学校へ行くことへの不安とどう向き合うか②
こんにちは。不登校支援センター横浜支部の安則芳郎です。
前回のブログ「学校へ行くことへの不安とどう向き合うか①」では
- 不安という感情そのものについて
- 不安との向き合い方の基本
- 不安と直面するにあたって
といった項目を取り上げ、不安とは誰しもが持つ感情であり、生きていく上では必要になるものであること。不安は「コントロールできるもの」として捉えていく事や、直面化する必要性が出てくること。そして段階的に不安と向き合うトレーニングのご紹介などをしてまいりました。
その続きとして、今回も学校へ行く際に伴う不安との向き合い方についてお話出来ればと思います。
最後までお付き合いいただければ幸いです。
不安の特徴
実は「不安」という感情は「未来」の事を考えた時に起こる感情です。
前回のブログで記載した
- 電車でお腹が痛くなったらどうしよう
- 授業中にあてられて答えられなかったらどうしよう
- 友達からどう思われるんだろうか
これらは全て「未来」のことを考えた時に伴うものですよね。
そして、不安とセットでよく考えられる「後悔」という感情。
これは「過去」の事を考えた時に起こる感情です。
- テスト前にもっと勉強しておけばよかった
- 友達に伝えたあの言葉、違う言い方をしておけばよかった
- 別の学校に入学しておけばよかった
など、「過去」のことを考えた時に生まれる後悔にも人は悩まされるものです。
このように考えていくと、人が悩む・ストレスを抱えるのは未来や過去について考えてしまう時だと言えます。そして「なんとかしよう」とすればするほど、思うようにいかなくて無力感や悲壮感へとつながり、悪循環に陥ってしまうこともあります。
そこで考えたいのが
ではどうすれば良いのか。答えはシンプルで、過去でも未来でもなく「今、ここ」へ意図的に注意を向けて問題にとらわれないでいられるようにすることです。
不安で頭の中がいっぱいな時は過去や未来に注意が向き、あれこれと苦悩を作り出してしまうものです。ともすれば苦悩を増幅させている状態となっている可能性もあります。
その状態に対して、自分の思考や感情がその状態を形成していることを認識してもらい、
その思考や感情から適切な距離が取れるように「今、ここ」に集中し不安から目を逸らさず、受容する。
このように自分の身体感覚、思考、感情をありのままに感じられるようにトレーニングをし、
不安やその他困りごとから解放されることを目指していきます。
これは認知行動療法の第3世代と言われるもので、
「マインドフルネス」や「受容(アクセプタンス)」の理論を基盤にもつアプローチです。
実践的なトレーニング:呼吸法
「今、ここ」に意図的に注意を向けていくトレーニングとして、一番やりやすいのは「呼吸法」ではないでしょうか。
代表的なものに「4・7・8呼吸法」と呼ばれるものがあります。これは
(1)口を閉じて4つ数えながら、鼻で静かに息を吸い
(2)4まで数えたら息をとめ、7つ数え
(3)7まで数えたら口から「フーッ」という音をたてて8つ数えながらゆっくりと息を吐き切る
これを1セットとして、3~4セット繰り返すような方法です。
呼吸という「今、ここ」に集中している状態(「マインドフルネス状態)を体感をすることで
不安の軽減やリラックス効果、睡眠の質の向上などにつながっていく効果があるとされています。
どうしても学校の事を考えると嫌な気持ちになってしまう際などは
こういった呼吸法で不安を軽減させていくことも大切になってくると考えられます。
最後に
2回にわたって「不安」というテーマについて取り上げてきました。
学校生活のみならず、社会人生活においても不安はつきものと言えるでしょう。
こういった不安とうまく付き合っていく方法は一人一人によって異なってくるところがあるかと思います。是非自分に合う「不安との向き合い方」を見つけ、実践の中で取り入れていっていただければ幸いです。
何かありましたら、私たちカウンセラーにも是非お声がけください。
それでは本日は以上となります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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