お悩み解決「一問一答」不登校解決現場レポート

【理論解説】不登校状態に有効な親の関わり方(役割)とは?

こんにちは。
不登校支援センター 横浜支部の安則芳郎です。

夏休み明け、9月という月は不登校になる子が非常に多い時期です。

長期休暇明けの急激な変化は多くの子どもたちにストレスをもたらし、
そして学校をお休みすることになると勉強の遅れやコミュニケーションの機会が減るため、
だんだんと自信を失っていってしまう子が増えてきます。

この時期、親御さんたちからも多くのご相談を頂くのですが、
特に「どのように関わってあげたら良いか?」という内容をよくお聴きします。

わが子の事を思って親御さんとして担う役割について頭を抱えられる事は多いと思いますし、
そこには計り知れない程の大変な苦労があるかと思っております。
私たちカウンセラーとしても最大限のサポートをさせていただきたいと思うばかりです。

今日はそんな親御さんに、お家でどのような役割を担って頂くのが良いかを
オーストリア出身の精神科医、ハインツ・コフート(Heinz Kohut, 1913年5月3日 – 1981年10月8日)
の理論をもとに考えていきたいと思います。

コフートは「誰もが他者に対して3つの役割を求めている」としており、
そしてその求められていること(ニーズ)を満たしてあげることで相手は元気になっていくと考えます。

今回はこの3つの役割について、ご紹介していきましょう。

①僕、私のことをわかってくれる存在

1つ目に「鏡映自己対象」と呼ばれる

‟この人だけは僕、私のことをわかってくれている”
‟自分の認めてほしい部分を認めてくれる”

という役割です。

例えば、勉強が良くできる子であったとしても、
実はその子が「勉強の事よりも運動が出来ることを認めてもらいたいんだよな」
と思っているとしたら、いくら勉強のことについて褒めてあげても
なかなかその子のニーズを満たしてあげることが出来ません。

子どもは何を認めてほしいと思っているでしょうか?

それをじっくり観察し、認めてもらいたい部分を認めてあげることで
「お母さん(お父さん)だけは、自分の事をわかってくれている」と
感じさせてあげることが重要であるとコフートは言います。

②頼りになる、こうなりたいと思える存在

2つ目に「理想化自己対象」と呼ばれるものですが、これは

‟この人に任せておけばうまくいく、頼りになる”
‟この人のようになりたい”

と思わせるような役割です。

例えば部屋の電球が切れた時、自分ではやり方が分からない。
けれど経験豊富な親御さんがさらっと電球を変える姿を見て、
「お母さん(お父さん)すごいな」「頼りになるな」と思われることで
モチベーションを高める子は多いのです。

勉強のやり方にしても、コミュニケーションの取り方にしても
親御さんがお手本のようになってあげることで、
あたかも自分も出来る子になったような気持ちにさせてあげることが
大切なことと言えるでしょう。

③自分とよく似た存在

最後に「双子自己対象」と呼ばれるものですが、これは

‟あ、自分と同じような気持ちになってくれているんだ”
‟なんだか自分と似ている、親近感が沸く”

という感覚になる対象です。

多くの人が経験していると思いますが、見ず知らずの初めて出会った人であっても
共通の趣味・嗜好があったり、自分と似たような経験をしていたりする人と出会うと
どこか親近感を持ち、そして安心できることにつながっていくことと思います。

「お母さん(お父さん)も実はこれが好きでね」とか
「昔はこういう事で悩みを抱えていてね」など

を伝えてあげることで生まれる一体感についても大切にしていきたい所ですね。

最後に

以上、コフートのいう人が求める3つの「心理ニーズ」、
そして親御さんに担って頂きたい役割を挙げていきました。

シンプルに感じられる部分もあるかと思いますが
実践するとなると実はとても難しく苦労されることもあるかと思います。

コフートは大前提として「共感」の大切さも説いています。

考えてみると当然なのですが、共感することなしに先に挙げた
3つのニーズに応えていく役割を担うことは出来ないですよね。

  • この子は何を求めているんだろう?
  • どうやって役割を担って心を満たしてあげよう?

と相手の立場に立って考える共感力は実はこの役割を担う上での
必須の力となってくることでしょう。

私たちもカウンセリングの中で、子どもたちに共感し「心理ニーズ」を
満たしていく役割を担えればと思っております。

そして時に心理テストなども用いて、その子の特徴を捉えていくことを実施していきます。

これからも親御さんと協力しながら、不登校の支援をしていきたいと思っておりますので
何かありましたらお気軽にご連絡をしてくださいね。

本日は以上になります。最後までお読みいただきありがとうございました。

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