不登校だった子が学校に登校し始めた ~がんばり始めた子どものこころの状態~
こんにちは。不登校支援センター名古屋支部の伊藤みゆきです。
今回は、不登校に悩む子どもたちが少しがんばり始めたときのお話をしたいと思います。
子どもがまったく動けない、動こうとしない、なんていう時の対策というのは、書籍や新聞、雑誌の記事、最近ですとSNSなど、実はいろんなところに出ていたりしますよね。
もちろん、その中で子どもに、そしてご家庭に合うものを見極めることはとても大切ですが、よいヒントになるものもたくさんありますよね。
反面、意外と少ないのが、子どもががんばり始めたときのこと。
実は支援センターの相談も、案外この時期のお困りごとも多いのです。
愚痴や否定的な言葉が増えてくる
子ども自身ががんばり始めると、周りも比較的安心して一息つくこともできますね。
そういうときに、受ける相談にこんなことがあります
子どもが愚痴や文句をいつも言っている
とにかくやればいいのに、まず口から出てくるのは「めんどくさい」の一言
聞いているこちらがイライラしてしまう
何を話しても素っ気ない態度で返してくる
たしかに、がんばっている姿を素直に認めてあげたいのに、文句ばかり言いだしたり、素っ気ない態度を取ってこられると、ため息が出てしまったりしますよね。
がんばっている子どもの気持ちは・・・
実はこういうことは、とてもよくあることなんです。
がんばり始める時というのは、今までやっていなかったことや、少し休憩していたことを再び始める時期です。
それまでの生活からの変化も大きいので、自ずとストレスがかかりやすい時期とも言えますよね。
もうおわかりの方も多いと思いますが、子どもたちの愚痴や文句、素っ気ない態度、どれもストレス反応として出ている行動です。
大人の私たちにもありませんか?
- 「今日は仕事いやだなぁ」と言いながらカバンを手に職場に向かう
- 「もういやだ~」と声に出した後「仕方ない」と自分に言い聞かせる
なんてこと、身に覚えのある方もいらっしゃるでしょう。
そんなときに出る言葉は、確かにネガティブだったりしますが、この一言が今の子どもには必要な気持ちの吐きだしなのかもしれません。
ここで「そういうことを言うな」とか「その態度はよくない」と伝えることで、極端に言えば「ストレスを我慢しなさい」と言われているように思ってしまうこともあるかもしれません。
親御さんの願いとしては、気持ちよく、元気に過ごしていてほしい、という想いもあるでしょう。
こういう時の子どもたちは、その気持ちよく、元気に過ごす未来の少し手前にいる状態なんです。
ストレスを感じながらも、ちょっとずつがんばっている子たちには、あえて好きに言わせてあげるのも、必要なタイミングだったりします。
「行きたくない~。はぁ・・・行ってきます」なんていうのも認めてあげていいんじゃないでしょうか。
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