お悩み解決「一問一答」不登校解決現場レポート子供の心理学

不登校対応【今は見守るべきなのか?押すべきなのか?】

こんにちは。不登校支援センター横浜支部の安則芳郎です。

8月。

すでに新学期を迎えた学校もあれば、もう間もなくというご家庭もおありかと思います。
環境の変化があるタイミングなので、慎重に対応を考えていきたいところですよね。

特に親御さんとして気になる点としては
今は見守るべきなのか?それとも押すべきなのか?ということではないでしょうか。

実はこの見極めは私たちとしても難しさを感じるところです。
ですがとても大切なポイントなので、今回は「不登校対応あるある」とも言える
この悩みをテーマに考えていきたいと思います。

見守るべき?押すべき?

もちろん「お子さんの状態による」という所なのですが、
一つ知っておいていただきたいのは、不登校にも段階があるという事です。

ご存知の方も多いかもしれませんが、

  • 本格期

「学校に行きたいけれど行けない」という心の迷い・葛藤がある時期です。

  • 安定期

「学校には行かなくていい、行けないものだ」と思っていて、心の迷いや葛藤が殆どない時期です。
※学校に行かない事に対して安定しているという事を意味しています

上記の違いにもあるように同じように学校をお休みしていても
心持ちにはだいぶ大きな違いがあります。

本格期にいるお子さんに対しては、刺激をすることはより葛藤が大きくなるという意味で
リスクがありますが、安定期にいるお子さんに対してはそのままの状態にしておくと
より安定期が進んでしまうことも懸念されます。

このように、心の葛藤状態を見極めていくということは不登校対応において
特に重要になってくると言えます。

本格期と安定期、どうやって確かめる?

では本格期と安定期における、お子さんの発言や行動、態度の違いには
どのようなものがあるといえるのでしょうか?

まず本格期の子の特徴としては

  • 学校の事を話すと顔が青ざめる、身体症状などが出てしまう
  • 暴力、破壊行為、物を投げるなどがある
  • 学校に行くための準備など、本人なりに考えている
  • 今後行われる学校行事の日付など意識している
  • 学校に行くための相談をしてくる、しようとしている

等が挙げられ、こういった特徴がみられる場合は子ども本人に任せる(見守る)ことが
必要な時期とも言えると思います。

一方、安定期の子の特徴としては

  • 学校の話をした時に、嫌がる事はないが興味を示さない
  • 学校に行くための準備を全くしない
  • 例えばゲームなどの制限をかけたとしてもまるで動じない
  • 学校行事の事などについて全く把握していない
  • 学校に行くための相談などはしない

等が挙げられ、この場合、学校側からも単位や進級要件、行事ごとの情報などについて
ご連絡を頂いたり、ある意味での危機感を持ってもらうことが必要になるかもしれません。
もちろん、学校に行かせることがゴールではないかもしれませんが
一つの目安として参考にしておいていただければと思います。

ただし、いずれかに分類することは本当に難しいところで

例えば

「学校には行きたいんだけど行けなくて困っているんだ」と言ってくる子の中にも
「本当は行きたくない、行くつもりがない」と思っている子はいますし、

逆に

「学校なんてもう一生行かない」と言っている子であっても
「本当は行きたい」と思っている子もいたりします。

そこで私たちは心理テスト等も用いて、
心の葛藤状態を把握するアプローチを行うことがあります。

全てが分かるわけではありませんが、こういった心理状態の把握をしながら
お子さん一人ひとりへの関わり方を親御さんとも一緒に考えていきたいと思っています。

最後に

お子さん一人ひとりに個性があるように、学校への思いも子どもによって
様々な捉え方があります。

分類分けしすぎると一般論化してしまうので避けたい所なのですが
一つの目安として本格期や安定期のことも知っておいて頂けると便利かと思います。

ただやはり大切なのは「その子が心でどう感じているか、そしてそれを
どのような行動や態度で示してきているか」を観察しながら関わっていく事なのだと感じます。

私たちカウンセラーにもお手伝いできる部分があるかと思いますので
何かありましたらお気軽にご連絡くださいね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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