【事例】頭が痛くて学校に行けないけど、カウンセリングにも行きたくないというお子さんの場合③
こんにちは。
不登校支援センター東京支部の本沢裕太です。
前回のブログでは、お子さんが安心して自己表現できる関係性を築いていくために、「話を聞く」という時間を積み重ねてみましょうということをお伝え致しましたが、今回もう少し掘り下げてみようと思います。
と言いますのは、カウンセリングの中で親御さんからこんなお話をよくお聞きするからです。
- 子どもがハマっているものを、知らない or 分からない or 興味が持てない
- 子どもは「面白いから観て!」「スゴいから観て!」と言ってくるが、そう思えない
- もっと興味を持って聞かなきゃと思うけど、段々投げやりに聞いてしまう
こういった親御さんのお話をお聞きしていて感じるのは、とても一生懸命、話の内容を理解しようとしているということです。
一生懸命、理解しようとすればするほど、知らない単語や人名が出てくるので、理解できなくて話を聞くこと自体がしんどくなってしまうのではないでしょうか。
興味のない話を聞くのは、誰だってしんどいですよね・・・。
そんな時は、少しだけ注目する部分をずらしてみませんか?
例えば・・・大きく2つの点から考えてみましょう。
アニメやドラマのストーリー、ゲームの仕組みやシステム、登場人物などの概要(全体)について話そうとしてくれているのか。
好きなキャラクター、声優さん、好きなセリフやシーン、悔しかった場面、嬉しかった場面など、切り取った部分的なことについて話そうとしてくれているのか。
という点に注目してお話を聞いてみるだけで、お子さんが「部分的」に物事を捉えている傾向があるのか、「全体的」に捉えている傾向があるのかということが分かってくるかも知れません。
そして、ストレスを感じるポイントにも同じ様な傾向があるかも知れません。
全体的に捉えている傾向があるお子さんは、先の見通しや、やることの意味、目的などの情報が欠けるとストレスに感じることが多いです。
それは、できるだけ失敗を避けたいと思う気持ちや、どうなるか分からないという不安を減らしたいという気持ちが強いかもしれないですね。
また、部分的に捉えている傾向があるお子さんは、気分が乗ればやるけど、気分が乗らないとやらないなどのムラが大きかったり、気持ちの切り替えに時間がかかったりすることが多いです。
それは、一つのことに集中し続けた経験が少なかったり、それを成し遂げた後にどういう気持ちになるか、どんなプラスのことが起こるかを想像する力が少ないかも知れませんね。
そういったお子さんの傾向を細かく知っていく事で、より具体的なスモールステップを考えていけます。
お子さんが、「全体的」に話してくれるのか、「部分的」に話してくれるのかの違いが分かってきましたら、次に
- なぜ、この子はこの話をしてくれたのだろう?
- なぜ、この子はこういった行動をとったのだろう?
という視点も織り交ぜてみてください。
お子さんが伝えたかったこと、表現したかったことに近づけるのではないかと思います。
頭では分かっていても・・・
急には難しかったりしますよね。
カウンセラーは常に、第三者目線でお子さんのお話を聞く様に心がけておりますので、親御さんがお感じになっていることと、カウンセラーが感じたことを紡ぎ合わせながら、お子さんの支援方法を一緒に考えてまいりましょう。
最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。
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