お悩み解決「一問一答」中学生の不登校小学生の不登校高校生の不登校

復学後もカウンセリングを続ける理由~カウンセリングの意義とは何か~

こんにちは。

不登校支援センター東京支部の椎名愛理です。

本日は最初に皆さんに質問をしたいと思います。

「何のためにカウンセリングを受けようと思われましたか?」

皆さん今、何を言っているのかと思われたのではないでしょうか。

  • 子どもが不登校で、不登校の子供のサポート方法を知りたくて受けようと思った
  • 誰にも相談できないから、話を聴いてほしかった
  • 自分が今している対応が正しいか確認したい
  • 他の不登校の子供がどのような過程を経て変化していくのか、情報が欲しい

そのほかにも、皆さまそれぞれにカウンセリングを受ける意味や目的と言ったものがあるかと思います。

本日は、あるご家族とのカウンセリングについてお話をいたしますね。(こちらのご家族には情報を共有する許可をいただいております)

 

「息子のためのカウンセリング」から始まった対話

ご家族と私がお話を始めたのは、4年ほど前でした。当時、中学校受験をして、希望の学校に入ったAさんは夏休み前までとても楽しそうに学校に通っていたそうです。

しかし、夏休みが開けてから急に学校に行き渋るような様子を見せ始めました。

  • 朝起きてこない
  • ご飯を食べる量が減ってきた
  • 顔色が悪く、トイレに籠る時間が長くなった
  • 学校や友達に対してのネガティブな発言が増える

こうした小さな変化を察した親御さんは、二学期が始まって学校を休むようになったAさんに対して「休むほどの辛い事や、それだけしんどい思いをしているのだろう」と、Aさんの気持ちを想像しながら、カウンセリングにいらっしゃいました。

当初は「息子の気持ちを知りたい」「息子にどうしたら負担ない形で接することができるのか」と、カウンセリングの主な目的はAさんがどのように気持ち楽に生活するか、どのようにAさんが学校と関わっていくかというものでした。

復学後もカウンセリングを続けることを選択した目的とは?

その後のお話は割愛いたしますが、お父様お母様とも「息子の心情を理解しよう」「どのようにAに主体性を身に着けてもらいつつ、周囲の人と関わりを持ちながら生活することの大切をさ感じてもらえるか」などを丁寧に考えられておりました。

時に、Aさんがお父様お母様とぶつかることもありましたが、「Aさんのありのままを受け入れよう」「今できていることに焦点あてて接そう」とされていたご家族のサポートも大きく、Aさんはその後半年ほどで復学しました。

私たちカウンセラーとしては、復学後が最もストレスを感じやすく、お子さんの心情に変化が現れる時期ですので、復学をゴールとしてカウンセリングを終結させるのではなく、その後の経過をしっかりと観察することの大切さを親御さんにお伝えしていおります。

こちらのお父様お母様も、復学後半年ほどはAさんが「学校で自分なりに様々な出来事を乗り越えていけているかどうか」「気持ちをコントロールできているかの確認」のためにカウンセリングを継続されていました。

そして、中学を卒業し高校受験を経験。高校進学後も変わらないペースで登校しているAさんですが、こちらのご家族とは月に一度お話をしております。

そのお話の中で印象的だったお父様の言葉をご紹介いたしますね。

 

「最初はAのためにと思って始めたカウンセリングでした。Aが何を考えているか、どのようにサポートするのが親として正しいのか、そうしたことを知りたいという気持ちが一番大きかったと思います。でも今は、先生にAが元気でいる様子を報告することは勿論ですが、私自身の仕事の話や家族の中での小さないざこざを、ただ聴いてほしいという気持ちが大きいですね。」

お話をお伺いする過程でこのご家族にとってカウンセリングが生活の一部になり、Aさん以外のお話もお伺いするようになっておりました。

例えば、職場でお父様が部下をどのように育成したらよいのか悩んでいるというお話の日は、(勿論前半にAさんともお話をし、元気に登校していると嬉しいご報告もいただいております)、お話をする中で、お父様ご自身が

「自分は部下に対して完璧を求めることろがあったかもしれない…。それはAに対してもそうで、Aの不登校の経験から大分私もまるくなったと思っていたけれど、こうした根幹の部分は中々変わらないものですね。もう一度Aと乗り越えてきた時間を思い出そうと思います

など、カウンセリングの時間の中でお父様ご自身が自分の行動や価値観と向き合い、過去を振り返り、また未来に向けて気持ちを新たにされることも多々ありました。

また、そうした親御さんの変化をAさんも感じており「うちの親、最近あんまり干渉してこなくなったんだけど、先生がなんか言ってくれたの?」などと言われることも。私が親御さんに何か指示をしたのではなく、親御さんご自身が自分を振り返り考えられているとお伝えすると「へーそうなんだ」とAさんは少し照れながら嬉しそうにされていました。

カウンセリングは、気持ちを調整し行動を振り返る時間

私たちカウンセラーは、カウンセリングのお時間を何のために利用してください、とお願いすることはありません。しかし、様々なご家族とお話をしているとカウンセリングに多くの意義や目的、価値を感じようとされているご家族ほど、ご家族内での関係性が豊かになり、最終的にお子さんにもプラスの効果が多く発揮されているように感じます。

 

今このブログを読んで、カウンセリングを受けるか迷われている方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度私たちにお声がけくださいね。皆さまがカウンセリングの中で、多くの価値や意義を感じられるよう私たちカウンセラーも精いっぱいサポートさせていただきます。

無料面談について詳しくはクリック

関連ワード: , , , , , , , , ,