不登校における転校の是非【高校生編】
こんにちは。不登校支援センターです。
こちらは過去記事となります。皆様の日々のかかわりのご参考になれば幸いです。
今回は、高校生における転校の是非におけるお話をしていきたいと思います。
不登校のご相談の中に「転校の検討」のお話は非常に多く、我々もその都度、考えさせられる内容となります。そんな中で、これまでの経験と事例から、転校の是非をお話して参ります。
高校生における転校の意味合い【全日制から通信制へ】
不登校と転校の話題で最も多いのが高校生のお子さんの場合です。
というのも、現在は転校以前に高校選びの段階から通信制高校を筆頭に、高校生に対して学校選びにおける選択肢がかなり増えています。
その中で、現実には不登校になった際の全日制高校から通信制高校への転校を検討するというケースがここ数年でかなり増加しています。
親御さん世代の方からすると、ご自身が高校生の頃には通信制高校の存在を知らなかった方が多く、それでも、子ども世代には全日制と同じような選択肢の一つとなっているという時代の変遷も感じつつ、「通信制高校とは何なのか?」「通信制高校は大丈夫なのか?」というお声も多くお聞きします。
親御さんにとっては、「通信制への転校」という選択肢は未知でもあり不安が大きいですよね。ただ、子どもにとっては、魅力的に映ることも多く、転校に対して前のめりな子も多くいるのが現実です。
そんな現在の中で、高校生における転校の意味合いを、私は「大人にとっての転職と似ている」と考えています。
要するに、今の状況が自分にとってふさわしくないのであれば、責任を持って自分に見合った環境を探す。という事は非常に大切な事でもあり、大人の社会でも今の時代は普通に行われていることでもあります。
実際に、私の担当した方もいらっしゃいますが、全日制から通信制へ転校、更には大学へ入学し、就職して社会人として頑張っている方も今では珍しくはありません。
ですので、しっかりと子どもが自分目線でどういった環境が今の自分に見合っていて、何を達成したいのか?という事を念頭に考え環境を変えることは何も問題ではなく、寧ろ、プラスに事が進んでいくのです。
高校生の転校で避けるべきこと3選!
高校生にとっての転校は大人の転職のようなもの。とお話をさせていただきましたが、注意すべきことが3つあります。
一つ目は【時間切れになってから動き出しては遅い】という事です。
欠席日数や授業の欠席時数が進級条件を満たさない。と決まってから動き出すのではなく、そうなる前から転校を視野に入れて考えるという事が大切です。
というのも、これでは自分の意志ではなく、時間によって動かされるという事となり、主体的に環境選びができなかったり、なんとなくで環境を選んでしまいがちになるためです。
二つ目は、【環境選びに子どもが参加しない】という事です。
子どもが学校に行かなくなり、親御さんやご家族が焦ってしまい、本人の意思等を踏まえることなく、環境を決めてしまう事は避けましょう。これも一つ目と同じで子どもの主体性が無いという状況になってしまいます。
不登校の課題はご家族が力を合わせて解決することは非常に大切ですが、いざ動くのは子ども自身であり、子どもの課題でもあります。ですので、子どもの意見を交え、学校見学や説明会には子どもにも参加してもらいましょう。
三つ目は、【転校先に期待しすぎない】という事です。
「転校したら何とかなる。」「パンフレットみたいな学校生活が送れるはず。」という様に、転校すればバラ色の未来が待っている!というような大きな期待をしすぎてしまうと、少しでも問題があるとそのギャップが大きなストレスになってしまい、学校にまた行けなくなってしまう可能性が高まってしまいます。
そもそも、環境に期待するということ自体が子どもの主体的な環境選びではなく、責任を転校先の学校に持たせてしまっている状況になってしまっているため、転校先での生活のイメージを作ったり、卒業後の目標を持って学校を選ぶなど、主体性を持つことが何よりも大切です。
転校を検討する際には、上記の事を意識していただければ幸いです。
また、子どもが話に参加してくれない時や、どうして良いのかわからない時には、まず親御さんだけでも、学校の説明会に赴いたり、私たちなどの専門家に相談する等して、誤った選択や判断を少しでも避け、良い選択ができるようにしていきましょう。
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