安定した登校のために親ができる事は？②

こんにちは。不登校支援センター横浜支部の安則芳郎です。

もう間もなく夏休みを迎える季節ですね。
夏休み前後の過ごし方は不登校支援を考えるうえでとても大切な期間になってきます。
お子さんの状態を見極めながら共に対応を考えてまいりましょう。

さて前回は「安定した登校のために親ができる事は？①」として
「ストレスコーピング」のお話をさせていただきました。

前回のブログはこちら→【安定した登校のために親ができる事は？①】

今回も同様のテーマで、別の視点から親御さんができる事について
考えていきたいと思います。

最後までお付き合い頂ければ幸いです。

「心の報酬」という考え方をご存知でしょうか？

会社勤めの皆さんはお仕事をするとお給料がもらえますよね。
これはいわゆる労働に対しての対価であり、「報酬」とも呼ばれるものです。

ご家庭内においては親御さんから子ども達に「〇〇を頑張ったら■■を買ってあげる」
と伝える機会が時としてあったりするかもしれません。

このように物理的対価で子どもたちに興味を持ってもらうことも間違いではないと思うのですが、
要求がエスカレートしすぎないように、そしてより継続的にモチベーションを持ってもらうために、
ひいてはより安定した登校のために親御さんに知っておいて頂きたいのが
「心の報酬」と呼ばれるものです。

4種類の心の報酬

心の報酬には大きく分けると4つの種類があると言われます。
結論から申し上げると、その4つとは

①評価

②関心

③理解

④支援

これら4つです。それでは1つ1つ見てまいりましょう。

評価

これはとてもシンプルなものですが平たくいうと「うまく出来たことについて褒めてもらえる、認めてもらえる」
という報酬となります。適切な評価がもらえると、それが次の行動の原動力になり
「またやろう」という発想につながります。

例）
「一生懸命やったこと、お母さんは嬉しく思うよ」
「それが出来るなんてさすがだね。感心しちゃうよ」

※褒めるというよりは「感謝を伝える」「貢献してくれたことへの思いを伝える」
と言った方が適切かもしれません。

関心

これは子どもたちの気持ちや行動、趣味や好きなことについて関心を持って接してあげることを意味しています。
関心を持ってもらうことで嬉しさや喜びを感じる子はとても多くいます。

例）
「どんな絵を描いているの？あ、このキャラクターお母さんは好きだなぁ。」
「〇〇はこのキャラクターのことどう思ってる？」
「最近どう？少し疲れたような顔をしているように見えるけど？」

理解

「自分の気持ちを分かってもらえた」という感覚は人の心を軽くします。
これだけ自分の気持ちを分かってもらえたなら、“しょうがない、（面倒なことでも）やるか”と
一歩踏み出す力となります。

例）
「そんなこと言われたら、辛い気持ちになるよね」
「本当はあの時、〇〇って言ってほしかったんだね」

支援

最後に支援という報酬ですが、「助けてもらいたいと思っているタイミングで助けてもらえた」
という気持ちが安心感や心の拠り所を作ることも多くあります。

例）
「今日はどうしても最寄り駅まで送ってもらいたいんだけど、、、」に対して支援してあげる
「ここの問題、お父さん分かる？」に対して、共に考えてあげる

心の報酬は適切なタイミングで与えることが重要

さて、以上4つの心の報酬について考えてみましたが、
これらはやはり「タイミング」が重要になってくると思います。

例えば①の「評価」について、子ども自身としては今の成績に満足していなく
納得いっていない様子の時に「よく頑張ったじゃないか」「すごいじゃないか」と
ストレートに伝えても受け取ってくれないことがあると思いますし、
④の「支援」についても、子どもたちが求めていないタイミングで
「〇〇一緒にやってあげるよ！」と言っても「余計なお世話」と感じてしまうことが
あるかもしれません。

より適切な報酬をより適切なタイミングで与えてあげることが
その子のモチベーションを維持していく上では重要と言えます。

（「言うは易く行うは難し」ではあります。。。）

最後に

いかがだったでしょうか？
心の報酬を適切なタイミングで与えてあげると、子どもたちのメンタルは安定し
安定した登校にもつながっていくことが多くあります。

「なんて声をかけるか？」「どんな風に伝えるか？」の前に
まずは子どもたちがどんな報酬を求めているかを見ていくことから
始めてみて頂ければと思っています。

私たち不登校支援センターのカウンセラーもお役にたてることがあるかと
思っておりますので、何かありましたらお気軽にご連絡くださいね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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