【再掲載】不登校の子ども。本当に学校にいかせるべきなのか?
こんにちは、不登校支援センター横浜支部の安則芳郎です。
今回は「学校には行かせるべきなのかどうか?」という問いについて共に考えたいと思います。
※本記事は2019年10月に掲載されたブログに加筆修正を加えたものになります
昨今、不登校についてのニュースも様々な観点から取り上げられています
- 「学校には行かせた方がいい」という視点
- 「学校が全てではない(学校以外の選択肢もある)」という視点
- 「とにかく子どもたちの意思を尊重することが大切」という視点
などなど、まさに様々な立場からの意見交換がなされていて、不登校についての関心が相当高まってきていていると感じます。
しかしながらその一方で、様々な意見があるからこそ、親御さんとしては
「果たして学校には行かせるべきなのか?そうではないのか?」
など逆に迷われてしまうこともあるのではないでしょうか?
子どもたちからあがる声の中にも
子どもと接していく中でも
- 学校には行く意味がない
- 勉強することに価値を見出せない
- 頑張ったって無駄
こういった言葉を耳にしたことがある方もいらっしゃるかと思います(もちろんすべて本意で言っているわけではないのでしょうが)
こうなるともう、親御さんは子どもに「一体なんて答えればいいのか?」「どう説明するのがいいのだろうか?」「本当に学校には行かせるべきなのだろうか?」と疑問に思われることもあるかと思います。
学校に行かせる「べき」かどうかは、言い切れるものではありませんが、少なくとも
学校にはどんな意味があるのかを考えていく視点
は持っておいてもいいと私は考えています。
本来問いかけとして必要なのは「意味があるかないか」ではなく、「意味は何か」だと思うからです。
ですので、意味の「ある/なし」でのみ考えるのではなく、意味は「何か」という視点で考えてみたいと思います。
学校の役割や意味(少し硬い説明になります)
学校は、子どもたちが大人になるための教育を受ける場です。「家族」という共同体から一歩踏み出して、最初に社会生活をする環境とも言えます。
そのため「学校」という共同体には、家族にはない役割があります。
学校だからこそ身につけることができるという5つの要素というものがあると言われています。
その5つの要素とは
- 対人スキル
- 目標、期限に対する耐性
- 評価されることに対する耐性
- 理不尽なことに対する耐性
- 無駄だと感じることを続ける耐性
といったものです。
これら5つは学校ならではで身につくものと言えますし、ひいては生きていくための力となっていくものとも言えるでしょう。
また、少し別の観点からのお話になりますが、「学歴社会」ということにも目を向けてみます。
「学歴社会」という風潮はだいぶ薄くなってきていますが、とある会社の採用担当の方に聞いてみたところ、履歴書における学歴そのものを見て選考しているというよりは、
その学歴を手に入れるために、どれ程の「集中力」を身に着け「努力」してきたのか
ということを見ているというお話をお聞きしました。
仕事をする上で、集中して取り組める能力のある人というのは、それだけ生産性のある仕事が出来る人とも言えます。また努力すること、踏ん張りがきく事なども社会で役立つ能力の一つと考えられます。学歴は、集中力や努力を「学校」や「勉強(受験)」という切り口でどれ程身に着けてきたかを見ていく一つの指標になると考えているとのことでした。
極端な話にはなるかもしれませんが、こういった観点から捉えると学校に行く意味というのも見えてくるかと思います。
子どもたちとのお話の中で
とはいえ、今学校に対してネガティブな感情を持っている子に対して、説得するような形で上記のような硬い説明をしても関心を示さないことがしばしばです。
ですので、まずは子どもとの関係において
- 学校についての意味を考えてもらえる
- 大人たちからの色んな話、言葉が入っていきやすい環境を作っていく
これらのことがとても重要になってくるかと思います。
そのためにも
- 子どもはどのような価値観や考え方を持っているのか
- どのような目的のもと、今の発言や行動をしているのか
- その子に合った最適な支援とは何か
などを共に考えていければと思っています。
親御さんとしてのスタンスや考えに迷いが出てきた際には、お気軽にカウンセラーにご相談くださいね。
本日は以上になります。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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