繊細な感覚を持つお子さん(HSC)への支援について
こんにちは。不登校支援センター横浜支部の安則芳郎です。
本日はここ最近のカウンセリングの中でも話題となりやすい「繊細な感覚を持つ子(HSC)」への
支援、対応についてブログの中でご紹介したいと思います。
最後までお読みいただければ幸いです。
HSPとは~2020年6月22日のブログより引用~
- HSPとは、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)といい、「人一倍繊細な人」という意味で、この頭文字を取ってHSP(エイチエスピー)と言います。
- 最近では、子どものHSPについても話題として出てくることが増えており、HSC(ハイリ―・センシティブ・チルドレン)と記載されることも多くなりました。
- そもそもHSPとは、90年代のはじめ、繊細な人についての研究をはじめたエレイン・アーロン(Elaine Aron)博士によって付けられた「人の気質」を表す名称です。
- アーロンによると、繊細な人と、繊細でない人では脳の神経システムが異なるといいます。また、5人に1人はHSPの気質を生まれ持っていると言われており、そういった意味では珍しいことではなく、病気に分類されるものでもありません。
HSCのお子さんが苦しい場面について
ここで、HSCのお子さんが苦しい場面を想像してみましょう。
例えば学校の教室・クラスにおいて
- 授業中の騒がしさ(音)
- 周囲の人たちからの視線(視覚情報)
- 新校舎の独特のにおい(嗅覚)
- 机と机の間の狭さ(体感覚、距離感)
- 給食の味(味覚)
など、5感に訴えてくるものが非常に多く存在します。
HSCのお子さんだと特に学校生活を送るうえで、この環境自体へのストレスを感じることも多くあると言われており、また心理的にも繊細さを持ち合わせている場合が多く、物事を深く考えやすかったり、
人の気持ちに対して敏感なところがあったりするケースが見られます。
そして周囲から不思議がられたり、時には否定されてしまったりすることもあるためご本人たちの心は傷つきやすく、結果として学校から距離を取ってしまう子たちもいます。
もちろん対処法を考えていくことも大切かと思います。
音に対しては耳栓等も考えられますし、視覚情報を遮断するために前髪を伸ばしてみた子もいます。
給食について配慮していただき、お弁当を持参させて貰ったケースもあります。
これらによって負担が軽減し、学校の環境自体に慣れて行ってもらうことも可能になってきます。
一方、心のケアも重要になります
本人たちの試みる対処法の実践とあわせて大切になってくるのが心のケア(共感や勇気づけ)
だと私は考えています。
まず共感について、程度の差こそあれど、日常生活を送っているうえでは誰しも繊細になる場面はあると思います。ふと私自身のことを考えた際にも、例えば歯医者さんに行った際、口の中に器具が入ると
異物が入ってきた感覚により「嘔吐反射」のように‟えづいて“しまったことがありました。子どもの頃から口の奥に異物が入ることが苦手な私は本当にこういった場面が苦しいです。
その際、歯医者さんが「すいません、ちょっと気持ち悪かったですよね」と言ってくれただけでも救われました。
こんな風に「その感覚をわかってあげようとする」というだけでも心が少し軽くなったような感覚になることがあります。
そして勇気づけにも色んな関わり方があると思いますが、まず繊細な感覚を持てている事の素晴らしさ、時にそれが強みになってくるという捉え方をして伝え返してあげることは大きな効果をもたらすと思っています。
「それだけ物事の変化に気づくことができる」「危機管理能力が高い」「人に対してもアンテナを張れている」「人の気持ちに配慮することができる」など、自身が持っている感覚を受け入れ、使い方を学ぶことで、それは自分や他人を支える大きな力となる可能性を秘めているということをご本人たちが気づけるような関わりを心掛けたいと日々感じています。
最後に
繊細な感覚をお持ちの子≒HSCやそれが一つのきっかけとなって不登校状態となり苦しんでいらっしゃるお子さんは、自らと向き合い、その能力を知ることで負担が軽減し、希望を持って学校生活を送っていくことが可能になると思います。
親御様としても何かお困りな点やご相談したいことがありましたら
カウンセリングの際にも共に考えていければ幸いです。
本日の内容は以上となります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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