不登校でも学校の行事ごとだけ参加していいの?
こんにちは。不登校支援センター大阪支部の佐久真です。
今日はカウンセリングでよくご相談頂く
「不登校で普段学校に行けていない子を行事ごとだけ参加させてよいのか?」
という内容についてお話ししたいと思います。
中学校1年生Aくんのお話
Aくんは、中1の夏休み明けから学校に行きにくくなりました。
親御さんに言う学校にいけない理由は、
- 授業がつまらない
- 気の合わないクラスメートがいる
- 毎日行くと疲れる
というようなものでした。
不登校支援センターに来られるまでに、親御さんは学校の先生に相談しながらAくんが行こうと思う時に教室登校に連れていくなどのトライを続けておられたようですが、
だんだん行く回数がへり夏休み明けには全く行けなくなった時点で、 不登校支援センターにご相談に来られました。
ご相談いただく中で、
「教室には行きたがらないが、遠足や運動会など楽しいイベントは小学生の時から好きで、今もそれには出たがるんです」
と話されており、親御さんとしては
「行事ごとのような、好きな事だけ参加するのはどうなんでしょう?」
と困っておられました。
親御さんは他の子どもは毎日教室で勉強して、やりたくないことも頑張ってやっているのに、うちの子だけ好きな事だけするのは、ちょっと違うのではないか?
それをさせることは、
ただ甘やかしているだけにならないか?
と、どう対応したらよいのか分からなくなっておられるご様子でした。
現在のことも、過去のことも合わせてお話し頂く大切さ
よくお話を聴いていくと、
Aくんにとって秋の運動会は中学に入って初めてであり、小学校時代、運動会が大好きだったとのことでした。
お話しながら運動会というイベントは、
親御さんに「頑張ったね!」と褒めてもらえるような機会であり、
親御さんが見に来てくれて運動場でお弁当を食べたり特別に楽しい雰囲気がありますよね、
というような話になると、
親御さんが 「私は運動会そのものや、参加することで生徒がどう思うかばかり考えていたが、あの子は運動会が好きで、親に褒めてもらえるのが楽しみだったのかもしれないですね・・・」
と回顧されて、そこからこれまでのことを振り返って行事ごとだけ参加するお子さんに、
カウンセリング内で別視点を持つことが出来たと仰っていました。
カウンセリングでお聴きしたいこと
私達、不登校支援センターのカウンセリングでは、子どもは学校に行くことをピークと捉えるのではなく、
不登校の状態でも自分なりのトライをした日に、家に帰って親御さんにそこでの出来事をあれこれ話したり、褒めてもらえるような、夕方~夜にかけての時間を大切に捉えています。
家族団らんの雰囲気を大切にすると、子どもが朝学校に行くプレッシャーで起きて来ないことや、
親御さんと家でいる時に雰囲気が悪く部屋に引きこもりがちになったりというようなことが減ることがあります。
そのような、不登校支援の考え方は、一日をどのように過ごすのかを考えながら、子どもの状態と段階に合わせた適切な支援計画を立てつつも、
それを親御さん主導で進めるのではなく、
子どもが 「やってみたいな、出来たら褒めてくれるかな?」
と感じられるような雰囲気で進めることが大切だと考えています。
細かな支援計画にはカウンセラーなど心理職を介入させ、まず子どもの状態を見極めてから無理のない支援計画をたてつつも、
カウンセリングでは前述のようなお話をしながら、いかに家の雰囲気を良くしていくかということをお話しすることが重要だと考えておりますので、
是非一度ご相談の際にはこのような視点でもお話しできればと思います。
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