久しぶりに登校する時に注意したいこと~約束を守る大切さ~
こんにちは。
不登校支援センター名古屋支部の桒原航大(くわばらこうだい)です。
新学期も始まり、しばらく経ちました。お子さんの様子はいかがでしょうか。
今の時期は一年の中でもご相談を多くいただく時期ですので、学校に行くことにストレスを強く感じる子も多くいるでしょう。
そうした場合は、無理に登校を促してしまうと登校への抵抗感がさらに強くなってしまう可能性があるため、一度心の休息をとることも大切です。
また一方で、心に余裕が出てきたり、登校への意欲が出てきているお子さんもいるでしょう。
本日のブログでは、お子さんが久しぶりに登校する際に周りが注意したいことを紹介したいと思います。
久しぶりに登校する際に注意したいこと
結論からお伝えすると、これは「周りが約束を守る」ということになります。
どういうことかというと、お子さんが久しぶりに登校するとき、多くの場合はいきなり朝からすべての授業を出るわけではありません。
- 〇〇の授業から出てみる
- 〇時間目だけ行ってみる
- 保健室で〇分過ごしてみる
など、その子が今チャレンジできそうと思えるところから、目標を決めて取り掛かることも多くあります。
「いきなりすべての授業を出るのはきついけれど、〇〇だけだったらできるかもしれない」
そのような思いをもって、緊張も抱えながら、学校に向かっていきます。
「せっかく登校できたんだから」という声掛けのリスク
学校に行きたい気持ちと不安な気持ちで葛藤をしていた子も、学校に入ると、まるでモードが切り替わったかのように、平気な様子で振る舞う子もいます。
周りの先生や生徒からすると、全く問題なさそうに過ごしているように見えるかもしれません。
実際、周りに笑顔も見せる子もいるでしょう。
そうした状況の中では、ついつい周りもよかれと思って、こんな声をかけがちになります。
「せっかく登校できたんだから、もう少しいてみよう。」
しかし、この言葉は、久しぶりに登校したお子さんにはあまりいい影響を与えないでしょう。
そもそもこうした状況では、優しい子ほど、空気が読める子ほど、断ることはできません。
内心ではきついと思っていても、無理をすることが多くなります。
また、たとえ断ることができたとしても、「周りからの提案を断って帰る」ことになりますので、
「目標を達成して帰る」ことよりも、お子さんが感じる達成感は低くなるかもしれません。
そして、次登校しようと思ったときに、「また目標よりも長くいることになるのではないか」という不安から、学校に行くことの抵抗感が増してしまうかもしれません。
約束を守ることで生まれる安心感、そして自信
久しぶりに登校するときは、当然いつもより多くの不安と緊張を子どもは抱えています。
だからこそ、周りも約束したことを約束通りにすることが子どもにとっての安心感へとつながり、
「できた」という経験の積み重ねが「これからやっていけるかも」という自信につながります。
人生には予期せぬことはつきものですが、久しぶりの登校で不安と緊張を抱えているタイミングに、あえてやらなくてもいいかもしれません。
学校と家とで様子が大きく異なる子や、優しい子、空気が読める子ほど、大切なポイントとなりますので、思い当たる方は参考にしてみてくださいね。
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