本気で不登校の解決を望む親御さんに知っておいて頂きたい事②
こんにちは。不登校支援センター横浜支部の安則芳郎です。
新たな年、2022年を迎えましたね。
皆さんにとって、そして自分自身にとっても良い年になるようにお祈りしつつ、
去年と変わらず仕事にプライベートに励んでいきたいと思っております。
さて前回のブログでは「本気で不登校の解決を望む親御さんに知っておいて頂きたい事①」
として、不登校の子どもたちを何とかしようと思ったら、まずは自分の思いを大切にすること、
自分の気持ちに素直になって自分らしく生きていくことをお伝えしました。
また「GROWモデル」という達成したいこと=ゴールに向けての道筋の立て方についてもご紹介しました。
今回もテーマとしては
「本気で不登校の解決を望む親御さんに知っておいて頂きたい事」として
その第2弾をお送りできればと思います。
最後までお付き合いいただければ幸いです。
ゴールの妨げになるもの
前回のブログではまず自分の思いを大切にしていただき、
ゴールへの道筋を立ててみて頂きたいとお伝えしました。
しかし、実はゴールが見つかってもなかなかそこに向かってうまく進めない時があります。
今回のブログでは、自分の中にある思考の癖や価値観が時としてゴールへの妨げとなり、
なかなか前に進めないケースをご紹介していきます。
「子どもに対して優しくありたい」というゴールを目指したが、、、
ゴールとして「子どもに対して優しくありたい」というものを設定したけれど、
以下のような思いに駆られた親御さんがいらっしゃいました。
- 「時間や約束を守らない子どもを見るとイライラしてしまう」
- 「ついつい怒ってしまう」
- 「子どもが自律心を育めるように厳しく言わなきゃと思う」
こういったケースは多いにあり得ることでしょう。
「時間や約束は守るもの」「自律心が大切」という思いがあると
ついつい子どもに対して優しくいられない。
そんな状況に出くわした事、皆さんもおありになるのではないでしょうか。
こういった「価値観」はその人の人生の中で培われてきた大切なものであり
言い換えるならばその人自身を守ってきた「支え」のような役割を持っています。
ですので、このような価値観を真っ向から否定してしまうのではなく、
一度「自分はこんな価値観を持っているんだな」と自己理解を深めることが大切になってきます。
「べき思考」と向き合ってみる
「べき思考」と聞くとなかなか強い言葉のイメージとして伝わってしまうかもしれません。
しかし誰しもが自分の中での「当たり前」を持っていますし、
それが他者(子どもたち)との「当たり前」と異なっているということにも
向き合わなければいけない時があると思います。
先の例で言えば
「時間や約束は守るもの」という「べき」と
「緩く、柔軟に考えることが大切」という「べき」は
なかなか相いれない感覚になってきそうですよね。
不登校に関しても
「学校には行くべき」という考えと「学校が全てじゃない」という考えが対立構造にある時、
家族間でのケンカや言い争いに発展していくこともある事でしょう。
こういったケースでは「どちらか一方の思いにとらわれ過ぎないように注意していく姿勢」が
大切になってくるかと思います。
話していく中で見つかる自分の「べき思考」
自分の思考癖や「べき思考」を見つけていくには、一人悶々と考えるよりも
誰かと話したり、活動を共にしたりすることが効果的と言われます。
カウンセリングでの例を挙げるならば
- 過去の体験や経験の中で大切にしてきた思い・考え
- その思いや考えが何をもたらしてくれるのか、あるいは何を妨げてしまうのか
- これから大切にしていきたい価値観は何か
こういったことをお話していく中で、「べき思考」から解放され
視野が広がっていくケースが多くあります。
不登校のお子さんを支える親御さんにとってはこのようなやり取りの中で
辛く苦しい思いをされることも時としてあるかと思いますが、
是非ご自身の中にある「これまで大切にされてきた価値観」や「これから大切にしていきたい価値観」
を共有し、支援の在り方を考えていくことがとても大切になってくると思っています。
※もちろん子ども達にも同様の事が言えます
最後に
昨今の新型コロナウイルスへの対策として「ワクチン」を摂取された方の中には
「副反応」が出た方も多くいらっしゃる事でしょう。
異なる価値観と出会う瞬間というのは、いわば心にワクチンが摂取された時と
近いものがあります。つまりそこには「副反応」が伴うわけですね。
- 子どもとの価値観の違い
- 夫婦での価値観の違い
- 学校の先生との価値観の違い
などなど、自身を取り巻く人たちとの間で様々な思いや考えに触れた時の「副反応」は
辛く厳しいものですが、いわば新しい価値観(抗体)を取り入れるためのステップであるとも
捉える事ができます。
自身と他者との「違い」を認め、それを心の中に取り込んでいく。
そういった感覚になった時に、支援の在り方を改めて考えていくきっかけになると思います。
本日はこのような事をテーマにお伝えしていきました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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