学校へ行くことへの不安とどう向き合うか①
こんにちは。不登校支援センター横浜支部の安則芳郎です。
本日は不登校状態にある子が学校へ行こうとする際に持つ「不安」について
取り上げたいと思います。誰しもが持つ「不安」という感情についてのブログとなりますので
是非皆さんもそれぞれの状況に当てはめて考えてみていただければ幸いです。
不安という感情
まず、不安という感情について考えてみましょう。
不安とは、日常生活の中で脅威を察知したときに自分を脅かす可能性のある危険を
漠然と予想することに伴う心理的な反応の事を言います。
例えば学校に行こうとした時に
- 電車でお腹が痛くなったらどうしよう
- 授業中にあてられて答えられなかったらどうしよう
- 友達からどう思われているんだろう
と、考えるお子さんも多くいらっしゃいます。
大人の方でも
- 上司に怒られたらどうしよう
- この企画、本当にうまくいくのだろうか
- 明日の朝礼の事を考えると緊張する、、、
など、「あるある」とも言える状況ではないでしょうか。
このように書くと一見、不安を感じるのは悪い事と思われがちですが、
実は不安とは誰しもが持つ感情であり、生きていく上では必要になるものとも言われます。
ここで大切になってくるのは不安の「程度」です。「程度」が日常生活に支障をきたすようになった時、心理的な支援が必要になるケースが多くなってきます。
不安との向き合い方の基本
では不安と向き合う上ではどのような考え方が大切になってくるのでしょうか?
まず大前提として言えることは先に挙げたように、「不安は悪いものではない」という考えを
しっかりと理解しておくことが大切です。
というのは、不登校状態にある子たちは自身が持つ不安を「悪いもの」として認知し、
「不安をなくそう」と考えがちです。もちろんすぐに消すことが出来ればそれに越したことはないのですが、それはなかなか難しいものです。
ですので個人的には「不安はコントロールできるもの」として捉えていく位がちょうどいいのかなと考えています。
ただ、不安をコントロールするためにはやはりある程度トレーニングが必要になってきますし、
どうしても不安を感じる対象や場面に「直面する」ことが必要不可欠になります。
不安と直面する
不安と直面するというとなかなか怖い言い方に聞こえてしまうかもしれませんね。
ですがいきなり自身にとって最も脅威になるもの(例えば苦手な友達や上司)に
会いましょう・話しましょうというものではありません。
ポイントになるのは「段階的に不安と向き合う」という事です。
私たちカウンセラーは、不安の階層表というものを子どもたちと共に作成していく事があります。
例えば、、、
0・・・家でYouTubeを見る
50・・・学校の正門近くまで行く
100・・・教室に入る
など、省略して書いていますが、不安の程度を0~100の目盛りにして考えてみた時に
どの内容は0(=リラックスしていて不安がない状態)か、どの内容は100=(今の自分自身にとって最も脅威に感じるもの)かなどをその子と共に考えていくやり方です。
作成するにあたっては、なかなかすぐには思い浮かばないこともあるため
サポートに入りながら進めていく工夫が必要になります。
また、実際にやってみた上で、調整が必要な場合は再度目盛りを作成し直すことも
大切になってきます。
このようなアプローチは一例ではありますが、不安と段階的に向き合うということを通して
「不安が残りにくい状態」を目指すことが可能になります。
最後に
本日はまず不安との向き合い方の基本内容をお届けいたしました。
お子さんへの対応のみならず、親御さん自身にも知っておいて頂きたい考え方ですので
実践できる部分については是非やってみてくださいね。
そして私たちカウンセラーがお手伝いできる所も検討しながら、
お子さんへの対応を共に考えていきたいと思っておりますので
何かありましたらお気軽にカウンセリングにもお越しください。
本日は以上となります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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