【学校の先生に伝えて欲しい・伝えたいこと】目から鱗!不登校専門カウンセラーが伝える不登校生徒の夏休み明け対策と対応について①
皆さん、こんにちは。不登校支援センター 横浜支部の庄子です。
今年も暑い夏が到来しましたが、皆様如何お過ごしでしょうか?
オリンピック・パラリンピックが閉幕し、未来の子ども達にとって、夢と希望を送り届けた中、夏休みが明けましたね。
そして、この暑い夏も生徒の為に大変な研修を行って頂きありがとうございました。
先生方の陰ながらの訓練は必ず意味のあるものだと実感しております。
さて、本日は学校の先生が戦々恐々としている、夏休み明けの不登校生徒に対しての対策と対応について第一弾をお伝えしたいと思います。
夏季研修の中でも「不登校児童への対応と対策」は取り扱われていると思いますが、より質の高い情報をお伝えさせて頂きます。
夏休み明けは先生達も緊張している?!
夏休み明けになると、親御さんもそうですが、実は先生達も緊張感が強くなる傾向にあります。それは長期休み明けに不登校児童が急増する可能性が高くなることです。
実際、9月1日になると子どもの為の相談ダイヤルのアナウンスがメディアを通して多く発信されますし、過去に私達不登校支援センターもメディアに出演させて頂き、不登校児童に対してのコメントやインタビューをさせて頂きました。
事実、夏休み明けの生徒の動向を注視する必要がある為、先生達は緊張感が強まる傾向にあります。
どうして夏休み明けは不登校が増えるのか?
では、何故、夏休み明けは不登校生徒が増える傾向にあるのでしょうか?
例えば、この様な生徒が居るとします。
中学校1年生のA君は1学期、学級委員長をしていました。最初は順調に学校生活をしており、部活動は吹奏楽部、成績は中間くらいでした。
成績に関して、これからのことを考えるともう少しレベルアップを図る必要があると思い、GW明けから塾に通い出しました。
吹奏楽部の練習は朝練があり、ほぼ毎日部活、部活後に塾に通う生活を送る毎日になる中で、成績がクラスで10位以内になりました。
そして、夏休みに突入し、部活と夏期講習の毎日に突入しました。
その中で、親御さんから見てもA君が徐々に疲れを見せているのが分かる状態で、「休むことも大切だよ」と言ったものの、「勉強が遅れるのが怖い」「部活が遅れるのが怖い」と言い、続けました。
仲間関係も成績も問題は無かったのですが、A君はとうとう、夏休みが明けて始業式の次の日から学校を休むようになり、10月からは完全に不登校になりました。
実はこの様な生徒のケースは私達不登校支援センターにとっては珍しくありません。何故、この様に真面目な生徒で責任感もある子どもが不登校になってしまうのでしょうか?
それはストレスのキャパシティの問題となります。
ストレスのキャパシティーは人それぞれであり、頑張れる子どもも居れば頑張れない子どもいます。大人でもそうです。
A君にとって、部活・勉強・塾・学級委員の両立はかなりハードなものだったと思います。しかし、A君は自分の意思で行っていましたし、「本人が言うのならば」と親御さんも信じて送り届けたと思います。A君としては当事者ですので、一生懸命に頑張っている最中であり、自分のことを振り返る余裕は無かったと思います。
また、真面目な性格であるからこそ、「やらなければいけない」という思いもあり、「皆から遅れる怖さ」もあったことで、ブレーキを掛けることが出来なかったと言えます。
結果的に、ブレーキを掛けることが出来ず、壁にぶつかってしまい、それで止まった状態になってしまったと言えます。この状態から直ぐに動き出すことは難しいと言えます。
スモールステップを意識した復学計画を目指しましょう!
先程もお話しましたが、止まった状態からもう一度一歩踏み出し、復学を目指して行く際に必要なことは「スモールステップ」になります。
その生徒の状態を確認する中で、ペース配分を考えた上で、的確な生徒指導を行う事が大切になります。
その上で、注意しなければならないのが「動かないこと」です。
インターネットで「不登校」のことを検索すると、「心の充電期間」や「今は休む時」、「ストレスを与えない時期」と書かれている記事を良く見ると思います。
確かに、時と場合によって「休ませること」は必要となりますが、全ての状態に当てはまる訳ではありません。
その為、目的が無い状態で「休ませること」は良くなく、むしろ不登校を長期化させてしまう場合があります。
そして、長く休むだけでその子ども達が社会復帰出来ているのならば、引きこもりや不登校は確実に減っていると思います。
私達、不登校支援センターではこれまで15万件以上のカウンセリングを行って参りましたが、来談される方の中には「心の充電期間」や「今は休む時」、「ストレスを与えない時期」と言われて改善されず困って来た方も多くいらっしゃいます。
つまり、スモールステップの考え方を用いることで大切なことは「その子にあったストレス」を見付けて行くことになります。
夏休み明けがより良い時期になることを願って
如何だったでしょうか?夏休み明けの生徒の例を踏まえた上で、不登校の仕組みをお伝えさせて頂きました。
夏休み明けは本当に先生にとってもストレスだと思います。この不登校の問題は担任の先生お一人で解決するのでは無く、学年・学校全体で取り組んで頂きたいと思いますし、是非ブログの内容を先生方と共有して頂く中で、不登校児童への対応をお願い出来れば有難いです。
次回は不登校生徒の夏休み明け対策の2本目をお話したいと思います。
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皆様のご連絡を心よりお待ちしていおります。
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