ってしまいます。
【クセ】はそう簡単に治るものではありません。A君が、小学校時代から持っているクセを、高校や社会に出た後に再発させないためにも、経過観察としてのカウンセリングは長期的視点を持つべきであると考えます。
今、登校を再開しつつある子どもをお抱えの親御さんが、このブログをご覧になっておられたら、是非一度不登校支援カウンセラーに、経過観察についてご相談してもらえたらと思います。
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