夏休み明けの不登校支援カウンセリングの実例【A君の場合】
こんにちは。不登校支援センター大阪支部の佐久真です。
今日は普段カウンセリングをしていて感じる事をお話ししたいと思います。
夏休み明けの不登校支援カウンセリングの実例【A君の場合】
9月に入り、2学期が始まりましたが、緊急事態宣言が続き、私が担当しているクライアントも
様々な学年がいますので、学校が休校になったり、オンライン授業に切り替えられたりと様々な
影響を受けながら頑張っていました。
その中で、クラスに新型コロナウイルスの感染者が出た場合、1週間位を目安にそのクラスのみ休校という措置をとることがあり、このことが2学期からの再登校を目指して話し合ってきた子に対して、調子を落とすことになった事例をお話ししたいと思います。
◎~中学校3年生のAくん~◎
中学校2年生の9月から学校に行きづらくなり、3学期には全く登校できない状態で初めてカウンセリングに来てくれました。
その時からAくんは「3年生になったら学校に行きたい」とも話しておりました
カウンセリングの中で私が受けた印象としては、非常にAくんは考え方やこだわりがしっかりしていて、自分が立てた通りの計画をその通り実行したいという思いが強いのだろうと感じておりました。
ただ「行きたいけど、いけない、、。」という強い葛藤も抱えており、本人の言葉通り3年生の
頭からと言う区切りの良いタイミングでどのぐらい登校するのかは、少し冷静に考えなければ
いけない部分があり、私からのそのような意見を伝えたところ、柔軟に聞いてもらいながら
Aくんは自分が学校に行けない状況に向き合ってきました。
3年生進級後
結果的には3年生に上がったタイミングでは、まず1学期からは別室登校を始め、学校のある時間に週に2、3回、滞在時間1時間から2時間位を目安に、まず今遅れている不安な科目の勉強や課題を、教科担任の先生方のお力を借りながら補っていく事を頑張っていきました。
その頑張る中でAくんが「何より大変だった」というのが1人で家を出ると言うことです。
普段から不登校支援をしていて、親御さんがもしくは学校の先生や私たちカウンセラーなどが、
登校刺激などの促しかけなどによってその子が登校できたとしても、その登校は長く続かない
のでは・・・と普段から感じることがあります。
Aくん自身に
「自分はどうなりたいか?そのためにはいつからどのように動くべきか?」
ということをしっかりと考え、自分が納得した上で”動ける日に動く”とことを大事にしてもらい
トライを続けてもらいました。
親御さんは共働きで、朝Aくんより先にお家を出られるのですが、その後にひとりで時間を見ながら荷物を準備し、制服に着替えて、戸締りをして家を出発する、というルーティーンをこなし、
家を出ること、「その気持ちを作ることが1番大変だった」と話していました。
それによって1学期は行ける日、行けない日がありましたが、最初から毎日通うことを目標とするのではなく、5日のうち今日は頑張ってみようと思う日を何日ぐらいもつことができるのかということを、毎日朝Aくん自身が向き合うという形をとりました。
おそらく最初から月から金まで毎日頑張ろうというやり方では、1日も行けなかったんじゃないかと話していました。
5日間を自由に自分の判断で使っていいと裁量権をAくん自身に持ってもらい、親御さんはそれを
見守って、考えていることや実際にとった行動についてしっかりと承認し、労いの言葉をかけて
もらい、Aくん自身が今日は行こうと思う日をしっかりと尊重してもらうことで、実際にAくんは、できた日が成功体験として積み重なり、「僕はできた!僕がやれた!僕が考えた!」と思えるような自信をつけることができたように思います。
そのような頑張りを1学期続け、2学期に入るタイミングでは再度Aくんは、もともと3年生の頭から希望していた「毎日学校に通い、教室に行きたい」という希望を再び望むようになったのですが…
始業式が8月25日から1週間ずれてスタート
立ち上がりがずれて、リズムを作りづらかったことかと思います。
その後、9月に入ってもオンライン授業が半分ぐらいあり、加えてAくんのクラスが感染者が出た
ことでクラス休校になったことから、Aくんはそれまで続けていた練習と、気持ちをキープすることが難しくなってしまいました。
気持ちが途切れてしまうと、前に言っていた家から1人で出る気持ちを作ることが大変…という
気持ちがまた戻ってきてしまいますので、冷静になって話し合い、Aくん自身が行けなかったのではなく学校自体がないのだから、そのような休みなのだとしっかりと受け止めて、どのように使うのか、そのことを踏まえてカウンセリングで話し合いを続けました。
クラス休校で少し調子は崩しましたが、今はまだ別室登校週3日と滞在時間1、2時間というトライを続けております。
教室登校や、毎日の5日登校にこだわり過ぎることなく、今までAくんがやってきたトライを尊重
する気持ちを持ち、イレギュラーな事態に対して今まで頑張ってきたことをまず続けることが
一番必要なことだと、Aくん自身も納得した上で今も続けています。
学校は、
休校になったり、長期休みがあったり、クラスの雰囲気が悪い時期もあったりと、
いろんなことが起こる場所ではありますが、その時の捉え方も合わせてカウンセリングで話し合うことで、Aくんに対してはこれから先、卒業してからも同じようなことが起こることを見据えて、先々の不安を早めに話しておくことで不安を感じすぎないように準備ができる力をつけて欲しいと思っています。
最後に
今日は開示許可をいただいたご家庭の話を紹介しましたが、
カウンセリングでどんな話をするんだろう?何をするんだろう?
とお悩みの方ががいらっしゃいましたら、このようなたくさんの実例が不登校支援センターには
ありますので、初回無料面談に一度お越しください。
今のご家庭の状況を聞かせていただく中で、我々がどのような支援をお手伝いできるのかということをお話し合いできればと思いますので、まずは一度お話しをお聞かせ頂ければと思います。
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