「明日から行く…」、本当の意味とは!?
皆さん、こんにちは。
不登校支援センター東京支部の園田です。
いつも不登校支援センターのブログをお読みいただき、ありがとうございます。
10月に入りましたね。
秋気肌にしみる季節ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
皆さんはお子さんから学校に「明日から行く」と言われたことはありませんか。
私も日々のカウンセリングの中でよく聞くことがあります。
本当に行きたいのか?
私も子どもの頃に経験は多くあります。「明日から○○に行く」はもちろん、
家事や課題を「この日までにはする」と両親に対して言っていました。
その時の自分の心情を考えると、物事に積極的に取り組みたいというよりは、どちらかと言うと
「したくないけど、しないと怒られるから…言ってみよう」というものでした。
私にとって上記の言葉は「したくない」という気持ちの表れでした。
皆さんもいつになったら学校・習い事に行ってくれるのか、宿題・家事の手伝いをしてくれるのか、
不安に思い、ストレスを感じるかもしれません。
では、「明日から行く・する」と言われるとどう感じますか?もちろん、100%その言葉を
信じることは難しいかもしれませんが、少し期待すると思います。
また、ストレスも解消されるかもしれません。
「明日から行く」という言葉には「行きたくない…」というお子さんの気持ちが隠れている
かもしれませんね。
お子さんはどのように感じているのか
ここで実際に私がカウンセリング中にお子さんからどのようなことを聞いているか、少し
共有したいと思います。
もちろん、お子さんの中には自分自身を鼓舞し「明日から学校に行きたい!」と前向きに
捉えている子もいらっしゃいますが、私が聞いた内容の多くは「行きたくない」という
心の表れでした。
「明日から学校に行く」 = お子さんからのSOS
では、お子さんが学校に行かないと親御さんからどのような言葉を受けるか考えてみましょう。
おそらく下記リストの言葉が多いのではないでしょうか。
- どうして学校に行かないの?
- 勉強が嫌なの?何が嫌なの?
- 勉強に遅れるよ
- 友だちに迷惑を掛けるよ
このような言葉をお子さんに伝えた経験はありますか?
聞いたお子さんはもしかすると「明日行く」と返してくるかもしれません。
その言葉を聞くと親御さんも安心するかもしれませんが、次の日になると行けないことが
ほとんどだと思います。
行けなかったお子さんに対して失望し、「昨日言ったのに、なぜ行かないの?」とついつい
強く叱ってしまうかもしれません。
ここでお伝えしたいことは
お子さんがどうして学校に行けないか、その根本的な理由はお子さん自身も
見つけられていない可能性が高いです。
つまり、上記リストのような言葉を投げかけられると、どのように返答をすればよいのか、
お子さんは混乱してしまいます。
親御さんのため…
お子さんは親御さんの期待に応えたいという気持ちを持っています。しかし、どうしても
学校には行けない、その気持ちを親御さんに分かって欲しいという気持ちも強く持っています。
つまり、「明日から学校に行く」と言う理由も親御さんを安心させたいというお子さんの優しさが
ありますが、その中で行きたくない気持ちを伝えたい部分も持っています。
期待に応えたいという気持ちが強くなり、家族に見放されたくないという違った感情も出てきて
しまいます。
学校に行けない理由を整理できず、相談できず、夜に泣いているお子さんもいらっしゃいます。
では親御さんに「明日学校に行く」と言って結局学校に行けなかったお子さんに対して
どのようにお子さんに向き合うのか、伝えていくのか一緒に考えていきましょう。
どのようにお子さんと向き合うのか
先ほどもお伝えしましたが、お子さんは学校に行けない理由を整理できていません。
そういった状況の中で「どうして行けないのか」と伝えても前に進む可能性は低いです。
ではどのように対応すればよいのか、下記にまとめてみました。
① まずは「学校に行けない」ことを認めてあげる
⇒ 行けない理由を聞きたくなる気持ちはよく分かります。しかしまず第一歩として、行けない
ことを受け止める、「今日は行けなかったんだな」と思うようにしてあげてください。
② 行けない理由を追求し過ぎない
⇒ 行きたくない理由を考えることは、お子さんにとっても親御さんにとっても、ストレスに
感じることだと思います。理由を整理するには時間がかかります。焦って追及してもかえって
けんかが増えたり、状況が悪化する危険性があります。
③ 「明日は行く」と言わせない!
⇒ 「明日行く」という言葉には色々な意味が隠されているとお伝えしました。行けない理由自体が
分からない、親御さんを安心させたい、行けない気持ちを分かって欲しいなどいろんな思いが
含まれています。
なので、「行けるようになったら言ってね」と優しく声を掛けてあげてください。
もし学校に行けたら…
「明日学校に行く」と言って、お子さんが実際に学校に通えた場合は、もちろん行ったという
行為は素晴らしいことだと思いますが、何よりも行くまでの過程・努力・勇気自体を
全力で褒めてあげてください。たとえそれが1日だけだとしても褒めていただければと思います。
もちろん、中には途中で帰ってきてしまうこともあるでしょう。
そういう時は「何があったの?どうして帰ってきたの?」と聞くのではなく、途中まで学校に
行けたことを褒めてあげてみてください。
お子さんとのコミュニケーションの中で不安に感じたことや、少しでもご相談したいことが
ありましたらまずは初回面談を受けてみてはいかがでしょうか。
お待ちしておりますね。
失礼いたします。
関連ワード: カウンセリング , コミュニケーション , ストレス , 不登校 , 不登校支援センター東京支部 , 明日は行く , 親子関係