お子さんに、初めて「学校に行きたくない」と言われたら・・・①
こんにちは。 不登校支援センター東京支部の本沢裕太です。
6月になり、お天気がすっきりしない日も多いですね。
後一月ほどで夏休みを迎えますが、この時期に学校へ行き渋るお子さんも増えてきます。
そんな時に、まず親御さんに心がけて頂きたいことをお伝えできたらと思い、今回紹介させて頂きます。
不登校の「初期対応」
行き渋りに至るまでのお子さんのご様子はいかがでしょうか?
- 体調不良でお休みしたら、体調が回復しても学校に行きたがらなくなった
- 長期休暇明けに行き渋りが表れた
- 昨日までは普通に登校していたのに、突然、朝起きられなくなった
- 前日までは行く気で支度も自分でするが、朝になると行けない
など、様々なケースがおありだと思いますが、突然お子さんのご様子が変わってしまったことに、親御さんも大変驚かれることと思いますし、そういったショック状態の中で、それでもお子さんのために動こうとされるのは、相当なエネルギーがいることだと思います。
今でこそ不登校に関する書籍や情報がインターネットでもたくさんございますので、まずはその情報に沿って、できることを実践されてみてから、スクールカウンセラーさんや心療内科、思春期外来、自治体の教育相談や、民間の不登校支援機関を利用しながら、お子さんの課題にあったサポートを見つけていくという方が多いのではないでしょうか。
支援センターへ初回面談に来られる方の中には、初めて外部機関に相談しましたという方もいらっしゃいますが、すでに他の機関に相談してから来られる方が圧倒的に多いです。
「遠回りしてしまった・・・」と落ち込まれる親御さんもいらっしゃいますが、「試してみたけど、これはウチの子には合わないな」と確認できたことは、今後のご家庭での方針を考える上で、とても大切な財産になると思います。
そういったお話の中で、相談先の機関から「こう言われました」とお聞きすることが多い内容が
- 本人が動き出すまで見守りましょう
- エネルギーが溜まるまで待ちましょう
- 子どもの好きなことを、好きなだけやらせましょう
- ゲームやネットの時間は制限しましょう
- 教師に訪問してもらいましょう
- 少しずつ学校の課題に取り組みましょう
などです。
何が正しくて、何が間違っているのか
上記のアプローチが、ピタッと当てはまる場合ももちろんございますし、期待した結果にならない場合もございます。
これまでの経験から私たちが申し上げられることとしては、
「焦って対応を絞りすぎないこと」
「当事者のお子さん自身の意志を確認せずに、周りの大人だけで判断・決定しないこと」
です。
これまでの養育環境、お子さんの個性や発達段階、今のお子さんの心理状態から考えて、どんなことなら行動に起こしやすいのか、などを踏まえながら、1つ1つの目標をお子さん自身と一緒に作っていけると、警戒心や拒絶感を強めることなく、一歩踏み出しやすくなることが多いと感じます。
年齢に関わらず、親御さんとのスキンシップに安心感が得られる子もいらっしゃいますし、言葉では出さないが精神年齢が高く自分で判断や決定ができる子もいます。
「普通これくらいの年だったら・・・」
「周りの同年代の子は・・・」
といった基準から一度離れてみて頂いて、「今のお子さん」のことを良く知って頂きたいのです。
そのためには、ご家族の中でどのようなコミュニケーションが取れているか、ということも1つのポイントになってきます。
お子さん自身に話を聞いてみると、これまでのこと、今現在のこと、これからのこと、など結構考えています。
ただ、言えないのです。
- 否定されるのではないか
- 言ったら怒られるのではないか
- 自分が悪いと言われるのではないか
- 皆に迷惑かけてしまっているのではないか
こんな風に感じてしまっていると、怖くて話せないとのことです。
ですので、お子さんが「話してみても大丈夫かな」と感じてくれる関係性を構築していくことが大切なのです。
まずは、お子さんの話を否定したり、コントロールしようとしたり、こちらの考えを押し付けたりせずに、「うん。うん。そうだったんだね。」と聞いてあげてみてください。
きっと、お子さんから話してくれることが増えてくるはずです。
話を戻しますが、不登校の初期段階では、知らず知らずの内に親御さんの心理的負担も大きくなりがちです。
その状態で、様々なアプローチを試みてみたり、良好なコミュニケーションを行おうとしても、なかなか難しいかも知れません。
相談先の機関から言われた事を、一生懸命守ろうとして、親子の関係性が悪くなってしまったり、家族全体の雰囲気やバランスが悪くなってしまっては、「サポートする側」の体制が乱れてしまい、お互いにストレスを感じる結果にもなってしまうのは不本意ではないでしょうか。
これは決して親御さんが悪い訳でも、やり方が悪い訳でもなく、気持ちが焦っていたり、ショックが大きい中では、誰だって最初は上手くできないのが当たり前だと思ってください。
まず、親御さん自身の気持ちの整理のためや、お子さんの状態の整理今後の展望を冷静に考えるために第三者機関を利用してみるという選択肢を持って頂けたら嬉しいです。
最後までお読みくださりありがとうございます。
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