想いが伝わる!親子の適切なコミュニケーションの取り方とは?②
こんにちは。不登校支援センターです。
こちらは過去記事となります。皆様の日々のかかわりのご参考になれば幸いです。
今回は、前回お話した親子のコミュニケーションのよくある例を用いて、代表的な自己表現の3つのタイプについて解説します。
親子でどんな自己表現のタイプをしているのかを把握することで、日々の話し合いに役立てることが出来ると思います。
自己表現の3つのタイプ
自己表現のタイプとして、
- 非主張的
- 攻撃的
- アサーティブ
の3つが挙げられます。
①非主張的(I‘m not OK, You are OK)
非主張的な自己表現の特徴として、
- 自分の気持ちを率直に表現しない
- 自分より相手を優先する
- 遠回し、遠慮がちなど、相手に真意が伝わりづらい
などがあります。
- 非主張的の例
親「小学校の時にお友達だった〇〇ちゃん、最近塾に通い始めたらしいよ。」
子<ふーん、そうなんだ~。>
親「あなたも、もうすぐ中3よね。」
子<そうだね(何が言いたいの…?)>
この例を見ると、おそらく、親御さんは子どもに「塾に通ってみたら?」「勉強したほうが良いよ」ということを伝えたいのですが、
真意が上手く伝わっていないため、子どもはなんとなく「勉強しなきゃいけない」ということは分かっていても、非主張的な会話の雰囲気に流されているため、「結局、何が言いたいのだろう?」と話がまとまらずに流れています。
非主張的になる背景として、
- 言い争いをしたくない
- 嫌われたくない
- 察して欲しい
- 自己犠牲の気持ちが強い
- 相手との力の差を感じている
- 自己評価が低く自信を持てない
などがあります。
②攻撃的(I’m OK, You are not OK)
攻撃的な特徴として、
- 自己主張はできているが、相手の気持ちを考慮しない
- 相手を思い通りにしようとする
- ついついきつい口調になってしまう
などがあります。
- 攻撃的の例
親「もうすぐ受験生なのになんでこんなに遅くまでゲームをしているの!?ちゃんと勉強はしているの!?受験のことはちゃんと考えているの!?」
子<仕方ないでしょ!!友達に誘われたんだから!!!!>
親「こんなんじゃいつまでたっても勉強しないでしょ!!!!!」
子<うるさいから黙ってて!!!!>
この例を見ると、自分の不満を相手にぶつけて、相手も不満をぶつけている状態と言うことが分かります。
「自分の主張を相手に理解してもらいたい」という気持ちが強く出過ぎて、ついつい強い口調で伝えてしまうということがあるかもしれません。
例でも分かるように、攻撃的な伝え方をすると、どんどん口喧嘩がエスカレートしていきます。
攻撃的になる背景として、
- 相手より優位に立ちたい
- 自分の考えを受け入れて欲しい(受け入れてもらえないことが怖い)
- 自分の考えが正しい(「こうあるべきだ!」という考えが強い)
- まじめで責任感が強い
- 自分の弱さを認めるのが怖い(相手の意見を素直に受け入れられない)
- 忙しくて気持ちを落ち着ける余裕がない
などがあります。
- 非主張的&攻撃的なコミュニケーションの例
親「ねえ、どうしてずっと何も言わないの?何か言ってくれないと分からないよ。」
子<・・・・・・・・・・・・>
親「黙ってもお母さんは何も分からないよ。どうしてずっと黙るの?」
子<・・・・・・・・・・・・>
この例を見ると、はじめの発言は攻撃的ではないですが、それに対して相手が何も言わないとだんだんと攻撃的になります。
攻撃的な主張をしている側は「自分は考えを述べているのに相手は何も言ってこない」と思っています。一方で黙っている方は「相手が攻撃的だから何も言えないんだよ…」というように感じています。
また、黙っていることで攻撃しているとも捉えられます。
③アサーティブ(I’m OK, You are OK)
アサーティブの特徴として
- 相手の主張も自分の主張も大切にする
- 自分の気持ちを率直に表現する
- 自分の弱さを認めて表現する
- 相手の気持ちや考えを「きく」ことを大切にする
などがあります。
- アサーティブなコミュニケーションの例
「塾に行ったほうが勉強も捗ると考えているんだけど、〇〇はどう思っているかな?〇〇の考えを伝えてくれると嬉しいな。」
「今しんどくてなかなか気持ちを伝えれないと思うんだけど、何かあったら話聴くからその時は伝えてくれると嬉しいな。」
アサーティブなコミュニケーションは、自分の考えを率直に伝えながら、相手がどう思っているのか確認をしています。
アサーティブなコミュニケーションができるようになると
- 自分の意見を我慢せずに相手に適切に伝えられるようになる
- 相手と自分両方を大切にできる
- 相手と意見が違っても歩み寄ることができる
など、相手も自分も気持ちの良いコミュニケーションがとれるようになります。
仕事など、家族以外の他者とのコミュニケーションでは意外とアサーティブなコミュニケーションが出来ている方でも、気の許せる家族とのコミュニケーションでは自由な自己表現をしすぎてしまうということは決して珍しいことではありません。
アサーティブなコミュニケーションは親子のコミュニケーションだけではなく、夫婦のコミュニケーションや友人とのコミュニケーションなどにも利用できます。
アサーティブなコミュニケーションが常に正しいわけではない
アサーティブなコミュニケーションをどのような状況においても常に正しいコミュニケーションという訳ではありません。
状況やシチュエーションによっては非主張的であったり攻撃的なコミュニケーションになることもあるかと思いますし、アサーティブなコミュニケーションが出来ていない自分を責める必要はありません。
アサーティブなコミュニケーションは、相手の気持ちを理解したい、自分の考えを上手に伝えたい場合に効果的なコミュニケーションですので、そのような状況で相手と上手くコミュニケーションを取りたい場合に、是非取り入れてみてはいかがでしょうか。
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