不登校の「状態を見極める」時期と「目標設定をする」時期の分け方
こんにちは、不登校支援センター大阪支部の佐久真です。
本日は以前にも投稿しました、カウンセラーが子どもたちと一緒に考えている【状態を見極める】ことと【目標設定】の時期についての考えからをお話ししたいと思います。
不登校支援センターの【目標設定】の方法
まず私は、不登校支援をする際に、1年間を4つのスパンに分けて考えています。
- 4月から6月
- 7月から9月
- 10月から12月
- 1月から3月
上記のように、1年間を4つのスパンに分けて目標を設定するのですが、なぜこのような方法とるかと言うと・・・
不登校の子どもにとっては、自分の行動目標を自ら決め、それを継続してやり続けるには、相当な集中力と行動の目的、綿密な計画等が必要となります。そのため、子ども1人で管理することが難しいのです。要するに、集中力が続かないんですね。これは子どもだけでなく、大人にも言える事かもしれません。
例えば・・・
皆さん一度はダイエットをしようと思ったり、禁酒や禁煙をしてみようと思われたりしたことがありますか?いくら大人といえども、自らの欲求を急に我慢すると言う事は並大抵のことではありません。
「さあ今日からダイエットを始めるぞ!」と目標立て、その日から継続して1年間、集中力を保って目標に向かって行動し続けられた方はいらっしゃいますでしょうか?
おそらく最初の1ヵ月は集中力が続きます。しかし丸二ヶ月も経つとだんだんと意識の低下が現れ、ダイエットをするという目標に対する行動が出来なくなってきます。そして丸三カ月を経った頃にはすっかりその目標はどこかへと消え失せ、行動も普段通りに戻ってしまっていた・・・というご経験は無いでしょうか?
不登校の心理状況も同じ
ここで不登校に話を戻しますと、全く学校に通えてなかった子どもが急に1ヵ月や3ヶ月の間、集中力を保って目標に対しての行動をとる事はなかなかに難しいことだと思います。
しかし、このような話をカウンセリングで親御さんにお伝えすると、親御さんは、
「元々は学校にずっと通っていたのだから、元々やってたことをやるだけなのでそれほど難しいことでは無いのではないか?」
というように思われる方が多いようです。
心理学でよく「コンフォートゾーン」と言う言葉を使いますが、毎日同じことを繰り返す生活環境がどこにあるのか?と考えた時に・・・
毎日学校に行っている子どもたちは、毎日学校に行くことを繰り返すのが”当たり前”の状況です。しかし不登校の生徒にとって毎日繰り返すことが当たり前の状況と環境は、既に学校ではなく家になっていますよね?
人間は、この毎日当たり前の状況や環境から外れた行動を取ると、ストレスを感じるようになります。
昨日までは好き放題食べたいものを食べ、飲みたいものを飲んでいた人が、急に節制を始めて全て我慢をすると言う状況に対して「それが当たり前である」とは感じず、ストレスを感じるようになる、と言う事ですね。不登校の心理状況も同じことが考えられます。
長く休み続けていた子どもが、急に3ヶ月や半年も集中力を保って登校を再開し、行動し続ける事はほとんどと言っていいほど、無いと思います。
そこで冒頭で申し上げたように、1年間を4つのスパンに分け、3ヶ月を一つの目処した目標設定を子どもと一緒に立て、最初は「3ヶ月後にはこうなっていたいな・・・」と思う漠然とした目標を立て、それに対してさらに3ヶ月を3分割し、「1ヵ月後には大体このぐらいになっていたい」と思う目標を立てます。
そしてその1ヵ月後を目指すために、カウンセラーと次に会うまでの1週間後までに、その1週間どのように過ごすのか?という細かな行動目標を立て、そしてその目標を少しずつ軌道修正し、自らの行動変容を目指して行きます。
不登校は行動グセを治す必要があるとも考えてます。
やみくもにただ「頑張って学校に行こう!」というだけでは、これからの長い学校を不登校を再発させることなく乗り切っていくのはなかなか難しいかと思いますので、一度不登校専門のカウンセラーにご相談いただき、目標設定の方法を考えいだだく機会をもたれてみてはいかがでしょうか?
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