コロナ禍における【不登校の罪悪感】が高まる心理とは?
こんにちは。不登校支援センター大阪支部の佐久真です。
今日は、今年の夏のお盆休み明けからのカウンセリングを担当していて感じる、不登校にて抱える【罪悪感】という心理に、変化が生じていることに着目してみたいと思います。
不登校状態において、子どもの罪悪感は高い?低い?
不登校支援センターでは、不登校を6つの段階にわけて客観的な状態を見立てることがあります。
まず、その中にある二つの段階をご紹介します。
①本格的
本格期の子どもはもうほとんど学校に行っていません。
子どもの中にある、
「理性(学校に行かないといけない)」と
「本能(学校に行きたくない)」
のギャップが大きくありますので、罪悪感や自己嫌悪感を要因とした強い葛藤が生じており、身動きがとれないでいる段階です。
②安定期
安定期は本格期と同様に、子どもはほとんど学校に行っていません。
しかし、本格期とは深層心理の状態が大きく異なっています。子どもは、学校に行っていないことに対する罪悪感や自己嫌悪感をほとんど持っておらず、学校に行かないことに納得していたり、行かない行動を取っている自分に満足していたりします。
子どもが学校に行かないことに安定している段階ですので、不登校の6段階において最もよくない段階であると言えます。
上記をご覧いただいてもお分かりいただけるように、不登校という学校に行かないストレスへの対処行動を取る子達は、罪悪感を抱えている方がまだ葛藤を引き起こして”悩み・困っている”
という気持ちを抱えていることがあります。
しかし、安定期になるとこの”悩み・困っている”という気持ちが薄れ、罪悪感を感じなくなっていくことが傾向としてあります。
コロナ過によって、罪悪感が高まる傾向も考えられます
しかし、この夏休み明けのカウンセリングで、数名の子どもから罪悪感が高まっているというような発言があったのです。
実際どのようなことを話しているのかはここで書くことはできませんが、コロナウィルスの何度も起こる感染再拡大や、お盆休みに長く続いた雨による様々な影響を、ネットやテレビを通じて目にし、様々な気持ちを抱えたようで、まずはそのような気持ちをカウンセリングで吐き出し、カウンセラーに共有しにきてくれました。
その気持ちに加えて、始業式直前となり、それぞれの状況において学校再開はプレッシャーのかかるタイミングとなり得ることもありますので、これまでの夏休み明けのような
「あ~また学校が始まるのか~嫌だな~・・・」
というような、誰でも当たり前に感じるこの気持ちを、「どうなんだろう?」と思う子がいます。
「学校に行きたくても行けない人がいるのに、自分がそう思うのはどうなんだろう…」
そのようなことを想像して、罪悪感が高まっている子が潜在的に多いのではないかと想像しています。
そのような子どもの感情にまず気付くことが大切
カウンセリングでは、気持ちをまず一人で抱えず、かつ家族や友達、先生という近い存在の人には言いにくいような気持ちがあるならば、カウンセラーに話してみることを勧めています。
ここでは、上記で例えたような罪悪感の感情は ”あったほうがよい” ”考えなくて良い” 等、
どちらのほうがいいということを言いたいわけではありません。
しかし、不登校という状況に加えて、コロナ禍や自然災害によって子ども達の心は疲弊し、思い詰めて考えてしまう子がいることもまた事実です。
夏休み明けは、何らかの行動の変化や、子どもの頑張る気持ちを期待するお気持ちが高まる方も
多いですが、昨年から続く今年の特殊な状況下で、子ども達の心情にこのような変化が生じてきていることも知っていただきたいと思いましたので、ここに書かせてもらいました。
私たちカウンセラーの役割として、大人も子どももこの状況下で生きるにあたってメンタルヘルス(心の健康)は合わせて考えるべき重要なテーマだと考えますので、不登校やそれに付随する様々な状況でお困り、お悩みのかたは、一度お話を・お気持ちをお聴かせいただければと思います。
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