不登校と頭痛・腹痛の関係
こんにちは。不登校支援センター横浜支部の安則芳郎です。
寒さも増してきましたが、体調などいかがでしょうか?
風邪やインフルエンザも流行りだしてきていますので、皆様にはどうかお気をつけて
お過ごし頂きたいと思っています。
さて、風邪やインフルエンザにも発熱や咳などの「症状」が出ますよね。
不登校状態になると「頭痛」や「腹痛」などの症状を訴えてくるお子さんもいます。
本日はそういった痛みについて、どのように捉えていけばよいかをご紹介したいと思います。
朝起きた時。頭が痛い、お腹が痛い。
不登校になって初期の頃、頭痛や腹痛を訴えてくるお子さんが多くいます。
これらの症状は先にあげた風邪やインフルエンザのものとは性質が違うものと考えられます。
それは風邪やインフルエンザが器質性(実際に扁桃腺が腫れるなど、病気として出現した症状)であるのに対して、不登校の際に伴う痛みは心因性(心の葛藤や不安が身体症状として出現したもの)であるところです。
もちろん、はっきりと区別するのは難しいのですが、不登校の際に表出されるのは心因性の頭痛、腹痛がほとんどです。心からくる方の痛みなので、心が安定したりするとその症状が消えやすくなります。
ですので「朝起きた時は痛みがひどいけれど、午後になるとケロっとしている」などの状況を目の当たりにされる親御様もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
学校に行かないと決めたら症状がおさまるというのも不思議に思えるかもしれませんが、
おそらく心が少し落ち着いたからこそなのだと考えられます。
そもそも頭やお腹が痛くなるのは
心因性の頭痛や腹痛が出る理由の一つとして、「自己防衛」といったことが挙げれます。
自己防衛とは自分を守ろうとする作用の事で、心は危険を感じると体にも「痛み」という信号を送り
体を動かせないようにすることがあります。
「学校に行ったら危険な目に合う」と心が感じ取ることで、そのような状況を避けるために体に痛みを送り、家で安全に過ごせるように仕向けてくるわけです。
そういった意味では、心は自分の体を守ろうと必死になってくれていると捉えることもできます。
よく「お腹が痛くなるから学校に行けない」、「お腹さえ痛くなくなれば行けるのに」と訴えるお子さんもいらっしゃいますが、このような発言からはこの痛みを悪いもの=ネガティブなものとして受け取っていることが分かります。
しかしながら、このような痛みは「実は心が体を守ってくれている作用の一つ」というポジティブなメッセージで受け取ることができれば様々な身体症状とうまく付き合っていく事も可能になります。
また、そもそも「学校は危険な場所」と捉えるようになった背景はあると思いますが、
より学校に対して良いイメージを持つことが出来れば「危険な場所」と捉えることがなくなるため
痛みを発さなくてもよくなることも考えられます。
このように、痛みを無くそう無くそうと考えるよりは痛みとうまく付き合って協力体制を築いていったり、学校に対して心理的に安全と感じられるイメージを持つことが大切な考えになってくると思います。
最後に
心因性の症状が出ること自体は珍しい事ではありません。
大人であっても明日大事なプレゼンテーションがある、などの状況だと前日に眠れなくなったり
それこそお腹の痛みなどが伴うことはあります。
不登校状態にあるお子さんたちにも十分に共感的な関りをしつつ、
痛みとうまく付き合っていけるようなサポートや、学校に対して少しでもポジティブなイメージを持てるよう働きかけていきたいと思いますので、何かありましたらお気軽にカウンセリングにもお越しくださいね。
本日は以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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