二学期の始まり~例年との違いから、お子さんの心情を考える~
こんにちは。
不登校支援センター東京支部の椎名愛理です。
9月になり、いよいよ二学期が始まりましたね。
夏休みが明けて二学期のスタートからお子さんが学校に通っていてほっとされている方。
なんとか登校しているけれど、様子が心配な方。
夏休み明けから学校をお休みするようになってご不安になられている方など、
それぞれの状況で、皆さん別々のお気持ちをお持ちの事と思います。
今日は二学期とはどのような時期なのか。また例年と異なる二学期にお子さんがどのような気持ちになりやすいのか、お話しようと思います。
長く、連休がない二学期
一学期、二学期、三学期の違いを考えると、まず思い当たるのが、その期間の長さではないでしょうか。
4月から7月(又は8月)を1学期、8月(又は9月)から12月を2学期、1月から3月と長期休みを境に一年を三つの期間に分ける方法が三学期制となります。
二学期は、一学期、三学期と比べると日数が長く、またカレンダーを見ても連休がないことがわかります。
皆さんも「あと〇日頑張れば、連休だ!」と、連休を目指して頑張ろう、という気持ちになることが在ると思います。しかし、二学期には忙しい中で少しは羽を休めることができる連休がないのです。
様々な行事が中止、延期となっている今年の二学期
公的な連休が無いだけではなく、今年の二学期は昨年と同様に本来開催される予定だった学校行事の多くが中止・延期を余儀なくされています。
- 運動会
- 文化祭
- 音楽会(合唱コンクール)
- 職業体験学習
- 校外学習
など、カウンセリングの中でも「先生、行事がなくなった」「延期になった…」という言葉をよく耳にします。
行事に向けて準備を進めていたお子さん、この行事を機にクラスに溶け込んでいこうと予定していたということもあるでしょう。
「せっかく進めていた準備が、全部無駄になった…もうやる気がでない」「行事を楽しみにしていたのに、学校にいくモチベ(モチベーション)がない」という気持ち持っているお子さんもとても増えているのが現状です。
休みがなく、行事がなくなると、気持ちはどうなるのか
このように、長く休みがなく、そして登校して授業を受ける日々の中に彩りを添える学校行事が延期・中止になると、お子さんたちはどのような気持ちになりやすいでしょうか。
先にもあげたように
- 楽しみにしていたことが無くなり(延期になり)ショック
- 頑張るモチベーションをもちにくい
- やる気がでない
- (延期になった行事も開催できるかわからず)先の見通しが立たなくて不安
など、漠然とした調子の悪さや将来に対しての不安・心配を感じやすくなります。
そしてこうした不安や不調が大きくなると、今目の前にあることに集中しにくくなったり、つい大切な予定を先送りにしたくなってしまったりということも。
そんな時、お子さんが欲しい言葉とは?
この二学期は、お子さんにとって気持ちの緩急がつきにくく、やる気や目的意識のコントロールが難しい時期ですね。
ではそうした時期に、お子さんはどのようなサポートや言葉を求めているでしょうか?
私たちは、つい今までの自分の経験から『問題(課題)を解決するための方法や手段』を伝えたくなるのではないでしょうか?
- 「やる気が出ない時でも、実際に行動をし始めるとやる気がでてくるよ」
- 「不安に思っていても、問題は解決しないからまずは行動してみよう」
など、お子さんの気持ちを思うからこそ、少しでも早く元気になってほしくてこのような『解決するための言葉』をかけたくなるかもしれません。
しかし実際にお子さんが求めているのは
- 「そうだね、せっかく準備していた行事だから延期になったのは悲しかったよね」
- 「先が見えないのは不安だね」
- 「行事からクラスに入ろうと思っていたんだもん、ショックだったよね」
などの『寄り添い』の言葉だったりするのです。
先が見えない不安は子どもも大人も変わりませんよね。そうした時だからこそ、今感じている心配や不安なこと、悲しい事などを「ただそのまま聴いてほしい」という気持ちが一番強いものです。
もしお子さんがこの二学期、不安や心配などの気持ちを伝えてきてくれることがありましたら、ぜひ『アドバイスは後で、まずは不安な気持ちに寄り添う』ことを意識してみてくださいね。
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