お悩み解決「一問一答」不登校解決現場レポート子供の心理学

不登校が良い方向に向かうために大切な事①

こんにちは。不登校支援センター横浜支部の安則芳郎です。

昨今不登校については様々な情報があり、
親御さんとしても対応に迷われることがおありになるかと思います。

  • 何が正しいのか?
  • どのような指針を持って対応すれば良いのか?
  • 自分自身の心持ちとして大切な事は何か?

など、たくさんの情報があるからこそ疑問も湧いてくるものですよね。

そこで本日は「子どもの不登校が良い方向に向かうために大切な事」として
いくつかの観点からお伝えしていこうと思います。

最後までお読みいただければ幸いです。

そもそも良い方向とは?

では、そもそも「良い方向」とは何なのでしょうか?
これは皆さんそれぞれに答えがあることでしょうから、
「正解」というものを挙げるのは難しいことだと思います。

他方、私たちカウンセラーが日々のカウンセリングの中で
親御さんのお話をお聴きしていくと、「奥底にある気持ち」として
共通している事もあるように感じています。

それは

  • 子どもたちがしっかりと自立していく姿を臨んでいる事
  • その子らしい生き方をしていく事を臨んでいる事

といった思いです。

どちらも「子育てのゴール」といっても過言ではない大切な事ですよね。

(もちろん「学校へ行く事」や「社会との接点を持つこと」なども
喫緊の課題としてお感じになるところではあると思います)

ですので今回は「仮のゴール」として上記のような事を実現していくために
大切な事をまずは挙げていきたいと思います。

考えさせるアプローチ

「自立」「自分らしい生き方」といった観点で考えた時に大切になってくることとして
「その子自身に考えさせる」ということが挙げられます。

これは「放っておく」とイコールではなく、
親御さんとその子が協力し合って歩んでいくものだと、私は思っています。

そこで大切なのは親御さんがどのような段階での関り(介入)をしていくかということです。

一次評価、二次評価、再評価 という考え方

ここで少しカタイお話を挟んでしまいますが、親御さんからの関りを考えていくにあたって
大切なポイントとなりますので「子どもが感じるストレス」という事について
共に考えてまいりましょう。

1)一次評価:状況の主観的評価
子どもたちはストレスを感じる状況や問題に直面した際に、
それをストレスと認知するかどうか自身で判断しています。
一次評価の段階で「この出来事は自分にとって別に何ともないことだ」と認知した場合は、
どのような環境や状況であっても、その人にとってはストレスにはなりません。

例えば「雨」について考えた時、ある子にとってはストレスになりますが
ある子にとってはストレスになりません。

2)二次評価:ストレスの解消のための行動の選択肢を含めた自己の能力・資源の評価
一次評価でストレスを認知した場合、そのストレスをどのように処理するか、対処法を検討します。

先に挙げた「雨」で考えるならば

・傘を持っていこう
・長靴を履いていこう
・タオルを持っておこう

などが挙げられます。

3)再評価:対処法についての評価
二次評価でストレス処理をした結果、本当にストレスは処理できたのか、
あるいはできなかったのかを振り返ることが再評価の重要なポイントです。

この段階でストレスの処理ができていないのであれば、
あらためて一次評価、二次評価に戻って検討しなおす必要があります。

「雨」が降っていたからタオルを持って行ったけど、
あまりにも雨が強すぎたためタオルを持っていっただけでは十分ではなかった。
次は着替えを持って行った方が良いなと振り返る等。

さて、どの段階に親御さんは介入していけばいいのでしょうか?

実は不登校支援センターにご相談に来る親御さんにお伝えしたいのは
子どもの自立を促していく場合に大切になる介入の段階は
「再評価」の段階からということです。

例えば、

「今日は雨が降って大変だから、傘を持っていきなさいよ~」
と、何気なく伝えること、日常生活の中では全然あることだと思います。
しかしこれは

一次評価と二次評価への介入を行った関わり方と言えます。

もしその子にとって雨がストレスにならないとしたら、雨は決して大変な事ではありませんし
「傘を持っていく」という手段についても親御さんが先に提示している手段となってきます。

再評価の段階からの関わりというのは、仮に子どもたちが雨に対して対策をせず出て行って
ずぶ濡れで帰ってきた時に「今日は雨に降られたね、まだ雨が続くみたいだけど明日はどうする?」
等と投げかけていくことになります。
そこで子どもたちは考えます。

「今日はずぶ濡れになって嫌だったから、明日はカッパを着ていくよ」のようにです。

もちろんこんなにきれいな流れで進むことばかりではないと思いますし
考えさせても帰ってくる答えが「わからない」となることもしばしばです。

ですが、自分で考え行動するという事を促していく上では
「次はどうしたいか?」「もっといい方法はありそうか?」
「より効率的なやり方はあるか?」等と考えさせることがとても重要になってくると思います。

最後に

いかがだったでしょうか?

本日は子どもを自立の方向に向かわせるため、その子らしい生き方をしてもらうために
「考えさせる機会を作る」「親御さんの介入ポイントを検討する」などに
フォーカスして考えてまいりました。

話としてやや抽象度が高く、分かりにくいところもあったかもしれませんので
その際は是非カウンセラーともお話してみて頂ければと思います。

また別の視点からも「不登校が良い方向に向かうために大切な事」を
考えてみたいと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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