不登校対応~ 今何をするべきか? ~
こんにちは。不登校支援センター横浜支部の安則芳郎です。
本日は不登校支援の中でも、親御様が気になる「今何をするべきか?」といったことについて
お伝えできればと思います。
子どもの不登校、どう対応すると良いのか?
お子さんが不登校になって、親御様として対応の「正解」をご存知の方はいらっしゃらないかと思います。私たちも「正解」があるわけではないと思っていますし、だからこそ今出来ることを共に考えていければという所存です。
そしてその対応を考えるにあたって「何を基準に考えていけば良いのか」ということは
とても大切になってくると思います。
今日は大きく2つの視点から不登校対応について考えていきます。
最後までお読み頂ければ幸いです。
①その子の性格や特徴は?
まずはその子の性格や特徴としてどんなことが挙げられるのか、という点です。
例えばこれまでの生い立ちの中で、どんなことにストレスを感じてきたのか、逆にどんなことを得意としてきたのか、物事をポジティブに捉えやすいかネガティブに捉えやすいかなど、その子の内面的な側面を知ることで対応を考えるヒントが見えてくると思います。
【事例~人目を気にするAさんの場合~】
人目を気にするAさんは、「周囲からの評価」「自分がどう見られているか」を
幼少期の頃から気にする様子がありました。不登校状態になってからもその特徴は顕著で、外出することなどを極端に嫌がります。
このような状況の中、親御さんからAさんへの関わりとして大切になってくることはどんなことでしょうか?
内面の性格を知ることは対応を考える大きな手掛かりになります。
「周囲からの評価」や「自分がどう見られているか」を気にする性格の子に対しては
多くの方が「そんなにあなたの事を見ている人はいないよ」「気にする必要はないよ」と伝えてしまいがちだと思いますが、こういったお声がけが逆効果になることも考えられます。
というのはこれらのお声がけがAさんの性格≒人格を否定してしまうことにもつながりかねないためです。
「気にする自分って駄目なんだ」「自意識過剰って思われてるんだ」など、Aさんの捉え方によっては
こういった思いに駆られてしまうこともあることでしょう。
ですので、まずはその子の性格を受け入れ、認めてあげるような対応が望ましいようにも思います。
例えば
「あなたは人の事を良く見る事が出来るタイプ」
「人の気持ちがよく分かるからこそ、配慮が出来るタイプ」
など、性格を捻じ曲げる、変えるということではなく、その性格を活かした自己像をAさんの中に
築き上げていくほうが、学校や社会という中で自身の役割を見出しやすくなっていくと思われます。
②心の状態(不安や葛藤の程度)は?
2つ目に、今動きやすい状態にあるのかどうか?といった視点です。
シンプルに言うと、とても重い荷物を持っていて動きにくい状態なのか、それとも背負っている荷物はそれほど重くなく動きやすい状態にあるのかといったところです。
もちろん人によって「何を重く感じるか」に違いはあることでしょう。
宿題などの「提出物」に負担を感じる子もいれば、それよりも「人間関係」や「コミュニケーション」といった事に負担を感じる子もいます。
大切なのはその子自身が今現在「重くて動きにくい」と感じているかどうかといったことです。
(大人から見るとへっちゃらなことでも、子どもとしては重く感じることも多々あります)
【事例~教室に入るのが負担になっているAさんの場合~】
Aさんは教室に入ることを極端に嫌がっています。そこで保健室登校を勧められ、そこに行く事が出来るようになりました。
時折先生が保健室を覗いてみると楽しそうに他の生徒と話をしている様子がうかがえたため
先生は「少し教室に入ってみないか?」と誘いがけました。Aさんの表情は少し青ざめましたが、先生からのお誘いでもあったため、「1時間目だけ」という約束で教室に入ることにしました。
先生から見ているとAさんは問題なく1時間目の授業を受ける事が出来たようだったので、
「せっかく入れたことだし今日はお昼ご飯まで食べて帰ろう」と言われその日はお昼ご飯を教室で食べて帰りました。
しかしAさんはその次の日から保健室にも行かなくなってしまいました。
順調そうに見えたAさんはなぜ次の日から学校にいかなくなってしまったのでしょうか?
Aさんにとって教室の負担は相当なものであったと考えられます。1時間いるということでもかなりの重さを感じたと思いますが、さらにお昼ご飯の時間までいたことでもっと重い荷物がのしかかってきたような感覚です。当然その重さを感じたAさんとしては動きにくい状態となってしまいます。
また、次の日に学校に行ったらさらに重さを感じてしまうのではないか、誘われたら断れないのではないかと不安も高まってしまったと考えられます。
今どの程度の重さが適切なのか、それらを知ることで周囲からの対応も変わってくると思われます。
①の性格や特徴を知ることも、②の心の状態を知ることも、難しい事ではあると思いますが
対応を考えるための「ヒント」となってくるものですので、まずは「これらを知ること」が今すべきことであると言ってよいのではないかと思います。
不登校対応に「正解」はないかもしれませんが、「納得解」を探していく事は重要だと考えます。
これらを共に見つけていく事。そのために親御様とも協力していければと思う次第です。
本日のまとめ
本日は今何をするべきかというテーマでブログを綴らせて頂きました。
①性格や特徴を知る事
②心の状態(不安や葛藤の程度)を知る事
これらがまずすべき第一歩であると思います。
まずはご家族の皆様におかれましても、上記のような視点でお子さんを見て頂きたく思います。ですが我が子の事となるとなかなか冷静に見る事は難しいと思いますし、そもそも心という目に見えないものを探っていくことは一筋縄ではいかないものですよね。
私たちカウンセラーは心の専門家として親御様のお話をおうかがいし、また心理テスト等も用いてお子さんへの対応を共に考えていきたいと思いますので、何かありましたらお気軽にご連絡ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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