不登校解決現場レポート

不登校経験者の将来に対する不安について

こんにちは。
仙台支部の上原です。
新しい季節を迎え色々と考えることも増える時期となりました。
今回はちょっと先の話について考えてみたいと思います。

将来生きて行けるのか

不登校の子どもたちとお話させて頂いているとたまに『自分の将来は終わった』『未来に希望はない』というような感覚でいる子がいらっしゃいます。
現状を見て他のクラスメイトなどと比較して自分の出来ていないことが多い事実に打ちのめされてしまう。
そんな状態になってしまう子は少なからずおります。

私もこれまで仕事柄様々な環境のご家庭と関わっていますが、本当に千差万別でした。
一家全員代々お医者さんの家系
両親教職員のご家庭
シングルマザー、シングルファザーのご家庭
生活保護で暮らしているご家庭
障がい者年金で生活しているご家庭

それぞれに苦労があり楽しみがあり生活されています。
同時に思うのは『どんな環境であれなんとか生きていくことくらいは出来るな』ということでした。

もちろん裕福な生活を望むのであれば相応の努力や運なども必要でしょう。
しかし贅沢は出来ないかもしれませんが、食事をとり、屋根のある家に住み、趣味に時間やお金を使う。
こういった生活を送ることは可能だと教えて頂けました。
それは本人に能力が不足していても、障がいがあっても、親がいなくても同じでした。

+αの努力が出来れば生活を少し向上させることも可能でしょう。
本当に最低限のラインは諦めなければなんとか確保できるようです。
もちろん限度はありますし、どうしようもない出来事もありますが、全体的に見ればそうでした。

だからなに?と思われるかもしれません。
ですがこの「最低限のところは守られている」という事実を知っているかどうかは結構違うようです。

気持ちに余裕が出来ると受け止められることが増える

とある事例を紹介します。

Aさんは働いていましたが、仕事が苦痛で死にたくなるような毎日でした。
心療内科にも通院しており、薬も飲み続けていますが改善されません。
苦痛に感じるのは会社での人間関係。
主に上司との関係でした。

パワハラとまでは行かないものの、厳しい言動や冷たい態度などがAさんの悩みでした。
色々なところに相談したこともありますが変化はなく、今では相談すること自体も苦痛になってしまいました。
友人からは「そんなに苦しいなら転職したらいいじゃん」など言われたそうですが、良い所があれば行きたいがそんな簡単に出来るものではないとAさんは考えており、転職活動も手につかない様子でした。

そんな時、通院先の看護師さんから「退職届」を書くことを薦められたそうです。
提出はしなくていいので、書くだけ書いていつも持ち歩いていよう、と。
気乗りはしなかったそうですが、言われるまま実行してみたとのこと。
書いている途中から「あぁ、これを出せばいつでも辞められるんだ」という気持ちになったそうです。

その気持ちで仕事に向かったら今まで苦痛で仕方なかった上司の態度があまり気にならなくなりました。
「嫌になったらいつでも辞められる」そう思っていると不思議と受け流せるようになったそうです。

実際に起きていることもAさんの環境も何も変わっていないです。
ですが感情の変化により受け止め方も変化していった事例ですね。

最初に書いた「最低限のところは守られている」という事実でも同じことが言える可能性があります。
この先、自分の未来はダメかもしれない。
そんな気持ちのせいで今のことが手につかない。
しかし「あ、何とかはなるのか」と知っておくことで気持ちや認知が変わる場合があるんですね。

最後に

正直世の中がどう変わっていくのかは誰にも分かりません。
ただどのように変化していってもその中で出来ることはあるはずです。
自分なりの出来ることを見つけて行動していきたいですね。

それではまた。

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