不登校解決現場レポート

再び学校に登校するときに注意したいポイント

こんにちは。
不登校支援センター名古屋支部の桒原航大(くわばらこうだい)です。

ご相談の中では、「他の子はどうやって学校に行けるようになるのですか?」とご質問をいただくこともたびたびあります。
もちろんお子さん一人一人違うことも、親御さんは知っていると思いますが、それだけ関心の高いテーマだと思います。

ですので本日は、お子さん一人一人事情は異なるという前提も踏まえた上で、再び登校する際にカウンセラーが注意していることをご紹介しようと思います。

子どもに合わせたスモールステップ

学校を休み始めたときは、その子の心と身体は限界を超えている状態でもあります。

そこから周囲からのサポートやカウンセリングなどにより、徐々にその負担が解消され、気持ちに余裕が生まれてくると、「これからどうしようかな」と未来のことに意識も向いていきます。

そうした中で、「もう一度学校に行こうかな」と自分から気持ちを打ち明ける子もいます。

子どもたちの中には、突然次の日から学校に登校をスタートし、朝から部活まで完璧に参加し、そのまま毎日登校するようになる子もいます。

「学校に行くなら最初から最後まで出たい!途中から行くのも、途中で帰るのもいや!」という思いからのようですが、それまでの生活習慣を一気に変えることになるので、子ども自身にとっても負担も大きく、登校を継続するのは難しいことも多くあります。

こうしたことからも、0か100かのように、完璧に登校することをいきなり開始するよりも、運動して体力をつけるように、少しずつ学校とのかかわりを増やしていき、徐々に慣らしていく方が、子ども自身が感じる負担は小さくなります。

例えば、登校再開へのスモールステップにはこんなものがあります。

  • 学校に間に合う時間に起きる
  • パジャマから着替える
  • 家から出る
  • 通学路の途中の〇〇まで行く
  • 校門まで行く
  • 校舎に入る
  • 〇〇の授業に出席する
  • 出席する授業を増やす

このようにスモールステップで一つずつチャレンジし、そのステップに慣れたら次のステップに進むことも、余裕をもって続けていくために大切な視点となります。

スモールステップでチャレンジする時に注意したいこと

ただし、このスモールステップで取り組んでいく際に注意したい点が2つあります。

  • そのスモールステップの取り組みに子どもは自分からやろうとしているか
  • 今のステップから次のステップに進むために子どものやる気は十分だろうか

スモールステップは、たしかにストレスに慣れていくために大切な視点となるのですが、周囲の方がスモールステップで進めていこうとしても、その子ども自身の気持ちがついていっていなければ、なかなかうまく進むことはないでしょう。

その子ども自身がまずは取り組もうとする気持ちがあることが大切なポイントとなります。

また、スモールステップは確かに一つ一つのハードルは小さくなるのですが、それでもお子さんにとっては順調に進むこともあれば、足踏みすることも出てきます。

子ども自身が次のステップに進む心の準備が整っていない時に、周囲が「そろそろやってみたら?」と背中を押すことは注意も必要になります。

というのも、子どもが自分のペースで取り組めないと感じてしまうと、「次のステップもクリアしたら、また次のステップをやらされる」という思いが生まれるかもしれません。

そうなってしまうと、再び学校に向かうことのストレスは強くなってしまう可能性もあるでしょう。

子どもにとってのスモールステップを大切に

実際にチャレンジをしてみて、「思った通りにできた」、「思ったよりも大変だ」など、チャレンジしたからこそわかることもあるでしょう。

スモールステップは大切な視点となりますが、絶対的なものではありません。

実際にチャレンジしてみて、子どもは今どう感じているのか、そこを振り返りながら、次のステップを柔軟に変えていくことも大切なサポートなります。

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