子どもの状態だけに目を向けても不登校の解決にはつながらない?
こんにちは。不登校支援センター横浜支部の安則芳郎です。
さて突然ですが、皆さんは「バタフライ・エフェクト」という言葉を聞いたことがありますか?
「バタフライ・エフェクト」
「バタフライ・エフェクト」とは気象学者エドワード・ローレンツ氏が提唱した仮説であり、
「蝶が羽を動かすと、空気中の微粒子を動かし、それがほかの微粒子を動かし、さらに多くの微粒子を動かす。
そうしているうちにやがて地球の反対側で竜巻が発生する」というものです。
(『バタフライ・エフェクト 世界を変える力』より引用)
さてどうしてこのようなお話をしたかというと、
不登校を考えていくにあたって少し関連がある内容だと思っているからです。
表面的に見えている「子どもの不登校」には複雑に絡み合った背景があるということを
私たちはこれまで多くのケースでお聴きしてきました。
今回は「親御さん自身の幼少時代の悩み」が背景にあるケースを
一つの例として取り上げてみましょう。
皆さんはどのような幼少期を過ごされてきたでしょうか?
幼少期の頃、ご両親とご自身との関係で悩んだことはありましたか?
そしてそれは解決しましたか?あるいは未解決のままとなっていますか?
ご両親がとても厳しいタイプだった方からよくお聴きするのは、
- 自身が厳しく育てられたこともあって、子どもを見ていると甘えているようにしか見えない
- 自分と同じような辛い気持ちを、子どもに味わわせたくない
- 子どもにもしっかりしてもらわないと自分自身が(両親に)怒られるのではないかと心配になる
などです。
これらの気持ちを持つこと自体は決して悪い事ではありません。
一方、今でもご両親との間で何らかシコリのようなものが残っていることで
子どもに対してネガティブな感情を抱いてしまうことや、子どもの言動に過剰な
反応を示してしまうことがあるとお聴きすることもあります。
そうするとその思いが知らず知らずの内に子どもへ伝わり
「お母さんは自分の事を悪く思っているのかな?」
「お父さんは私を信用していないのかな?」
など、マイナスのメッセージとして伝わってしまうことがあるようです。
そして子どもの状態は良くなってきているのに どうしてもそう思えなかったり、
学校に通うようになったにも関わらず親御さん自身のモヤモヤはずっと残っていたりと
不安感や不全感が残った状態が続いてしまいます。
だからこそ子ども自身の状態だけではなく、親御さん自身のお気持ちや
親御さんを取り巻く周囲の方との関係性にも目を向けて頂きたいと思っております。
親御さんの気持ちや自身を取り巻く関係性に目を向ける視点
このような視点は、子どものためにあらゆることをしてきているのに
どうしてもうまくいかない時に、特に有効なものかと感じます。
カウンセリングでは、子どもの不登校の表面的な課題に目を向けるだけでなく
その奥にある背景(関わる親御さんのお気持ちや親御さん自身の育ってきた家庭環境等)にも目を向け、
より立体的な視点でアプローチを考えていくことが大切だと思っています。
もちろん子どもの不登校の原因を特定したり、犯人探しをするわけではありません。
あらゆる角度から今の現象を見つめることで活路を見出していくことにつなげていきたいという思いです。
そしてまた、ここからの親御さんの関わりが徐々に徐々に子どもたちを勇気づけ、
復学につながっていくプラスのバタフライ・エフェクトを生み出していく可能性がある
ということも言えるかと思います。
最後に
何気ない日常の中に生まれるコミュニケーションがゆくゆくは子どもの復学や
自立につながっていくことを信じて、これからの関わりを考えていきたいですね。
私たちカウンセラーにもご協力できる部分があるかと思いますので
何かありましたらお気軽にカウンセリングルームに足を運んでいただければ幸いです。
本日の内容は以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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