不登校の対応事例~背中を押すタイミング~
こんにちは。
不登校支援センター仙台支部の上原です。
お子さんが不登校となった際、声をかけるタイミングで悩むことがありませんか?
今日はそんなお話です。
いつまで見守ればいいのか
よく不登校の支援を調べていると「見守る」という言葉を目にします。
確かに本人を見守ることは大切なことだと思います。
ただ以下の辺りでご相談をよくお受けします。
- どのように見守るべきなのか?
- いつまで見守っていればいいのか?
これは一度は悩まれた方も多いのではないでしょうか。
以前ご相談を受けたケースを元に改めて考えてみたいと思います。
Aさんの場合
高校生のAさんは半年ほど不登校の状態でした。
たまに登校することもありますが基本的には欠席が続いています。
本人とは親御さんも良く話しており、今の学校はやめて通信制の高校へ転学することが決まりました。
しかしその状態からAさんは動かなくなってしまいました。
- 取り寄せた資料を見ない
- その話をしようとすると逃げる
- 話しそうな雰囲気になると精神的な不調を訴える
- 分かっている。考えている。と口では言う
見守っている側としてはモヤモヤしてしまいますよね。
やることは決まっていて、あとは動くだけ、という状態だったのです。
ある日、改めてそのことを話そうとした際、本人は取り乱して泣きながら病院に行きたいと言い出したそうです。
親御さんとしては病院に行っても変わらないだろうとは思いつつ連れて行きました。
診断の結果は特に異状なし。
しかし本人は調子が悪いと言い続けていました。
そんな日々を過ごして、見守り続けていても変わらない、と感じた親御さんはしっかりと話をしました。
- やることはもう決まっている
- 代わりにやってあげることはできない
- 自分でしっかりと考えて欲しい
Aさんは少し依存傾向があり、泣いたり愚痴を言ったりして、親御さんに甘えている所がありました。
突き放すようなことはせず、親御さんも寄り添い続けていましたが、それが依存を強めてしまっていたのかもしれません。
この時は普段と違いしっかりと親御さんとしての意見をお伝えしました。
その時点では本人は再び泣きながら自分の状態などの話をしていたそうです。
数日後、親御さんが高校のHPを見ているとAさんが黙って横に来て一緒に閲覧し出しました。
「ここ見学に行ってみる?」質問すると「…行ってみる」少し考えた後にそう答えが返ってきました。
そこからはスムーズで入学の手続きを済ませ、約2か月後には元気に登校しているAさんの姿がありました。
どう感じられましたか?
これはあくまでも1つの事例です。
それぞれの状況によって変わることではありますが、皆さんはどう感じられたでしょうか。
私はこの話をお聞きして「しっかりと寄り添い続けたからこの成果だろうな」と感じました。
根気強く寄り添い、いろいろな話を受け入れたからこそ、突き放すような対応が動くきっかけになったのだと感じます。
その過程を無視していきなりこの対応をした場合、すんなり動く子は稀ではないかと思います。
Aさんの場合も本人ももう答えは出せており、あと一歩の勇気が中々でないような状態でした。
だからこそ最後の一押しが効いたように思います。
接し方はとても悩むポイントの1つです。
本人の状態と共に親子の関係性がどうなっているのかも意識して考えていきたいですね。
それではまた。
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