コミュニケーションに役立つ、自動車学校でよく耳にするあのハナシ
こんにちは。不登校支援センター名古屋支部の伊藤です。
日ごろカウンセリングで会う子どもたちは下は小学生から上は社会人まで、とても幅広い年齢の子たちがいます。
不登校というキーワードはきっかけのひとつではありますが、
いつも学校のお話をしているわけではなく、年齢制限もないため本当にいろんな出来事を耳にします。
先日のカウンセリングで、自動車学校に通いはじめたAちゃんとこんなお話が出ました。
だろう運転 と かもしれない運転
それは「だろう運転」と「かもしれない運転」のお話です。
運転免許を取得して、早ン十年経った私自身には少し懐かしいお話でもありますが、
自動車学校の現役学生であるAちゃんにはとっても目新しいお話だったようです。
おさらいをしましょう。
「だろう運転」と「かもしれない運転」とは・・・
「対向車は来ないだろう」や「ここで車線変更はしないだろう」など
「~だろう」という勝手な思い込みではなく、
「対向車が来るかもしれない」や「車線変更してくるかもしれない」など
「~かもしれない」という先の出来事を想定していくこと。
Aちゃんは、この話を教わったときに、中学時代にお父さんとお母さんに自分の気持ちをなかなか理解してもらえなかったころのことを思い出したそうです。
だろう運転 が引き起こす、圧倒的なすれ違い
Aちゃんは私立の中高一貫校に通っていましたが、
ある出来事をきっかけに学校に登校することが難しくなってしまいました。
Aちゃんのお父さんお母さんは、Aちゃんに
- 学校に行くことだけが人生じゃない
- だから学校に行かなくてもいい
- 勉強なんか家でもできる
- 自分の好きなことを伸ばしていこう
そんなふうに伝えていました。
この言葉だけ耳にすると、前向きなアドバイスと受け止める人も少なくないかもしれませんね。
実際にAちゃんのお父さんお母さんは、Aちゃんはきっと学校に行くのがつらいのだろうと思って、
少しでも違う視点を見せることで前向きになって欲しいとおっしゃっていました。
ですが、Aちゃんが感じたことは少し違っていました。
- 学校に行くことは人生にとっても大切
- 学校には行きたい
- 勉強だって家じゃなくて外でしたい
- 好きなことを伸ばすっていうけれど、その好きなことが見つからないのがつらい
Aちゃんのご家庭においては、お父さんお母さんのだろう運転の考えかたが
親子の圧倒的なすれ違いを引き起こしていたんです。
家庭においても役に立つ かもしれない の考えかた
実はこういったお話はカウンセリングをしている際によく耳にします。
私たちは自分自身の経験によって「きっとこうだろう」と考えることがとても多く、
そのことがコミュニケーションのズレを起こしてしまっているのです。
「自分だったらこう思うけれど、子どもは違う気持ちなのかもしれない」と感じたとしたら、
こういったズレを回避できそうですよね。
最後に
親子といえども違う人です。物事の捉え方も一人ひとり皆違います。
「~だろう」から「~かもしれない」にちょっとだけ切り替えてみること、
今日からさっそく意識してみませんか?
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