いじめがきっかけの不登校を考える~いじめを受けた子どもが求めているものとは~
こんにちは。
東京支部の椎名愛理です。
うだるような暑さが続いていますね。こうも暑いと、外に出るのも億劫に感じてしまいますね。皆さんも、夏の疲れが溜まらないよう、ご自愛くださいね。
本日はいじめについてお話いたします。
不登校という状態になったきっかけは何かを文部科学省が調査したデータ(令和2年度不登校児童生徒の実態調査)では、「最初に学校に行きづらいと感じ始めたきっかけ」(複数回答)は「先生のこと」(小学生30%、中学生 28%)、「身体の不調」(小学生27%、中学生33%)、「生活リズムの乱れ」(小学生26%、中学生26%)、 が上位3つとなり、その後、「きっかけが何かわからない」や「友だちのこと(いやがらせやいじめがあった)」と続いています。
回答結果上、いじめやいやがらせが不登校の一番のきっかけであるとは言えませんが、お子さんが長い時間を過ごす学校の中で、心や体が傷つくようないやがらせ、いじめなどがあると考えると、不登校という状況といやがらせやいじめの関係性について、しっかりと考える必要があるのは言うまでもありません。
いじめがきっかけで不登校になったお子さんの気持ち
いじめを受けたお子さんが、どのような気持ちでいるのか。表現の仕方は様々ですが
- 傷付いた
- 人を信頼できなくなった
- 先生や親が守ってくれなかった
- だれもわかってくれなかった
- 自分が悪いんだ
など、傷つき、またその際に助けを求めることができなかった悔しさや、悲しさ、周囲の人に対し「こうしてほしかったのに」という満たされない気持ち、自分に非があっていじめられたのではないかと思う、などを訴えるお子さんが多くいらっしゃいます。
まず一番にしていただきたいこと
様々な苦しい気持ちを感じているお子さんを目の前にされると、親御さんとして何からどのようにサポートをしたらよいのか混乱されることもありますよね。
- 学校へ状況を伝え、先生に解決をしてもらうのが先決か
- 子ども同士で任せた方がいいか
- お相手の親御さんと話す場を設けたらいいのか
色々と「こうしたらいいのかな」という対応が頭をめぐり、つい忘れがちになってしまうことがあります。
それは、お子さんの言葉に耳を傾けることです。
もしかすると、お子さんは傷ついた経験から多くを語ろうとしないかもしれません。自分の気持ちを言葉にすることが難しく、その代わりに親御さんに対しての反抗的な態度や、学校に対しての拒否感が大きくなったり、言葉遣いが荒くなるなど別の方法で気持ちを表現することもあります。
以前のお子さんと違う一面が、お子さんの気持ちを代弁していると考えていただくとよいかもしれません。
反抗的な態度をとる=辛い気持ちがあるけれど、上手く表現できない
言葉遣いが荒くなる=言いたいことがあるけれど、充分に言えないためイライラしてしまう
お子さんが今取っている態度や行動の背景には、そんな言い表せない気持ちが隠れていることが多くございます。
その際に「反抗的な態度は良くないから、なんとか直させなくては」と、以前のお子さんに近づけるように対応されると、お子さんとしては「自分の気持ちをわかってくれない」とより一層状況が難しくなることも…。
まず、お子さんの気持ちを、現在現れている行動も含めて「聴く」姿勢で寄り添っていただくこと。
そして、その後、学校やお相手のお子さん等に誰がどのようなタイミングで働きかけるのか(または働きかける以外の方法で対応していくか)を考えていきましょう。
お子さんによっては、親御さんが働きかけをすることをネガティブに捉える場合もございます。
お子さんのタイプによって、必要なサポートが変わってきますので状況やお子さんの状態を見ながら多角的に対応を考えていくことも大切です。
その際に客観的な立場である第三者が、状況の分析、整理などに役立っていきます。辛そうなお子さんを見て、心を痛めている親御さんがいらっしゃいましたら私たちのような第三者機関をぜひご利用ください。
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