嬉しいご報告。② ~A君との初対面~
こんにちは。
不登校支援センター横浜支部カウンセラーの本沢裕太です。
突然ですが、皆さんはジブリ作品の中では、どの作品がお好きですか?
ジブリ作品自体がお好きな方も多くいらっしゃるのではないかと思いますし、どの作品が好きか意見が分かれそうですね。
最近、ウチの子(2歳児)と一緒に「魔女の宅急便」見ていた時のことです。
アニメのシーンに合わせて
「奥さーーん!忘れ物ーー!奥さーん!困ったねえ。これが無いとあの子大泣きしちゃうんだよ。」
と明らかにテレビでは無い所から声が聞こえたのです。
まさか・・・!
と思って、巻き戻してもう一度再生してみると、やっぱり息子がアフレコしてました。(笑)
その完コピ具合には驚きましたし、なぜこのシーンを気に入ったのか・・・謎ですが、私なりに新たな楽しみを見出した出来事でした。
梅雨時のジメジメに気持ちが上がらない時もありますが、皆さんも小さな楽しみを見つけてもらえたら嬉しいです。
さて、中学3年生Aくんのお話ですが、
本人が自分の希望や意志を対話の中で発信できる様、親御さんとの関係性を構築するために
どのようにカウンセリング進めていったのかをお伝えしていきたいと思います。
初対面は訪問させてもらうことに
幸いなことに、A君はカウンセリングを受けに来ることは警戒していたのですが、会う事自体は拒否されなかったので、ご自宅にお邪魔させて頂いてお話することになりました。
最初、緊張した様子でリビングでゲームをしながら待っていてくれたA君。(私もですが・・・)
まずは自己紹介をして、今日A君に会いに来た目的を伝えました。
テレビからは目を逸らさずに、話に耳を傾けている感じでした。
「学校に行けていないことを言われるのか」と思ったのか、表情は緊張している様子でしたが、A君がやっていたゲームについて質問すると、少しずつ答えてくれました。
「あ、答えてくれた」と私も少し安心して、詳しくそのゲームについて教えてもらいました。
どんなキャラクターがいるのか、それぞれどんな特技を使えるのか、どんなスキン(見た目)に変更できるのかなど、A君が好きなキャラ、使っているキャラを紹介してくれるというよりも、ゲーム全体について説明してくれました。
私に分かる様に説明してくれているんだなと思ったら、とても親切な子に思えました。
最近流行っているプレイヤー目線の戦闘系シューティングゲームで、実際にA君がプレイしている所を見せてもらうと、積極的に戦闘に加わるというよりは味方を支援するタイプのキャラクターを好んで使っている様に見えたので
「単独で敵地に乗り込むよりも、味方と協力して攻めるのが好き?」と聞くと、
「うん。そうかも知れない」
と答えてくれました。
それから少しずつ、「自分は回復系のキャラとか後方支援型のキャラを良く使う。アタッカーはすぐに倒されちゃうから苦手かも。」
と自分の得手不得手についても話してくれました。
しばらくそのゲームの話をした後、「協力型のカードゲームがあるから、もし興味があれば次回一緒にやってみない?」と伝えると興味を示してくれ、次も会う事を了承してくれました。
1回目の面談での内容と、次回も会ってくれそうだという旨を親御さんにお伝えした所、安心された様子だったのが印象的です。
2回目にお邪魔させて頂いた時もA君は、ゲームをやって待ってくれていました。
1回目と違ったのは、私が挨拶をすると手を止めて、こちらを向いて挨拶してくれましたことでした。
前回の宣言通りカードゲームを一緒にプレイした後に、A君自身は今どんなことに困っているかということを聞いてみました。
すると
「体調が悪くて学校に行けない」
と話してくれました。
言葉としては少なかったですが、その気持ちを話してくれるまでには、きっとたくさんの悩みや葛藤があったのではないかと思います。
- 学校に行かなきゃだけど、行けないこと
- 朝起きると、体が重く気だるいこと
- この人に話して変に思われないだろうか
- 自分でも理由が分からないのに「何で?」と聞かれないだろうか
- 「〇〇してみたら?」「◇◇はどう?」と、すぐに結論を迫られないだろうか
こういった様々な不安の中、少しだけ勇気を出してくれたのは、その緊張した表情を見て分かりました。
なので、話してくれたことに感謝を伝え、A君の困りごとが減るためにどんなことができそうか一緒に考えたい旨を伝えました。
それに対して、A君は緊張や不安な表情が少しだけ和らぎ、頷いてくれました。
今お悩みの親御さんも、不安や焦りの気持ちから「じゃあ、どうしたら良いのか?」という事にどうしても意識が向きがちかも知れませんが、お子さんが気持ちを話してくれる過程では、多くの不安や葛藤を感じながらも、勇気を振り絞って発信してくれることが多いです。
まずは、話してくれたことへの感謝を伝えてみてください。
それが「ちゃんと聞いてくれた」という安心感になり、「次も話してみようかな」と思う第一歩になります。
それでは続きはまた次回以降にお伝えしますね。
お読み頂きありがとうございました。
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