気にしやすい性格とのつき合い方について②
こん
こんにちは。不登校支援センターです。
こちらは過去記事となります。皆様の日々のかかわりのご参考になれば幸いです。
本日は、前回のブログの続きとして、感受性の強さとの上手な付き合い方をみつけた子どもたちの経緯についてお話いたします。
①自分を知る段階
支援センターでは、まず「自分の価値観を知る」ということを大切にしています。
初めてお会いした時から、「自分は気にしすぎるから・・・」というお話をする子もいますが、自分のことを色んな面からしっかりと捉えられている子は案外少ないようです。
例えば、感受性が強い子の価値観として、
- まわりとの調和を大事にしている
- 静かにすごす時間が心地よい
- 相手の気分を害さないよう、気をつけたい
このようなものが見つかることがあります。
こうした発見が増えていくと、ただただ、「あの状況が怖いなあ」、「人がいるところは嫌だな」、「相手に迷惑だと思われないかな」と思っていたところから、
- 「自分は調和を保てるよう、人一倍気をつけているんだな。だから色々なことが気になるんだな。」
- 「人に嫌がられていないか心配だったけど、これだけ気をつけているから、実際に人に迷惑をかけることはあまりしていないのかもしれないな。」
- 「自分にとっては静かな時間が大切で、息抜きの時間がないと疲れがたまってしまうのかもしれないな。」
等と、客観的に自分のことをみられるようになっていきます。
②不安と現実のギャップに気づく段階
また、子どもたちのなかには、「こうなってしまうのではないか」という不安と、現実に起こることとがまぜこぜになって考え込んでしまっている子もいます。
例えば、実際にほとんど怒られた経験はなくても、「学校へ行ったら先生に怒られるのではないか」ととても心配になっていたり、実際には友だちとスムーズに話せていても、「学校で友達とうまく話せないんじゃないか」という思いが強くなっていたりと、やってしまえば実際には大丈夫なのに、やるまでの不安が強くなっているという場合です。
こうした時、実際に「不安だからやらない」を選択してしまうと、現実を確認しないまま、どんどんと不安ばかりが大きくなってしまいます。
そこで、根拠がはっきりしないけど漠然と心配な時には、少し勇気をもって、不安が現実のものなのかどうか確認する、ということも大切になります。
実際に、まわりのサポートを受けながら、「不安だったけど、やってみたらなんとかなった」という確認を何度も繰り返すうちに、だんだんと、「また不安になっているけど、きっとまたやってみれば何とかなるんだろうな」と考えられるようになる子はたくさんいます。
現実以上に不安を感じやすい子の場合には、こうした「不安に思っていること」と「現実に起こること」にはギャップが起きる場合が多いと知ることも大切な過程になるようです。
③対処の手段を知る段階
先ほどの漠然とした不安とは別に、「大きな音が苦手」、「人の感情に影響を受けやすい」といった具体的に苦手なものがある場合には、そのような状況になったらどうするかを、あらかじめ考えておくことも大切になります。
どうしても耐えられなくなったら誰にどう伝えるか、気持ちが落ち着くまでどこで過ごすか、どのように自分の気持ちを落ち着かせるかといった方法を知っておくことで、苦手な場へ行く不安を少し和らげることができます。
子どもたちのなかには、授業中に不安なことがあったら、休み時間は仲のいい友だちと話して気を紛らわせるという子や、保健室の先生のところへ行って気持ちを落ち着けるという子、親御さんやカウンセラーと話して気持ちを整理する子、運動をしたり、音楽を聞くことで気持ちを切り替える子たちがいます。
自分なりの方法をみつけるまでには試行錯誤がありますが、自分なりの気持ちの切り替え方をいくつか見つけておくことで、苦手な場面に取り組みやすくなったり、実際に不安なことが起こっても次への切り替えがしやすくなるのですね。
④自分の基準を持つ段階
自分への理解を深めていると、相手の反応が気になるあまり、
- 誰からも嫌われたくない
- 誰にもまったく迷惑をかけたくない
- 気を遣えない人だと絶対に思われたくない
こうした100%の実現が難しい思いに駆られていた、ということに気づく子どもたちもいます。
最初はこうした思いを拭うことが難しい子どもたちでも、自分のことを客観的に捉えられるようになってくると、ほどほどの折り合いや、自分の基準が見つかっていきます。
なかには、人に迷惑をかけたくないという気持ちは大事にしながらも、「自分のなかではやるだけのことはやった」、「あとは相手の問題だから、もう仕方がないかな」といった、聞いていてなるほど!と思うような折り合いのつけ方を見つける子もいて驚かされます・・・。
⑤長所を活かしていく段階
感受性が強い子どもたちは、他の人が気づかない細かい部分にまで注意を向けることができるため、行きとどいた気配り、人に共感する力、内省の深さ、謙虚さ、芸術性などでその力を発揮することがあります。
初めは「色々なことが気になってしまう」というお話をしていた子どもたちでも、少しずつ自分への理解が深まり、自分のことを自分でコントロールする力がついていくことで、「色々なことまで気にできる」長所をどのように使っていくかを考えられるようになります。
さいごに・・・
本日は、感受性の強さとの上手なつきあい方を見つけた子どもたちの経緯について、大きくお話させていただきました。
試行錯誤の内容や折り合いのつけ方は、お子さんによっても大きく異なってきますので、自分なりのやり方をみつけていくことが大切だと考えています。
感受性との上手なつきあい方にお悩みの際には、お近くのカウンセラーにご相談くださいね。
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