お子さんは本当に寝られていますか?
皆さん、こんにちは。
不登校支援センター 東京支部の園田です。
いつも不登校支援センターのブログを拝読いただき、ありがとうございます。
カウンセリング中によく親御さんから「子供は朝が起きられない」「起こすことが一番苦労する」と
相談されることがあります。
朝起きられない原因として思いつくのが、夜が遅いため睡眠時間が少なくなるというものです。
なので、親御さんはお子さんに対して「早く寝なさい、ベットに入りなさい」とお伝えになるとのことです。
お子さんはどう感じているのか…
一方で、お子さんに対して「夜は寝ているか?」と尋ねると、「寝たくても寝られない」と回答するお子さんが多かったのです。
寝たいのに寝られない…それはどういうことか今から少し考えてましょう。
みなさんは眠る時、いろいろ考えすぎてしまって眠ることができないと思ったことが一度はあると思います。
眠る直前に何かを考えることを「入眠前思考」と言います。
そういった時にみなさんならどういうことを考えますか?
例えば今日楽しかったことや、明日の予定、心配事などついつい色んなことを考えてしまいます。
もちろん、楽しいことを考えるなどリラックスできるような思考であれば睡眠に効果的です。
一方、不安など緊張やストレスを感じるような思考であれば睡眠に対して効果的ではありません。
親御さんから「早く寝なさい!」と言われたことで、お子さんも「早く寝ないと」とついつい考えて
しまうと焦りを感じ、なかなか寝付けない事態が起こります。
それでは不登校のお子さんがどのようなことを睡眠前に考えているでしょうか。
もちろん、明日への期待、楽しいことを考えている時もあると思います。
しかし、「朝、本当に起きられるのか?」、「明日の時間割嫌だな」、「学校に行きたくない!」など緊張やストレスを感じるような思考になる時間が多くなるかもしれません。
「寝る」という動作は人間にとって必要不可欠なものです。
しかし、その行為自体をストレスと感じる、それが毎日続いてしまうとお子さんはなかなか良い睡眠を取ることができません。
親御さんの「早く寝なさい!」という気持ちはきっとお子さんにも伝わっていると思います。
しかしなぜ眠れないのか、お子さんがどのような入眠前思考をしているか考えてみてください。
睡眠に効果的な方法とは?
とは言ってもお子さんには出来る限り早く寝てもらいたいというお気持ちもありますよね。
そこでいくつか睡眠に効果的な方法をいくつかご紹介させていただきたいと思います。
ちなみに、朝起きた時に「良く寝た!」と感じるために大切なことは
睡眠の 質・量・リズム が大切と言われています。
【効果的な方法】
- ①睡眠1時間までしかスマホは見ない
- ②腹式呼吸を意識する
- ③部屋の明かりを白ではなくオレンジ色にする
- ④寝落ちではなく眠る
- ⑤朝の光を15秒間浴びる
上記の方法は効果的な方法のごく一部になります。
このように眠れるために出来ることは数多くあります。
どの方法がご自身、お子さんにとって最適なものかを探してみるのも良いかもしれませんね。
【各方法の説明とPOINT★】
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①1時間前までに?と聞くとなかなか難しいと感じる方も多いかもしれません。
私も意識はしているのですが、ついつい触ってしまうこともあります。
なぜ直前まで使うのがふさわしくないかというと、スマートフォンから出るブルーライトが睡眠の質を下げているからです。
ブルーライトは紫外線に匹敵する強い力が持っており、「副交感神経」の働きに影響が出てしまうのです。
私たち人間は「交感神経」、「副交感神経」という2つの自律神経によって生活をコントロールしています。
”交感神経”は私たちが緊張を感じている時に反応する神経で、主に日中に活発化して、”副交感神経”は私たちがストレスを感じていない時に反応する神経で、主に夜中に活発化します。
つまり、睡眠をコントロールする神経は”副交感神経”ということになりますが、スマートフォンからのブルーライトによってこの神経が抑制されます。
その結果、自律神経のコントロールが難しくなってくるというわけです。
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②普段生活をしていてなかなか腹式呼吸を意識することはないかもしれませんが、複式呼吸にはメリットも多くあります。
それが「内臓の活発化」と「自律神経の調節」です。
腹式呼吸は腹部を主に動かす呼吸方法のため、内臓の動きを一時的に活発化させます。
そのため、体内からぽかぽかと温かくなりリラックス効果を生みます。
そのリラックス効果によって先程の方法①でご説明をしたように副交感神経の動きを活発化させます。
呼吸の仕方を少し変えるだけで、自律神経を上手くコントロールすることができ、質の良い睡眠ができます。
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③太陽の光は日中、真っ白に見えています。
しかし、夕方になるにつれて少しずつ暗くオレンジ色に変わっていきますよね。この光を浴びると私たちは睡眠ホルモンである「メラニン色素」の分泌が増え、その結果、副交感神経を活発化させます。
つまり、オレンジ色の光には自律神経をコントロールする働きがあるので、ぜひ寝る際は部屋の明かりを白色ではなく、オレンジ色にしてみましょう。
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④皆さんは「布団に入ったら気絶したように寝てしまった」という経験をされたことはございませんか?
”睡眠”は自律神経である副交感神経を活発化させることによって眠りにつくことができます。
しかし、”気絶”は睡眠とは全く違うものです。
気絶は脳貧血と呼ばれ、一時的に脳の血流が減少することで起きるとされています。
ではどうして脳の血流が減少するのか、それは恐怖や不安といった感情を長期的に持っていることが原因とされています。
質の良い睡眠を取るためには、心身共にストレスのない状態で眠りにつくことが必要です。
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⑤先ほどの方法③でご説明したとように質の良い睡眠をするために私たちは”光”を浴びることが大切とされています。
そこでぜひご紹介したい方法「起きて朝の光を15秒間浴びる」というものです。
夕日がもたらすオレンジ色の光を浴びることも大切ですが、朝の光を浴びることも非常に大切なこととされています。
私たちは朝の光を浴びて 約15時間後に睡眠ホルモンである「メラトニン」が分泌されています。
質も良い睡眠を取るためには、寝る直前の行動だけではなく、起きた時にも大切な行動があるがあります。
ぜひ、光を浴びることを意識してみませんか。
※朝の光は天候に関係なく、浴びた方がいいとのことです。
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できそうな事から、是非取り組んでみてくださいね。
それでは失礼します。