【再掲載】不登校から1か月の時に知るべき情報とは?~私立中学校・高校生編~
【多くの皆様にお読みいただいた過去のブログを再掲載いたします。 このブログは、2020年2月12日に公開された投稿となります。】
皆さん、こんにちは。不登校支援センター横浜支部の庄子です。
年が明けてから1か月が経ちましたね。
今年は記録的な暖冬の為、冬らしい冬と感じないため、戸惑われている方が多くいらっしゃると思いますが、皆さんの地域では如何お過ごしでしょうか?
さて、前回のブログでは高校生の子どもが休み明けに不登校になった場合の対応についてお話させて頂きました。
今回のブログではその続きでもあり、私立中学校においての不登校にも焦点を当て、『私立中学・高校生の不登校が中長期化した場合の親御さんへお伝えしたいこと』をお話したいと思います。
学校の考え方(方針)を必ず確認しましょう!
公立/私立では大きく進級の基準は違いますし、公立と言っても学校ごとに条件が変わるのが高校です。また、私立中学校でも学校によっては「進学は出来る」学校もあれば、場合によっては進学が出来ない学校もあります。
高校生の不登校は時間との勝負です。
「本人のやる気を待つ」ことや「心の充電が終わるのを待つ」ではどこまで待てば良いか分かりません。
そして、学校は責任を取ってくれません。さらに、今の日本の教育制度では復学に向けての不登校の子どもへの対応は確立しておらず、最終的に責任を取るのは保護者の方々になります。
だからこそ、子どもが動かない場合、その期間に保護者の方がどう早く動くかで、子どもへ正確に情報を伝えることができ、具体的に復学に向けての行動や計画をスムーズに考え・立てることが出来ます。
そこで一番大切になる情報は「学校の考え方(方針)を確認する」ことです。
学校の考え方によって、学校として不登校の子どもに対して何が出来て、何が出来ないかがはっきり分かります。
その上で、保護者の方の心構えや具体的な動き方が大幅に変わり、「今何をするべきか」が整理できます。
ではここからは、今何をするべきかを整理する上での大切な項目をお伝え致します。
子どもの動き出しをスムーズにする為に抑えておきたい3つの学校への確認
学校の考え方を確認した上で、子どもが学校に行けるようになる為に保護者の方に確認して頂きたい3つのことがあります。その3つとは
①学校として協力してくれることは何か?
②教科毎の欠席状況
③留年確定までの教科毎の残り時間数の確認
です。
子どもが学校に戻りたい気持ちがある場合、この3つを確認することが子どもの復学に向けての最低限の情報になります。
そして、この情報をどう使うかが次に必要となります。
ブログ「学校に行かない子どもをいつまで待てば良いの?そんな状況のご家庭へお伝えしたいこと」でもお伝えしましたが、具体的な動き方や目標を示す中で、「何をすることが出来るのか?」を一緒に考えて行くことが必要です。
そのため安易な「学校行かないと退学だよ」や「取り敢えず、学校に行こう」等の声掛けは、子どもが動くための目的にはなりません。
具体的な情報をしっかり押さえる中で、子どもの気持ちを汲む体制が必要となります。
①学校として協力してくれることの代表例は「家庭訪問」です。
学校として協力してくれることは様々あると思います。
- 自宅へ電話を掛けてもらう
- 学校での面談の設定
などが挙げられます。しかし、不登校状態が中長期化している子どもにとって、学校関係者と関わることがとても億劫になりやすいため、避けられることが出来るものだと避けてしまう傾向にあります。
そこで、効果的な取り組みの1つとして「家庭訪問」をお願いすることが挙げられます。
文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」の中にも、「5 家庭訪問を通じた児童生徒への積極的支援や家庭への適切な働き掛け」という文言がある様に、適切な働き掛けの手段として家庭訪問が効果的であると書いてあり、学校側からのアプローチは不登校の子どもに有効的です。(ただし、子どもの性格やタイプ、時と場合、先生との相性などにも関係します)
その中でも、家庭訪問は子どもが学校に足を向けるための目的づくりに的確だと言えます。
特に、全く学校に行くことが出来ない子どもにとって、学校のことがどんどん分からなくなる中、学校の情報を与える人がとても大切になります。生徒からよりも、先生から生徒へ伝えた方が的確に伝えられる傾向にあります。
良くこの提案を保護者の方にすると、「私立の高校生(中学生)に対しては家庭訪問しませんよね?」と驚かれながら聴き返されることが良くあります。実際、学校によっては行ってくれる場合もありますので、是非、担任の先生に聞いてみて下さい。
もし、家庭訪問が出来ない場合でも、学校側としてどのようなサポートが出来るかを聴いておきましょう。
②教科毎の欠席状況 ③留年確定までの教科毎の残り時間数の確認
次に、②子どもの教科毎の欠席状況、③留年確定までの教科毎の残り時間数の確認です。
先程もお伝えしましたが、私立中学校と高校は各学校によって進級・進学条件が異なります。
実施授業数の1/3以上の欠席で留年になる場合もあれば完全授業数の1/3以上で留年になる場合もあります。他にも試験の結果や遅刻・早退など何を基準にしているかでどれだけの猶予が残されているか分かりません。その為、「どの授業がどれだけ欠席しているか?」を知ることで残りの猶予がはっきりします。
(※「実施授業数」は実際に学校で実施した授業数、「完全授業数」は学校行事等で授業が無くなることを考えず試算された年間授業数を表しています。その為、「実施授業数/完全授業数」の関係になる為、完全授業数で比較している学校の方が留年になりにくいと言えます。)
また、本来はいくつか単位を落としても大丈夫なように多めに単位取得させる仕組みになっております。しかし、学校によっては「卒業・進級するためには1単位も落としてはいけない」と定めている学校もあります。
この2つの確認事項は学校から積極的に出されるものではありません。いよいよ留年が決まる段階で「実はそろそろ進級が危ない」と言い出すことが良くあります。すると、親御さんも子どもも焦り出してしまい、何から手を付けるべきか分からない状況に陥ってしまいます。
何故、学校側は進級が危なくなるまで言い出さない傾向にあるのでしょうか?
それは「取り敢えず、本人が学校に行きたくなるまで待ちましょう(心のエネルギーが溜まるまで待ちましょう)」という考え方が不登校の子どもの対応として一般的になってしまった為です。
この方法は「ストレスを与えず、落ち着くまで待つ」考え方である為、非常に時間が掛かります。
小学校や公立中学校の場合は留年制度が特例以外ない為、時間を使えば有効的な手段の一つになる時もあります。
しかし、私立中学校や高校では学校独自の進級条件がある為、時間を費やすこの方法は有効的であるとは言えません。
つまり、学校に復学する際に必要な情報を集める中で、
「現状を適切に把握する中で、どの科目がいつまで大丈夫なのか」
を見極める必要があります。
情報を制することで出来ることが必ずあります!
高校生の進級・卒業は時間との勝負です。時間が経てば経つほど復学が難しくなります。
私たち、不登校支援センターでは豊富な知識とデータで子どもの性格を把握する中でその子どもに合った復学の方法を提案させて頂いております。
その為にも、学校・家庭・地域が連携する中に専門家を入れることでより正確にアプローチをすることが出来ます。
3つの機関がバラバラに対応しても実になりにくいですが、1つになることで子どもが安心して社会に出られるようになります。そのお手伝いを私達 不登校支援センターもお手伝いできれば幸いです。
ここまでお読みになった上で、気になることがございましたら、是非、初回面談にお越し下さい。
心よりお待ちしております。
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