嬉しいご報告。④ ~変化と葛藤~
こんにちは。
不登校支援センター横浜支部カウンセラーの本沢裕太です。
東京2020オリンピックが、7月23日~8月8日まで開催されましたが、皆さんはどの様に楽しまれましたか?
私は、やはり日本人選手がどの様に活躍されるのか注目して観ておりましたが、たくさんの感動をもらいました。
「結果」だけ見てしまうとただの数字になってしまいますが、そこに至るまでには様々なドラマがあったと感じております。
選手の皆様に「お疲れ様でした」とお伝えしたいと思います。
そして、オリンピック関連で言えば、横浜支部は会場となった「横浜スタジアム」に近接している関係で、近隣の道路で一部通行止めが行われました。
その封鎖されている道路周辺や駅周辺では、開催日前から案内の方々が毎日立たれて、車両や通行人に丁寧に案内をされてました。
真夏日も雨の日も毎日です。
オリンピックの主役はもちろん選手だと思いますが、選手たちが安心して競技に集中できる、また最高のパフォーマンスが発揮できるのは、影で支えている方々の力が欠かせないな、という事を目の当たりにしたオリンピック期間でした。
関係者の方々にも「お疲れ様でした」とお伝えしたいです。
その後のA君・・・
さて前回までの振り返りですが、SNSで募集されていた法被作りのためのイラストに応募したA君。
少しずつ自分に合った高校探しも始めようとカウンセリングの中でも話をしておりました。
1つ大きなイベントをやり遂げた達成感からか、A君も具体的に希望を口にする様になります。
- 週5日はしんどい
- 友達と楽しく過ごしたい
- アルバイトもしてみたい
- 1時間前後なら通える
通信制高校の説明会もお母さんがA君を誘い続けた甲斐もあり、いくつか参加できたのでその中から好印象だった学校を選んでいきました。
そういった最中、違う変化も表れてきました。
担任の先生からの電話連絡に応答する様になり、A君自身が先生と話し、夏休みに登校練習をすることになったのです。
最初は1時間ほど滞在して帰るというペースで始めました。
それから少しずつ日数を増やしていき、慣れてきた頃には週3日登校する様になっていました。
体調の悪い日などもありましたが、自分で滞在時間を短くするなどの調整ができる様になっていたいました。
また、友達からの誘いにも久しぶりに応え、遊びに行くこともできました。
そういった変化に、A君からも自信を感じましたし、親御さんも喜んでいました。
そうすると自然と次のことが頭に浮かびます。
「新学期から登校できるのでは・・・」
A君からもそういった発言が出てきていましたし、内部進学は難しかったとはいえ親御さんも期待感を抱かれていました。
しかし、A君は夏休みが終わり通常授業になると、行かなくなってしまいます。
親御さんが「他の人に会うのが嫌なの?だったら無理しなくてもいいんじゃない?」と聞いても、「そういうわけじゃない。体調が悪いんだ。」と答えたそうです。
親御さんも気を落とされていましたし、期待してしまったことでプレッシャーを与えてしまったのではないかと反省されていました。
A君自身もその状況に、戸惑っていました。
頭では思っているのに、体が思うように動かない。
そんなショックもあったのでしょう。
家ではお母さんに、自分のやっているゲームを一緒にやらせたり、面白いと思った漫画を読む様に勧めたりと、スキンシップを求めてきました。
親御さんはA君の発信に応えつつ、ただどうしてもA君の発信してくるペースと親御さんの求めるペースとが違うことにやきもきしてしまうとのことで、その気持ちが不適切な形で表れないように、親御さん自身の楽しめることや、敢えて一人で外出したり、家の中でも別々の行動をする時間を意識して作る様にして対処されていました。
そうやって、A君の主体性を育てようとしていたのです。
続きは次回をお楽しみに。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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