新学年が始まって3か月!この時期に改めて振り返る『4月・5月・6月』の意味とは?
こんにちは。
不登校支援センター東京支部の椎名愛理です。
本日は、4月からこの時期までのお子さんの心理状態と、これから先夏休みまで、そして夏休み中に意識していただきたい過ごし方について、お話いたしますね。
変化・緊張・刺激の4月
ある子は学年が上がり、担任の先生やクラスメイトが変わる。またある子は卒業と入学という一大イベントを終えて大きな環境変化を迎える。そう、4月は『変化・緊張・刺激』の三つが揃った季節です。
毎日触れ合う人が変わり、新しい人間関係を作り始める。それに伴って「どんな風に話しかけよう」「先生はどんな人かな」「勉強は難しくなっているかな」など新しい事に対しての緊張感が高まります。こうした緊張感に加えて、目に見える物が変わり他者や環境から得られる刺激も多くなります。
この変化、緊張、刺激を経験したお子さんの状況は、例えるなら空気がパンパンに張った風船のようなものです。
最初は余裕があった風船ですが、沢山の変化を経験すると、どんどんと空気が入ってきます。そして、4月が終わったころ、子供たちの風船(心)は今にも破裂しそうなほどに膨張(緊張)しています。
風船が一旦しぼむGW、そして再度急激な緊張感を経験する5月
そして「もうこれ以上は、中々緊張感に堪えられないぞ」「かなり疲れてきたぞ」という気持ちが高まったときにやってくる、長期休み、そうゴールデンウィークです。
この時期のお子さんの心境は「やっとここまで来た!」「さあゆっくりするぞ!」といったところでしょう。パンパンにはった風船も、数日間の休みで緊張感がほぐれて空気がすっと抜けていきます。
しかし、時は待ってくれません。ゆっくり息抜きをできていたゴールデンウィークも終わりが来ます。すると、またお子さんたちは慌ただしい日常、周囲との比較や、やるべきことをこなさなくてはいけない義務感を感じる日々に戻っていきます。
ここで、再度心の風船は空気がパンパンに入っていくのですが、一度空気が抜けリラックスした状態を知っていますので、また緊張感を感じる日常に戻るのは簡単なことではありません。
「戻らなくてはいけない」という気持ちと「でも、まだもう少し羽を休めたい」という気持ちが葛藤し、足元がぐらついてくるのもこの時期です。(既に不登校になられたお子さんをお持ちの親御さんの場合、この時期の難しさをきっと体験していらっしゃいますね。)
よく、ゴールデンウィーク明けに不登校になるお子さんが多くいることは知られていますが、五月病という言葉もあるように、緊張し走り続けた4月の疲れがどっと出るのがこの季節です。
再度走り出したものの、次の給水ポイントが遠い中だるみの6月
さて、この難しい5月の葛藤を乗り越えたお子さんが6月に入ると、どんな気持ちになるでしょう?皆さんも一緒にカレンダーを見ていただきたいのですが、、そうです6月は『祝日が無い』のです。
やっとの思いで、ゴールデンウィーク明けに登校を継続しても、次に息継ぎできる給水ポイント(=祝日)までは、まだまだ遠い・・・。お子さんたちの心境としては「次いつまで走り続けないといけないの?」「4月の疲れがやっとゴールデンウィークで回復したのに、また疲れちゃう」というように、改めて疲れを感じ、また『次はいつに向けて(いつまで)頑張ろう!』という短期的なゴールを設定しずらく中だるみを感じる時期でもあります。
この三か月で経験したこととは?
今までのお話からは「なんだ、4月から今まで大変な時期を過ごしてきたってことね」「じゃあ、これからどうなってしまうの?」など、不安に感じられることもあるかしれません。
ここで、改めて、考えたいのですが『この3か月の間にお子さんが経験したことはなんでしょうか?』
- 環境変化
- 新しい人間関係
- 勉強など課せられるもので求められるレベルが上がる難しさ
- 長期休み明けの葛藤
- 次の目標が持ちにくい時期に、どのように自分をコントロールするか
- …など、日常生活の中で沢山の経験をしました。
また、学校では春ならではの行事や(コロナ渦中で縮小されてはおりますが、形を変えて顔合わせなどの行事を行う)、一回目の定期テストがあるなど、『行動としての経験』もしています。
つまり、残りの3/4か月は、今まで経験してきた3か月を×3回繰り返すようなイメージとなります。
ということは、この3か月にお子さんが経験したことに対して、どのように感じたか、どのように反応したか、またはどのように乗り越え、時に乗り越えられず葛藤したかをしっかりと振り返ることで、一年の残りの時期を上手に乗り越えるヒントが得られるということです。
「うちの子は、4月新しいクラスに入ったときは緊張した様子だったけど、クラブ活動など小さな集団の中では比較的リラックスしていたな」
「勉強が難しくなったことについては、かなり葛藤していたけれど友達関係は変化あっても柔軟に対応していたな」
「この3か月で生活リズムを自分で整える癖がついてきているから、もう朝の声掛けはいらないかもしれないな」
など、改めて振り返ると『つぎに親御さんがサポートする部分はどこか』『もう手を放してもいい(お子さんに任せてもいい)部分はどこか』などが見えてくることと思います。
4月の変化が著しかった時期を終えて落ち着いた今だからこそ、少し振り返りの時間を設けることも大切になるかもしれません。
お子さんの変化でお気づきな事、不安なことがありましたら、私たちカウンセラーも一緒にどのような経験を通して、お子さんがどう変化してきたか振り返りますので、いつでもお声がけくださいね。
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