失敗体験を自己肯定感に生かすために大切なこと②
こんにちは
不登校支援センター横浜支部カウンセラーの本沢裕太です。
緊急事態宣言が解除され、10月から通常登校が再開されましたが、その流れに乗れずに登校できていないというご相談が増えてきております。
「コロナの影響が、再起しようとしている子どもの妨げになっている様に感じる」
とおっしゃっている親御さんもいらっしゃいました。
- もし、あの時こうなっていたら・・・
- もし、今がこうでなければ・・・
「たらればを言っても仕方ない」とは良く言われますが、そう思いたくなる時もあるんですよね・・・。
物事を因果関係で捉えようとすることも一つのストレス対処なので、全てを「悪い」とするのではなく、
ストレスに感じないようにできたり、モチベーションに変換できたらいいなと思います。
(なんでもかんでも自分のせいだと思ってしまったら辛いですものね・・・。)
このブログが、そういった考え方の参考になったら嬉しいです。
さて、前回の続きで「どんな部分に注目して声を掛けられると嬉しくなるのか」について考えていきましょう。
今回は、まず「内的な要因の4つ」についてまとめてみました。
一つ目に、「能力」です。
生まれ持った天性の様なものですね。
先天的なものなので、その人の内的なものと考えられます。
また外的なものから影響を受けても変化はしにくく、自分ではコントロールできないものです。
(最近流行っている「転生もの」のラノベやアニメなどでは、これらが登場人物自身でコントロールできるものが多いですよね。)
次に「努力」です。
毎日トレーニングをするとか読書をするなど、習慣として取り組まれていることが当てはまります。
自分で「よし!やろう!」と決断し行動に起こすものなので、他の人からどう言われようと続けられるので
外的なものから影響を受けても安定していて自分でコントロールできるもの
と言えるかと思います。
そして「気分」です。
外的なものから影響を受けて変化しやすく、自分ではコントロールできないものです。
安定してコントロールできないものだからこそ、
- 気分が落ち込むこともある
- いつも機嫌よくいられるわけではない
- 不機嫌になっても、それは自分のせいではない
と捉えることもできるかと思います。
不機嫌のままで居続けると自分自身も楽しくないですし、周囲の人との関係も悪くなってしまいますので、自分なりに気分を切り替えるトリガーをいくつか持てると良いですね。
(気分の上がる音楽を聴く、お気に入りの映画を観る、軽い運動をする、等)
最後に、「一時的な努力」です。
これは、試験前の一夜漬けなどが当てはまります。
短期集中的だからこそ発揮できるもので、長期間の継続は難しいかも知れません。
ですので
変化はしやすく、自分でもコントロールもしやすいもの
と言えます。
表にすると、以下の様になります。
内的要因 | コントロールできる | コントロールできない |
変化しやすい | 「一時的な努力」 | 「気分」 |
変化しにくい | 「(継続的な)」努力 | 「能力」 |
内的要因に帰属するメリットとしては、
- 成功したときの喜びが大きい
- 達成感を得やすい
- 気持ちが前向きになりやすい
など、これらの「おかげで」達成できたと感じられることで、「次も頑張ってみよう!」という達成欲求を持ちやすくなります。
一方デメリットとしては
- 自責の念が強くなる
- 失敗した時の落ち込みが大きい
- 学習性無力感になりやすい
など、これらの「せい」で達成できなかったと感じてしまうことで、モチベーションの低下に繋がりやすいことです。
ですので、上手くいった時には
- 能力
- 努力
- 気分
などの内的要因を評価すると、行動意欲が高まりやすいです。
上手くいかなかった時の声掛けに使ってもらうことも出来るかと思います。
- 結果は残念だったけど、出来る限りの努力はしていたよね (努力を肯定)
- ◯◯は残念だったけど、 ◇◇の所は最後まで頑張っていたよね (出来ていた所にフォーカス)
- 以前の◯◯の時は、こんな風に頑張っていたよね (過去の成功体験)
などなど、まだまだたくさん出てくると思いますので一緒に考えてみましょう。
次回は、「上手くいかなかった時」の声掛けにも関わってくる「外的要因」について、お伝えしたいと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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