嬉しいご報告。① ~親御さんからお手紙頂きました~
こんにちは。
不登校支援センター横浜支部カウンセラーの本沢裕太です。
4月からの新しい環境にも少しずつ慣れてきた頃でしょうか。
これから気温もどんどんと暑くなってきますので、体調には気をつけたいですね。
「新しい環境」といえば、最近私の周りでもちょっとした変化がありました。
平日は子どもを保育園に預けてから出社するのですが、保育園までの距離が歩くにはちょっと遠いので、バスを利用しているんですね。
いつも大体同じ時間にバス停に行き待っているのですが、ある日全然バスが来ない日があったんです。
「あれ?いつもだったら10分くらい待っていたら来ていたのになぁ・・・遅れているのかなぁ・・・」
なんて思いながら子どもと待っていたのですが、その日は30分くらい待って、ようやくバスに乗りました。
その時は、「こんなに待つ日は珍しいな」くらいにしか思っていませんでした。
次の日、バス停で待っていると、そんなに時間が経たずにバスが到着しました。
「やっぱり昨日は遅れてたんだな。」
と思っていたら、近づくバスを見てびっくり!
大混雑しているではありませんか!!
運転手さんのほぼ真横の所になんとか乗せてもらい、出発。
それまでは、運が良ければ座れるかなくらいの混雑だったのに、急に混雑していたので、「これも4月だからかなぁ」なんて思っていたのですが・・・
その話を近所の先生としていたら、
「バスの運転手さんが少なくなっちゃって、本数減ったらしいですよ。全然来ないでしょ。」
と言われて、ビックリでした!
これまで「時間通りにバスが来ること」を当たり前の様に思ってしまっていましたが、それは運転手さんがいてくれたからなんですよね。
自分の中での「当たり前」は、色んな人に支えられているのだなと改めて感謝の気持ちを持つこの頃でした。
さて、これまでシリーズで、お子さんの心理状態や必要な環境、実際の事例などを紹介してきましたが、今回は、ある親御さんとお子さんのエピソードをお伝えしたいと思います。
きっかけは、その親御さんから頂いた1通のお手紙でした。
そこには、お子さんが自ら進みたい道を選択し、見事志望校へ合格できたと書かれておりました。
その文章を読んだ時、純粋にとても嬉しかったです。
親御さんとその子が悩みながら過ごした時間のほんの一部を共に過ごさせて頂いただけですが、一喜一憂する事がたくさんありました。
ですので、今まさに悩まれている方々へ、参考になればと思い、その一部をご紹介したいと思いました。
その親御さんは、次の様に言われておりました。
一番大変だと感じたのは
親である自分が何十年も生きてきた中で、親から、そして環境から知らず知らずに培われてきた価値観から自分を解放することでした。
社会の中ではこうあるべき
こんなことしちゃいけない
こんなことおかしい
普通は毎日学校に行って、部活や生活で辛いことがあってもみんなどうにか頑張っているのだからできるはず、それが当たり前だしそういうものだ などなど
それに親として子供に
こうなって欲しい、困ることがないのように勉強してレールからはみ出ないで進んで欲しいなど
親なら子供のことを心配するのは当然なのですが、子供は所有物ではないし、子供には子供の人格があるし、それは成長とともに形成されていく、子供自身が自分のために歩むべき人生を進むべきであることを見失いがちです
そのためにも子供は子供
親は親
ありのままの子供を受け入れる
ありのままの自分も受け入れる
「それぞれが自分軸で共に認める、共に歩む」
どうしたらいいのか悩みながらも、ある時ふっとこう言うことなのかと
そのことが腑に落ちるときが来て、暗いトンネルから光が見える時が苦しんでいる親御さん、お子さんにやってくることを願います。
親御さんがこれまで「当たり前」と感じていた価値観を振り返り、そこから解放されることが一番大変だったと振り返っておられましたね。
自分が何を「当たり前」と感じているのかを振り返ることは、とても大切な事だと思います。
「当たり前」だと思っているのは自分だけかも知れないですしね。
自分の「当たり前」を出す事を恐れてしまったり、出しすぎてと相手とぶつかってしまうこともあるかも知れませんが、少しずつ相手の「当たり前」と上手に交われたら素敵な関係が築けそうですよね。
それでは、お子さんの紹介と初めて親御さんがカウンセリングにお越し頂いた時にお話頂いたことを紹介しますね。
中学3年生の男子Aくん
親御さんがご相談に来られたのは、Aくんが中学3年生になった頃でしたが、学校を休み始めたのは中学2年の夏休み明けだったそうです。
朝起きてこれなかったので、体調が悪いのではないかと心配され、病院を受診された際に「起立性調節障害」と診断されました。
寝付きやすくなるお薬と朝目覚めが良くなるお薬を服用しながら様子を見ていましたが、お薬も飲んだり飲まなかったりで一向に学校に行く様子が見られないし、A君はもともと口数が多い方ではなく、行かない理由なども具体的には話さないので、親御さんとしてもどうしてあげたら良いのか分からないという事で、ご相談に来られました。
学校を休み始めてから、家ではテレビゲームやスマホをいじって過ごす時間も多くなっており、そのことも心配されておりました。
カウンセリングに誘ってみて頂いたのですが、本人は乗り気ではなかったので、最初は親御さんだけでお越し頂きました。
面談の中で、親御さんの思い当たる事をお聞かせ頂きました。
- 小さい頃から親が決めた習い事などをやらせることが多く、本人の希望を聞くよりもコントロールしていたことが信頼関係を失うことになってしまったのでは
- 自分でもどうしたら良いのかわからないのではないか
- だから今も心を閉ざすことになってしまったのではないか
と振り返っておられました。
ですので、本人が自分の希望や意志を対話の中で発信できる様、親御さんとの関係性を構築するために、カウンセリングを行っていくことになりました。
では、続きは次回以降でお伝えしていきますね。
お読み頂きありがとうございました。
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